wmain の使用
Visual C++ では、wmain 関数を定義して、Unicode アプリケーションにワイド文字引数を渡すことができます。wmain に渡す仮引数は、main に渡す際の形式に準拠して宣言します。さらに、ワイド文字の引数と、必要であればワイド文字環境ポインターもプログラムに渡すことができます。wmain の引数 argv と envp の型は wchar_t* です。次に例を示します。
wmain( int argc, wchar_t *argv[ ], wchar_t *envp[ ] )
[!メモ]
MFC の Unicode アプリケーションでは、エントリ ポイントとして wWinMain を使用します。この場合、CWinApp::m_lpCmdLine は、Unicode 文字列になります。/ENTRY リンカー オプションを使用して wWinMainCRTStartup を設定してください。
プログラムが main 関数を使用している場合、マルチバイト文字環境は、プログラムの起動時にランタイム ライブラリが作成します。マルチバイト文字環境で使われるワイド文字のコピーは、必要に応じて作成されます (たとえば、_wgetenv 関数や _wputenv 関数が呼び出されたとき)。MBCS 環境が既に存在している場合は、_wputenv または _wgetenv を初めて呼び出したときに、対応するワイド文字列環境が作成されます。次に、_environ グローバル変数のワイド文字版である _wenviron グローバル変数が、その環境へのポインターとなります。この時点までで、2 つの環境のコピー (MBCS および Unicode) が同時に存在していることになるわけですが、両方ともプログラムが消滅するまでランタイム システムによって保持されます。
プログラムが wmain 関数を使っている場合は、ワイド文字環境がプログラムの起動時に作成され、また _wenviron グローバル変数によって環境のアドレスが示されます。MBCS (ASCII) 環境は、_putenv または getenv を初めて呼び出したときに作成され、_environ グローバル変数によってアドレスが示されます。