複数の UI マップでの大規模アプリケーションのテスト

[アーティクル]
06/07/2013

このトピックでは、複数の UI マップを使用して大規模なアプリケーションをテストする場合のコード化された UI テストの使用方法について説明します。

要件

Visual Studio Ultimate, Visual Studio Premium

新しいコード化された UI テストを作成すると、Visual Studio テストフレームワークによってテスト用のコードが既定では UIMap クラスに生成されます。コード化された UI テストの記録方法の詳細については、「コード化された UI テストの作成」および「コード化された UI テストの構造」を参照してください。

UI マップ用に生成されるコードには、テストとやり取りする各オブジェクトのクラスが含まれています。生成されるメソッドごとに、そのメソッド専用のメソッドパラメーター用コンパニオンクラスが生成されます。アプリケーションに多数のオブジェクト、ページ、およびフォームとコントロールがある場合、UI マップは非常に大きくなることがあります。また、数人でテストの作業を行う場合、UI マップが 1 つの大きなファイルであると、アプリケーションが扱いにくくなります。

複数の UI マップファイルを使用することには、次のような利点があります。

各マップをアプリケーションの論理的なサブセットに関連付けることができます。このため、変更を管理しやすくなります。
各テスト担当者がアプリケーションのセクションに対して作業を行い、他のセクションのテスト担当者に影響を与えずに、自分のコードをチェックインできます。
アプリケーション UI への追加による拡大を段階的に処理でき、UI の他の部分のテストに対する影響が最小限に抑えられます。

複数の UI マップが必要になる例

次のような状況では、複数の UI マップを作成します。

Web サイトの登録ページや買い物カゴの購入ページのように、いくつかの複雑な複合 UI コントロールのセットが協調して論理的な操作を行う。
いくつかの操作のページを持つウィザードのように、独立したコントロールのセットがアプリケーションのさまざまな場所からアクセスされる。ウィザードの各ページが特に複雑な場合、ページごとに個別の UI マップを作成できます。

複数の UI マップの追加

コード化された UI テストに UI マップを追加するには、

[ソリューションエクスプローラー] では、すべての UI マップを格納するコード化された UI テストプロジェクトのフォルダーを作成するコード化された UI テストのプロジェクトファイルを右クリックし、[追加] をポイントし、[新しいフォルダー] を選択します。たとえば、UIMaps という名前を付けます。

新しいフォルダーは、コード化された UI テストプロジェクトの下に表示されます。
UIMaps フォルダーを右クリックし、[追加] をポイントし、[新しいアイテム] を選択します。

[新しい項目の追加] ダイアログボックスが表示されます。

[!メモ]

新しいコード化された UI テストマップを追加するコード化された UI テストプロジェクトに存在する必要があります。
一覧から [コード化された UI テストマップ] を選択します。

[名前] ボックスに、新しい UI マップの名前を入力します。たとえば HomePageMap のように、マップが表すコンポーネントまたはページの名前を使用します。
[追加] をクリックします。

Visual Studio のウィンドウが最小化され、[コード化された UI テストビルダー] ダイアログボックスが表示されます。
最初のメソッドの操作を記録し、[コードの生成] を選択します。
最初のコンポーネントまたはページのすべての操作とアサーションを記録し、それらをメソッドにグループ化してから、[コード化された UI テストビルダー] ダイアログボックスを閉じます。
UI マップの作成を続けます。操作とアサーションを記録し、コンポーネントごとのメソッドにグループ化してから、コードを生成します。

多くの場合、アプリケーションのトップレベルのウィンドウは、すべてのウィザード、フォーム、およびページを通じて一定です。各 UI マップにはトップレベルのウィンドウのクラスがありますが、すべてのマップは通常、アプリケーションのすべてのコンポーネントが実行されている、同じトップレベルのウィンドウを参照しています。コード化された UI テストは、コントロール階層を上から順に検索します。トップレベルのウィンドウから開始するため、複雑なアプリケーションでは、実際のトップレベルのウィンドウがすべての UI マップで重複する場合があります。実際のトップレベルのウィンドウが重複している場合、そのウィンドウが変更されると、複数の変更が発生することになります。それによって、UI マップ間で切り替えを行うときに、パフォーマンスの問題が発生する場合があります。

この影響を最小限に抑えるには、CopyFrom() メソッドを使用して、UI マップの新しいトップレベルのウィンドウがメインのトップレベルのウィンドウと同じになるようにします。

例

次の例は、さまざまな UI マップで生成されるクラスによって表される各コンポーネントとその子コントロールにアクセスできるようにするユーティリティクラスの一部です。

この例では、Contoso という名前の Web アプリケーションに、ホームページ、製品ページ、および買い物カゴページがあります。これらの各ページが、ブラウザーウィンドウである共通のトップレベルウィンドウを共有しています。ページごとに UI マップがあり、ユーティリティクラスには次のようなコードがあります。

using ContosoProject.UIMaps;
using ContosoProject.UIMaps.HomePageClasses;
using ContosoProject.UIMaps.ProductPageClasses;
using ContosoProject.UIMaps.ShoppingCartClasses;

namespace ContosoProject
{
    public class TestRunUtility
    {
        // Private fields for the properties
        private HomePage homePage = null;
        private ProductPage productPage = null;
        private ShoppingCart shoppingCart = null;

        public TestRunUtility()
        {
            homePage = new HomePage();
        }

        // Properties that get each UI Map
        public HomePage HomePage
        {
            get { return homePage; }
            set { homePage = value; }
        }

        // Gets the ProductPage from the ProductPageMap.
        public ProductPage ProductPageObject
        {
            get
            {
                if (productPage == null)
                {
                    // Instantiate a new page from the UI Map classes
                    productPage = new ProductPage();

                    // Since the Product Page and Home Page both use
                    // the same browser page as the top level window,
                    // get the top level window properties from the
                    // Home Page.
                    productPage.UIContosoFinalizeWindow.CopyFrom(
                        HomePage.UIContosoWindowsIWindow);
                }
                return productPage;
            }
        }

    // Continue to create properties for each page, getting the 
    // page object from the corresponding UI Map and copying the 
    // top level window properties from the Home Page.
}