Windows フォームの DataGridView コントロールと DataGrid コントロールの違いについて

[アーティクル]
08/09/2011

DataGridView コントロールは、DataGrid コントロールに代わる新しいコントロールです。 DataGridView コントロールには、DataGrid コントロールにはない、さまざまな基本機能と高度な機能が用意されています。さらに、DataGridView コントロールのアーキテクチャにより、DataGrid コントロールよりも簡単に拡張やカスタマイズが行うことができます。

DataGrid コントロールにはない、DataGridView コントロールの主要な機能のいくつかを次の表に示します。

DataGridView コントロールの機能	説明
複数の列型	DataGridView コントロールには、DataGrid コントロールよりも多くの組み込みの列型が用意されています。これらの列型は、ほとんどの一般的なシナリオのニーズに適合しますが、DataGrid コントロールの列型よりも拡張や置き換えが簡単です。詳細については、「Windows フォーム DataGridView コントロールの列型」を参照してください。
複数の方法によるデータ表示	DataGrid コントロールでは、外部データソースのデータしか表示できません。それに対して、DataGridView コントロールは、コントロールに保存されている非バインドデータ、バインドデータソースのデータ、またはバインドデータと非バインドデータを合わせて表示できます。また、DataGridView コントロールに仮想モードを実装して、カスタムデータ管理を実現することもできます。詳細については、「Windows フォーム DataGridView コントロールでのデータ表示モード」を参照してください。
複数の方法によるデータ表示のカスタマイズ	DataGridView コントロールには多くのプロパティとイベントが用意されていて、データの書式設定と表示方法を指定できます。たとえば、セル、行、および列の外観をそれぞれに含まれるデータに応じて変更したり、あるデータ型のデータを別の型の等価のデータに置き換えたりできます。詳細については、「Windows フォーム DataGridView コントロールでのデータの書式設定」を参照してください。
セル、行、列、およびヘッダーの外観と動作を変更する複数のオプション	DataGridView コントロールでは、個々のグリッドコンポーネントを多彩な方法で操作できます。たとえば、行と列を固定してスクロールできないようにしたり、行、列、およびヘッダーを非表示にしたりできます。また、行、列、およびヘッダーのサイズの調整方法を変更したり、ユーザーが選択する方法を変更したりできます。さらに、個々のセル、行、および列にツールヒントとショートカットメニューを提供したりできます。

DataGrid コントロールは、下位互換性と特殊なニーズに対応するために保持されますが、ほぼすべての用途で、DataGridView コントロールを使用する必要があります。 DataGrid で利用できても、DataGridView コントロールでは利用できない唯一の機能は、関連する 2 つのテーブルの情報を 1 つのコントロールに階層表示する機能です。マスター/詳細リレーションシップになっている 2 つのテーブルの情報を表示するには、DataGridView コントロールを 2 つ使用する必要があります。

DataGridView コントロールへのアップグレード

簡単なデータバインドシナリオで DataGrid コントロールをカスタマイズせずに使用する既存のアプリケーションがある場合は、以前のコントロールを新しいコントロールに置き換えることができます。これらのコントロールは共に Windows フォームデータバインディングアーキテクチャを使用しているため、DataGridView は、追加構成の必要なしにバインドデータを表示します。ただし、データを BindingSource コンポーネントにバインドし、このコンポーネントを DataGridView コントロールにバインドすると、向上したデータバインディング機能を利用することもできます。詳細については、「BindingSource コンポーネント」を参照してください。

DataGridView コントロールはまったく新しいアーキテクチャを採用しているため、DataGridView コントロールで DataGrid のカスタマイズされた機能を使用できるようにする簡単な変換パスはありません。しかし、DataGridView コントロールには組み込みの機能が用意されているため、DataGrid でカスタマイズされた機能の多くは必要ありません。 DataGrid コントロール用に作成したカスタム列型を DataGridView コントロールで使用する場合は、新しいアーキテクチャでそれらを再実装する必要があります。詳細については、「Windows フォーム DataGridView コントロールのカスタマイズ」を参照してください。