オートメーションクライアント

[アーティクル]
06/07/2013

オートメーション機能を使うと、他のアプリケーションで実装されているオブジェクトを操作することも、逆に自分のオブジェクトを公開して他のアプリケーションでそれを操作できるようにすることも可能です。オートメーションクライアントとは、別のアプリケーションが公開しているオブジェクトを操作できるアプリケーションのことです。オブジェクトを公開するアプリケーションは、オートメーションサーバーと呼ばれます。クライアントは、サーバーアプリケーションのオブジェクトのプロパティや関数を外部から利用することで、そのオブジェクトを操作します。

オートメーションクライアントの種類

オートメーションクライアントには、次の 2 種類があります。

サーバーのプロパティや動作に関する情報を動的に (実行時に) 取得するクライアント
サーバーのプロパティや動作に関する情報を静的に (コンパイル時に取得して) 所有するクライアント

動的クライアントでは、OLE システムの IDispatch 機構を利用して、サーバーのプロパティやメソッドに関する情報を取得します。IDispatch 機構は動的クライアントには便利ですが、操作するオブジェクトをコンパイル時に認識しなければならない静的クライアントには不便です。静的クライアントでは、MFC (Microsoft Foundation Class) の COleDispatchDriver クラスを利用できます。

静的クライアントは、クライアントアプリケーションに静的にリンクされるプロキシクラスを使います。このクラスは、サーバーアプリケーションのプロパティと動作のタイプセーフな C++ のカプセル化を提供します。

COleDispatchDriver クラスは、オートメーションのクライアント側の基本機能を実現します。Add New Item ダイアログボックスで、COleDispatchDriver から派生するクラスを作成します。

その後、サーバーアプリケーションのオブジェクトのプロパティと関数について記述したタイプライブラリファイルを指定します。[項目の追加] ダイアログボックスでは、このファイルを読み込んで COleDispatchDriver の派生クラスを作成します。このクラスのメンバー関数を呼び出すと、タイプセーフな方法で C++ のサーバーアプリケーションオブジェクトにアクセスできます。COleDispatchDriver クラスから継承した機能を利用することで、該当するオートメーションサーバーを簡単に呼び出すことができます。