方法: SCVMM 環境を格納する
格納済み環境は、チーム プロジェクトの System Center Virtual Manager (SCVMM) のライブラリ サーバーにある構成ファイル、仮想マシン、およびテンプレートのセットです。格納済み環境は、配置された環境を作成するための 1 つの方法です。格納済み環境を起動および実行することはできません。格納済み環境を配置すると、格納済み環境のテンプレートおよび格納済み仮想マシンからチーム プロジェクト ホスト グループに仮想マシンが作成されます。正しく構成すると、外部ドメインでコンピューター名が競合することなく、格納済み環境の複数のコピーを同時に配置できます。詳細については、このトピックで後述する「コンピューター名の競合の回避」を参照してください。
要件
- Visual Studio Ultimate, Visual Studio Premium, Visual Studio Test Professional
このトピックでは、次の状況で格納済み環境を作成および使用する方法を説明します。
配置された環境のアーカイブ |
配置された環境を削除する場合、後で使用できるように環境を格納します。 |
格納済み仮想マシンおよびテンプレートからの格納済み環境の作成 |
プロジェクト ライブラリの仮想マシンまたはテンプレートから、格納済み環境を作成します。 |
格納済みネットワーク分離環境の作成 |
同時に実行できる環境の正確な複製を作成するためにネットワーク分離環境を格納します。 |
配置された環境からの格納済み環境の作成 |
配置された環境で仮想マシンを再利用できるように準備し、ネットワーク分離を使用しない、同一の機能を持つ環境を作成します。次の種類の格納済み環境を作成できます。
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コンピューター名の競合の回避
どの種類の仮想環境を作成する場合でも、ドメインでの名前の競合を回避することを考慮する必要があります。2 台以上のコンピューターで、コンピューター名や IP アドレスなどのドメイン識別子を共有している場合、名前の競合が生じます。ドメインやワークグループで仮想マシンの複数のコピーが実行されている (アクティブになっている) 場合に、これらの識別子の 1 つ以上が共有されていると、名前の競合が発生する可能性があり、頻繁に発生します。2 つのコンピューター間で名前の競合が発生すると、次のような状況に陥る可能性があります。
1 つのコンピューターまたは両方のコンピューターがネットワークから切断される。
誤ったネットワーク トラフィックが対象になる。2 台のコンピューターが 1 つのネットワーク上で同じ ID を持っていると、1 つのコンピューターを対象にしているコマンドまたはメッセージが 2 つ目のコンピューターに送信される場合があります。
格納済み環境を作成するときに名前の競合を回避する方法は、環境内でネットワーク分離を使用するかどうか、およびテンプレートまたは仮想マシンの格納済み環境を作成するかどうかによって異なります。
ネットワーク分離の使用。環境のネットワーク分離機能では、1 つの環境内の仮想マシンに対して外部ドメインに固有の ID エイリアスを提供します。ネットワーク分離環境内のコンピューターの内部コンピューター名が一意であるか確認する必要があります。ただし、同じ内部コンピューターを複数の環境で使用できます。このトピックの「ネットワーク分離を使用する配置された環境からの格納済み環境の作成」を参照してください。
テンプレートの使用。テンプレートを使用してネットワーク分離を使用しない格納済み環境を作成する場合は、仮想マシンとして配置するときに一意のコンピューター名が自動的に生成されるようにテンプレートを構成できます。外部ドメインに自動的に接続するようにテンプレートを構成することもできます。このトピックの「配置された環境からのテンプレートの格納済み環境の作成」を参照してください。
格納済み仮想マシンの使用。コンピューター名の競合を回避するには、格納済み仮想マシンをワークグループ コンピューターとして作成することをお勧めします。ワークグループ コンピューターとは、外部ドメインに自動的に参加しないコンピューターのことです。格納済み環境で仮想マシンを使用し、ネットワーク分離を使用しない場合は、環境が配置されるときに作成されたコンピューターに固有のコンピューター名を手動で指定してから、それらのコンピューターを外部ドメインに接続する必要があります。このトピックの「配置された環境からの仮想マシンの格納済み環境の作成」を参照してください。
配置された環境のアーカイブ
環境を削除しても後でその環境を再作成できるようにする場合は、配置された環境を格納します。配置された環境をアーカイブするには、次の操作を行います。
Test Managerの [ラボ] タブで、環境が停止していることを確認します。
環境を選択し、ツール バーの [*** ライブラリに保存します ***] を選択します。
環境のコピーがチーム プロジェクト ライブラリに格納された後に、配置された環境を削除します。
格納済み環境は、配置された環境の正確な複製です。配置された環境でネットワーク分離を使用していなかった場合は、アーカイブされた環境のコピーは、同時に 1 つのみ配置できます。
格納済み仮想マシンおよびテンプレートからの格納済み環境の作成
格納済み環境から作成する配置された環境で、アプリケーションやサーバー ロールのインストールなどの拡張構成が必要ない場合は、既存の格納済み仮想マシンおよびテンプレートから直接チーム プロジェクト ライブラリ内に格納済み環境を作成できます。
チーム プロジェクト ライブラリの格納済み仮想マシンおよびテンプレートから格納済み環境を作成するには、次の操作を実行します。
