セットアップ/配置プロジェクト
Visual Studio には、配置プロジェクト用テンプレートが用意されています。用意されているテンプレートは、マージ モジュール プロジェクト、セットアップ プロジェクト、Web セットアップ プロジェクト、CAB プロジェクトの 4 種類です。 また、セットアップ ウィザードで配置プロジェクトを作成することもできます。 これらのテンプレートとウィザードは、[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスから利用できます。 [その他のプロジェクトの種類] ノードを展開し、[セットアップ/配置プロジェクト] ノードをクリックして、[Visual Studio インストーラー] をクリックします。
InstallShield Limited Edition を有効にして、Windows 用のアプリケーションとサービスを作成、ビルド、およびパッケージ化することもできます。 まず、[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスで、[その他のプロジェクトの種類] ノードを展開し、[セットアップ/配置プロジェクト] ノードをクリックして、[InstallShield LE] をクリックします。
テンプレートの概要
次のガイドラインは、プロジェクトに対して適切な種類の配置プロジェクトを選択するのに役立ちます。
プロジェクトの種類 |
目的 |
---|---|
InstallShield |
InstallShield 2010 Limited Edition を使用して、Windows 用のアプリケーションとサービスを作成、ビルド、およびパッケージ化します。 |
マージ モジュール プロジェクト |
複数の Windows ベースのアプリケーションで共有できるコンポーネントをパッケージ化します。 マージ モジュール プロジェクトを使用すると、ファイルまたはコンポーネントを 1 つのモジュールにパッケージ化できます。これにより、モジュールの共有が簡単になります。 作成した .msm ファイルは、他のいずれの配置プロジェクトにも格納できます。 |
セットアップ プロジェクト |
Windows ベースのアプリケーションのインストーラーを作成します。 セットアップ プロジェクトのファイルは、エンド ユーザーのコンピューターの Program Files ディレクトリにインストールされます。 |
Web セットアップ プロジェクト |
Web アプリケーションのインストーラーを作成します。 Web セットアップ プロジェクトのファイルは、Web サーバー上の仮想ルート ディレクトリにインストールされます。 |
CAB プロジェクト |
以前の Web ブラウザーにダウンロードする CAB ファイルを作成します。 CAB プロジェクトを使用すると、Web サーバーから Web ブラウザーにダウンロードできる ActiveX コンポーネントをパッケージ化できます。 |
ヒント
プロジェクトの作成後に、プロジェクトの種類をセットアップ プロジェクトから Web セットアップ プロジェクトに変更することはできません。 セットアップ プロジェクトを作成した後でそれを Web 版に配置する場合は、新しい Web セットアップ プロジェクトを作成する必要があります。
セットアップ プロジェクト
セットアップ プロジェクトを使用すると、CD やネットワーク ファイル共有を通じてアプリケーションを配布するためのインストーラーを作成できます。 結果として作成される Windows インストーラー (.msi) ファイルには、アプリケーション、すべての依存ファイル、レジストリ エントリなどのアプリケーションについての情報、およびインストールのための情報が含まれています。 .msi ファイルを別のコンピューターに配布して実行するときには、インストールに必要な項目が確実に含まれている必要があります。なんらかの理由でインストールが失敗すると (インストール先コンピューターに必要なバージョンのオペレーティング システムが存在していない場合など)、インストールはロールバックし、コンピューターはインストール前の状態に戻ります。
Visual Studio のセットアップ プロジェクトには、セットアップ プロジェクトと Web セットアップ プロジェクトの 2 種類があります。 セットアップ プロジェクトと Web セットアップ プロジェクトの違いは、インストーラーの配置先です。セットアップ プロジェクトは、ファイルをインストール先コンピューターのファイル システムにインストールし、Web セットアップ プロジェクトは、ファイルを Web サーバーの仮想ディレクトリにインストールします。
さらに、セットアップ ウィザードを利用すると、セットアップ プロジェクトまたは Web セットアップ プロジェクトを簡単に作成できます。
