scanf_s、_scanf_s_l、wscanf_s、_wscanf_s_l
標準入力ストリームから書式付きデータを読み取ります。 これらの関数は、「CRT のセキュリティ機能」に説明されているように、scanf、_scanf_l、wscanf、_wscanf_l のセキュリティが強化されたバージョンです。
int scanf_s(
const char *format [,
argument]...
);
int _scanf_s_l(
const char *format,
locale_t locale [,
argument]...
);
int wscanf_s(
const wchar_t *format [,
argument]...
);
int _wscanf_s_l(
const wchar_t *format,
locale_t locale [,
argument]...
);
パラメーター
format
書式指定文字列。argument
省略可能な引数。locale
使用するロケール。
戻り値
正常に変換され、代入されたフィールドの数を返します。この数には、読み取られても代入されなかったフィールドは含まれません。 戻り値が 0 の場合は、代入されたフィールドがなかったことを示します。 エラーが発生した場合や、まだ文字を読み取っていないときにファイルの終端文字または文字列の終端文字が検出された場合は、EOF (end-of-file) を返します。 format が NULL ポインターの場合は、「パラメーターの検証」に説明されているように、無効なパラメーター ハンドラーが呼び出されます。 実行の継続が許可された場合、scanf_s および wscanf_s は EOF を返し、errno を EINVAL に設定します。
エラー コードの詳細については、「_doserrno、errno、_sys_errlist、および _sys_nerr」を参照してください。
解説
scanf_s 関数は、標準入力ストリーム stdin からデータを読み取り、そのデータを argument で指定されている位置に書き込みます。 各 argument は、format の型指定子に対応する型の変数へのポインターにする必要があります。 重なり合う文字列間でコピーした場合の動作は未定義です。
wscanf_s 関数は、scanf_s 関数のワイド文字バージョンです。wscanf_s 関数の引数 format は、ワイド文字列です。 ストリームが ANSI モードで開かれている場合、wscanf_s と scanf_s の動作は同じになります。 scanf_s では、UNICODE ストリームからの入力はサポートされていません。
これらの関数のうち _l サフィックスが付けられたバージョンは、現在のスレッド ロケールの代わりに渡されたロケール パラメーターを使用する点を除いて同じです。
scanf および wscanf とは異なり、scanf_s および wscanf_s では、c、C、s、S、または [ の型のすべての入力パラメーターに対してバッファー サイズを指定する必要があります。 バッファー サイズ (文字単位) は、バッファーまたは変数のポインターの直後に追加パラメーターとして渡されます。 たとえば、文字列を読み込む場合、その文字列のバッファー サイズは次のように渡されます。
char s[10];
scanf_s("%9s", s, _countof(s)); // buffer size is 10, width specification is 9
バッファー サイズには、終端 null も含まれます。 読み取られたトークンがバッファーに確実に収まるように、幅指定フィールドが使用される場合もあります。 幅指定フィールドが使用されない場合で、読み込まれたトークンがバッファーに収まらない場合、そのバッファーには何も書き込まれません。
注意
サイズ パラメーターは size_t 型ではなく、unsigned 型です。
バッファー サイズ パラメーターで、バイトではなく、文字の最大数を指定する例を次に示します。 wscanf_s の呼び出しで、バッファーの型により示される文字幅は、書式指定子で示される文字幅に一致していません。
wchar_t ws[10];
wscanf_s("%9S", ws, _countof(ws));
S 書式指定子は、関数がサポートする既定の幅とは "反対" の文字幅の使用を示します。 文字幅は 1 バイトですが、関数は 2 バイト文字をサポートしています。 この例では、最大で 9 つの 1 バイト幅文字の文字列が読み取られ、2 バイト幅文字バッファーに格納されます。 文字は 1 バイト値として処理されます。したがって、最初の 2 文字は ws[0] に格納され、次の 2 文字は ws[1] に格納され、以降も同様に処理されます。
文字の場合、次のように 1 文字読み込む場合もあります。
char c;
scanf_s("%c", &c, 1);
null で終わらない文字列に対して複数の文字列を読み込む場合、幅指定とバッファー サイズとして整数が使用されます。
char c[4];
scanf_s("%4c", &c, _countof(c)); // not null terminated
詳細については、「scanf 関数の文字幅指定」を参照してください。
汎用テキスト ルーチンのマップ
TCHAR.H のルーチン |
_UNICODE および _MBCS が未定義の場合 |
_MBCS が定義されている場合 |
_UNICODE が定義されている場合 |
---|---|---|---|
_tscanf_s |
scanf_s |
scanf_s |
wscanf_s |
_tscanf_s_l |
_scanf_s_l |
_scanf_s_l |
_wscanf_s_l |
詳細については、「scanf 関数と wscanf 関数の書式指定フィールド」を参照してください。
必要条件
ルーチン |
必須ヘッダー |
---|---|
scanf_s, _scanf_s_l |
<stdio.h> |
wscanf_s, _wscanf_s_l |
<stdio.h> または <wchar.h> |
互換性の詳細については、「C ランタイム ライブラリ」の「互換性」を参照してください。
使用例
// crt_scanf_s.c
// This program uses the scanf_s and wscanf_s functions
// to read formatted input.
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
int main( void )
{
int i,
result;
float fp;
char c,
s[80];
wchar_t wc,
ws[80];
result = scanf_s( "%d %f %c %C %s %S", &i, &fp, &c, 1,
&wc, 1, s, _countof(s), ws, _countof(ws) );
printf( "The number of fields input is %d\n", result );
printf( "The contents are: %d %f %c %C %s %S\n", i, fp, c,
wc, s, ws);
result = wscanf_s( L"%d %f %hc %lc %S %ls", &i, &fp, &c, 2,
&wc, 1, s, _countof(s), ws, _countof(ws) );
wprintf( L"The number of fields input is %d\n", result );
wprintf( L"The contents are: %d %f %C %c %hs %s\n", i, fp,
c, wc, s, ws);
}
同等の .NET Framework 関数
System::Double::Parse などの Parse メソッドも参照してください。
参照
参照
fscanf、_fscanf_l、fwscanf、_fwscanf_l
printf、_printf_l、wprintf、_wprintf_l