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Outlook フォーム領域の作成に関するガイドライン

次に、フォーム領域を最適化し、発生する可能性のある問題を回避するのに役立つ情報を示します。

  • フォーム領域の名前の使用

  • フォーム領域での継承の無効化

  • 型名とメッセージ クラス名について

  • 閲覧ウィンドウの隣接フォーム領域のデザイン

  • 最適なサイズのアイコンの使用

フォーム領域の詳細については、「Outlook フォーム領域の作成」を参照してください。

対象: このトピックの情報は、Outlook 2013 と Outlook 2010 のアプリケーション レベルのプロジェクトに適用されます。詳細については、「Office アプリケーションおよびプロジェクト タイプ別の使用可能な機能」を参照してください。

フォーム領域の名前の使用

フォーム領域には、いくつかの名前を使用できます。これらの名前の相違点と、名前がフォーム領域に及ぼす影響について、理解することが重要です。それぞれの名前について、次の表に示します。

フォーム領域名

説明

フォーム領域アイテム名

[新しい項目の追加] ダイアログ ボックスで Outlook フォーム領域アイテムに指定した名前です。これはフォーム領域コード ファイルの名前で、ソリューション エクスプローラーに表示されます。

FormRegionName プロパティ

この名前は、新しい Outlook フォーム領域ウィザードの [説明用のテキストを指定し、表示設定を選択します] ページで指定します。この名前は、[プロパティ] ウィンドウに FormRegionName プロパティとして表示されます。

FormRegionName プロパティを使用して、Outlook ユーザー インターフェイス (UI) のフォーム領域を示すラベルを指定します。分離フォーム領域の場合、この名前は Outlook アイテムのリボンにボタンとして表示されます。

隣接フォーム領域の場合、この名前は、フォーム領域上のヘッダー テキストとして表示されます。

Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionName 属性

プロジェクトに Outlook フォーム領域アイテムを追加すると、Visual Studio によって、このプロパティはフォーム領域の完全修飾名に設定されます。既定の完全修飾名は、アドインの名前にフォーム領域の名前を追加して、ドットで区切った名前に設定されます。たとえば、OutlookAddIn1.FormRegion1 のようになります。

この完全修飾名は、フォーム領域ファクトリ クラスの先頭にも属性として表示されます。

Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionName 属性は、すべての Outlook アドインにわたってフォーム領域を一意に識別する名前として使用できます。フォーム領域の名前変更や FormRegionName プロパティの変更を行って Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionName 属性の値を変更することはできません。この名前を変更するには、フォーム領域コード ファイルの Microsoft.Office.Tools.Outlook.FormRegionName 属性を変更する必要があります。

フォーム領域での継承の無効化

既定では、カスタム メッセージ クラスは、基本メッセージ クラスのすべてのフォーム領域の関連付けを継承します。たとえば、IPM.Task.Contoso という名前のメッセージ クラスは、IPM.Task から派生します。したがって、IPM.Task.Contoso は、IPM.Task のフォーム領域の関連付けを継承します。

フォーム領域をどの派生メッセージ クラスにも関連付けない場合は、フォーム領域の ExactMessageClass プロパティを true に設定します。たとえば、隣接するフォーム領域を IPM.Task に関連付け、ExactMessageClass プロパティを true に設定した場合、フォーム領域は、標準タスク フォームの一番下に追加されるだけです。フォーム領域は、標準タスク フォームのカスタマイズ バージョンの末尾には追加されません。

型名とメッセージ クラス名について

Outlook アイテムの型名は、Outlook アイテムのメッセージ クラス名とは異なります。たとえば、RSS アイテムの型名は Microsoft.Office.Interop.Outlook.PostItem です。RSS アイテムのメッセージ クラス名は IPM.Post.RSS です。

型名は、コード内の Outlook アイテムを参照するときに使用します。型名の一覧については、「フォーム領域の Outlook メッセージ クラスへの関連付け」を参照してください。

新しい Outlook フォーム領域ウィザードの Outlook アイテムのメッセージ クラス名は、アイテムをフォーム領域に関連付けるときに使用します。有効なメッセージ クラス名の一覧については、「フォーム領域の Outlook メッセージ クラスへの関連付け」を参照してください。

閲覧ウィンドウの隣接フォーム領域のデザイン

Outlook の閲覧ウィンドウを使用すると、アイテムを開かずに、Outlook アイテムをプレビューできます。閲覧ウィンドウは、読み取り専用に設計されています。したがって、閲覧ウィンドウでアイテムとフォーム領域が開かれていると、隣接フォーム領域に追加するテキスト ボックスなどの入力コントロールは期待どおりに動作しないことがあります。

たとえば、隣接フォーム領域のあるアイテムを閲覧ウィンドウで開くと、次のような状況が発生する可能性があります。

  1. フォーム領域上のテキスト ボックスで、一部のテキストを選択します。

  2. Del キーを押します。

  3. テキスト ボックスで選択したテキスト部分でなく、メール アイテム全体が削除されます。

隣接フォーム領域をデザインする場合、そこに入力コントロールを含めるときは、閲覧ウィンドウ内のコントロールをテストして、正しく動作することを確認します。期待どおりに動作しないコントロールを無効にするように、カスタム コードを追加することを検討してください。

または、フォーム領域の ShowInspectorRead プロパティを False に設定することもできます。この方法を採用すると、閲覧ウィンドウでフォーム領域を使用できません。

最適なサイズのアイコンの使用

[プロパティ] ウィンドウの [Icons] プロパティ グループでアイコンのプロパティを設定することで、フォーム領域に表示するアイコンを指定できます。視覚的な品質を最高にするには、次のガイドラインを参考にしてください。

  • ページ アイコンには、PNG (Portable Network Graphics) ファイルを使用します。

  • ウィンドウ アイコンは 32 ピクセル × 32 ピクセルにする必要があります。

  • その他のすべてのアイコンは 16 ピクセル × 16 ピクセルにする必要があります。

ページ アイコンは、分離、置換、またはすべて置換のフォーム領域を持つアイテムについて、インスペクターのリボンに表示されます。

ウィンドウ アイコンは、置換フォーム領域およびすべて置換フォーム領域を表示する開いているアイテムについて、通知領域、および Alt + Tab キーを押したときのダイアログ ボックスに表示されます。

参照

処理手順

チュートリアル : Outlook フォーム領域のデザイン

方法 : フォーム領域を Outlook アドイン プロジェクトに追加する

概念

実行時におけるフォーム領域へのアクセス

フォーム領域の Outlook メッセージ クラスへの関連付け

その他の技術情報

Outlook フォーム領域の作成