Web セットアップ プロジェクト
Visual Studio の配置ツールは、従来のメディアを使った配布用の Windows インストーラーを作成できるだけでなく、Web サーバーへの配置もサポートしています。 配置を利用した Web サーバーへのインストールには、単なるファイルのコピーにはない利点があります。まず、登録と構成に関する問題に自動的に対処できます。
また、Windows アプリケーションのインストーラーを Web サーバーに配置できるので、ユーザーは後で Web サイトからインストーラーをダウンロードして実行できます。
Web アプリケーションを Web サーバーに配置するには、Web セットアップ プロジェクトを作成してビルドした後、それを Web サーバー コンピューターにコピーします。その後、インストーラーを実行すると、Web セットアップ プロジェクトで定義された設定に基づいて、アプリケーションがサーバーにインストールされます。
注意
Web サーバーへの配置には、そのコンピューターの管理者アクセス特権が必要です。 詳細については、「Web ページと Web プロジェクト」を参照してください。
配置に関する一部の管理設定の動作はわかりにくい場合があります。 インターネット インフォメーション サービス (IIS) で "書き込み" プロパティが無効になっている仮想ディレクトリに対してもファイルが配置されます。"書き込み" プロパティによって制御されるのは、ファイルをアップロードするユーザーの操作だけです。
Web サーバーからのダウンロード用にアプリケーションを配置するには、ファイル システム エディターで Web セットアップ プロジェクトを作成し、アプリケーションに対するプロジェクト出力グループを Web セットアップ プロジェクトに追加します。 作成したインストーラーを Web サーバー コンピューターにコピーすると、Web ブラウザーを使用してインストーラーをダウンロードできます。
注意
インストーラーをダウンロードできるようにしても、Windows インストーラーのランタイム ファイルがユーザーのコンピューターで利用できるという保証はありません。 必ず、[Web ブートストラップの設定] ダイアログ ボックスで場所を指定し、ランタイム ファイルもダウンロードできるようにする必要があります。 詳細については、「[Web ブートストラップの設定] ダイアログ ボックス」を参照してください。
Cab ファイル プロジェクト
Cab プロジェクトを使用すると、.Cab ファイルを作成し、Web サーバーから Web ブラウザーにダウンロードできる ActiveX コンポーネントをパッケージ化できます。
他の種類の配置プロジェクトとは異なり、Cab プロジェクト用のエディターは用意されていません。 ファイルやプロジェクトの出力はソリューション エクスプローラーで Cab プロジェクトに追加でき、プロパティは [プロパティ] ウィンドウまたは [プロジェクトのプロパティ] ページで設定できます。
Cab プロジェクトのプロパティでは、圧縮レベルの指定、Authenticode 署名機能の実装、表示名とバージョン情報の設定、Web における依存ファイルの場所の指定などを行うことができます。
注意
Cab プロジェクトに対しては依存関係は計算されません。依存関係とその参照は開発者が決定する必要があります。
マージ モジュール プロジェクト
マージ モジュール プロジェクトを使用すると、再利用できるセットアップ コンポーネントを作成できます。 ダイナミック リンク ライブラリを使用するとアプリケーション間でコードが共有できますが、これと同様に、マージ モジュールを使用すると、Windows インストーラー間でセットアップ コードを共有できます。
マージ モジュール (.msm ファイル) は、コンポーネントをインストールするために必要なファイル、リソース、レジストリ エントリ、およびセットアップ方法をすべて格納する 1 つのパッケージです。 マージ モジュールは単独でインストールできず、Windows インストーラー ファイル (.msi) のコンテキストの中で使用することが必要です。 マージ モジュールを使用すると、特定のコンポーネントの依存情報をすべて取り込むことができるため、正しいバージョンをインストールできます。 一度配布したマージ モジュールは修正しないでください。コンポーネントのバージョンごとに新しいマージ モジュールを作成してください。
ただし、チェイナーまたはブートストラップを使用して依存関係および必須コンポーネントを配布することをお勧めします。 ブートストラップの詳細については、「アプリケーション配置の必要条件」を参照してください。
参照
処理手順
参照
[全般] ([オプション] ダイアログ ボックス - [プロジェクトおよびソリューション])