Test Managerの [ライブラリ] タブで、[環境] を選択します。
[新規作成] を選択します。
「格納済み仮想マシンおよびテンプレートを使用した SCVMM 環境の作成」の「仮想マシンまたはテンプレートから環境を作成するには」で説明されている手順に従ってください。
格納済み環境で仮想マシンを使用する場合は、配置された環境に作成される仮想マシンが外部ドメインの一意の ID を持っているか確認する必要があります。
ネットワーク分離を使用する配置された環境からの格納済み環境の作成
ネットワーク分離を使用する配置された初期環境を作成するには、通常 2 つの手順を実行します。最初に、格納済み仮想マシン、テンプレート、または格納済み仮想マシンとテンプレートの組み合わせから配置された環境を作成します。次に、配置された環境を開始し、仮想マシンを内部の Active Directory ドメインに接続するなど、追加の構成タスクを実行します。配置された環境を作成および構成したら、次の 2 つの手順で格納済み環境を作成できます。
Test Managerの [ライブラリ] タブで、環境がシャットダウンしていることを確認します。
ツール バーの [*** ライブラリに格納 ***] を選択します。
ネットワーク分離を使用する環境を配置すると、Lab Management で、外部ドメインに固有のエイリアス ID を示すネットワーク アダプターが各仮想マシンに追加されます。これにより、外部ドメインでコンピューター名が競合することなく、格納済み環境の複数のコピーを同時に配置できます。
詳細については、「ネットワーク分離環境の作成および使用」を参照してください。
ネットワーク分離を使用しない配置された環境からの格納済み環境の作成
ネットワーク分離を使用しない環境内の仮想マシンには、多くの構成が必要になる場合があります。たとえば、複数のマシンに追加のソフトウェアをインストールしたり、サーバー コンピューターで特殊なロールや機能を構成する必要がある場合があります。このような種類の構成は、配置された環境のマシンでのみ実行できます。この場合は、配置された環境から格納済みの環境を作成できます。テンプレートおよび格納済み仮想マシンの両方で構成される格納済み環境を作成することはできますが、間違いを防ぐために、格納済み環境ではテンプレートのみまたは仮想マシンのみを使用することをお勧めします。
配置された環境からのテンプレートの格納済み環境の作成
配置された環境から、テンプレートの格納済み環境を直接作成することはできません。ただし、配置された環境の仮想マシンから格納済み環境のテンプレートを作成し、ライブラリで環境を再作成できます。配置された環境からテンプレートの格納済み環境を作成するには、次の操作を実行します。
初期環境を作成します。詳細については、「格納済み仮想マシンおよびテンプレートを使用した SCVMM 環境の作成」を参照してください。チーム プロジェクト ラボ内に環境を作成します。
テンプレートを作成するには、「方法: 仮想マシンまたはテンプレートを保存する」で説明した手順に従います。
格納済みの環境を作成するには、「格納済み仮想マシンおよびテンプレートを使用した SCVMM 環境の作成」の「仮想マシンまたはテンプレートから環境を作成するには」で説明されている手順に従ってください。チーム プロジェクト ライブラリ内に環境を作成します。
テンプレートを作成するときに、テンプレートから作成された各仮想マシンに一意の ID を割り当てるようにテンプレートを構成できます。この構成オプションを使用すると、外部ドメインでコンピューター名が競合することなく、格納済み環境の複数のコピーを同時に配置できます。
配置された環境からの仮想マシンの格納済み環境の作成
コンピューター名の競合を回避するには、格納済み仮想マシンをワークグループ コンピューターとして作成することをお勧めします。ワークグループ コンピューターとは、外部ドメインに自動的に参加しないコンピューターのことです。ここでは、格納済み仮想マシンが外部ドメインに接続されていないことを前提としています。
ネットワーク分離を使用しない配置された環境から仮想マシンの格納済み環境を作成するには、次の操作を実行します。
初期環境を作成します。詳細については、「格納済み仮想マシンおよびテンプレートを使用した SCVMM 環境の作成」を参照してください。
Test Managerの [ラボ] タブで、環境が実行中であることを確認します。
環境ビューアーで、環境に接続します。
環境内の各マシンに対して、次の操作を実行します。
仮想マシンに接続してログインします。
仮想マシンがドメインに参加している場合は、ドメインから削除し、ワークグループに追加します。
コンピューター名を変更します。
再起動を要求するメッセージが表示されたら、コンピューターを再起動します。
環境ビューアーを終了し、Test Managerの [ラボ] タブで環境をシャットダウンします。
環境を選択し、[ライブラリに格納します] を選択します。次を指定します。
環境内の仮想マシンを以前の状態に復元します。
環境を再起動し、環境ビューアーで環境に接続します。
環境内の各コンピューターに接続し、元の名前に戻します。必要に応じて、仮想マシンをドメインに接続します。コンピューターを再起動します。
仮想マシンの格納済み環境がホスト グループに配置されている場合、ユーザーはドメインに参加しているすべてのコンピューターの ID がドメインに対して一意であることを確認する必要があります。詳細については、「格納済み仮想マシンおよびテンプレートを使用した SCVMM 環境の作成」の「格納済み仮想マシンからのネットワーク分離を使用しない配置された環境の作成」を参照してください。
参照
概念
格納済み仮想マシンおよびテンプレートを使用した SCVMM 環境の作成