次の方法で共有


方法 : LINQ を使用してデータベースのデータを変更する (Visual Basic)

統合言語クエリ (LINQ: Language-Integrated Query) のクエリを使用すると、簡単にデータベースの情報にアクセスし、データベースの値を変更できます。

SQL Server データベースの情報を取得して更新する新しいアプリケーションの作成方法の例を以下に示します。

このトピックの例では、Northwind サンプル データベースを使用します。 開発用コンピューターに Northwind サンプル データベースがインストールされていない場合は、Microsoft ダウンロード センター の Web サイトからダウンロードできます。 手順については、「サンプル データベースのダウンロード (LINQ to SQL)」を参照してください。

データベースへの接続を作成するには

  1. Visual Studio で、[表示] メニューの [サーバー エクスプローラー] または [データベース エクスプローラー] をクリックして、サーバー エクスプローラーまたはデータベース エクスプローラーを開きます。

  2. サーバー エクスプローラーまたはデータベース エクスプローラーで、[データ接続] を右クリックし、[接続の追加] をクリックします。

  3. Northwind サンプル データベースへの有効な接続を指定します。

LINQ to SQL ファイルを含むプロジェクトを追加するには

  1. Visual Studio で、[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。 プロジェクトの種類として、Visual Basic の [Windows フォーム アプリケーション] をクリックします。

  2. [プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。 [LINQ to SQL クラス] 項目テンプレートをクリックします。

  3. ファイルに northwind.dbml という名前を付けます。 [追加] をクリックします。 オブジェクト リレーショナル デザイナー (O/R デザイナー) で northwind.dbml ファイルが開かれます。

照会および変更するテーブルをデザイナーに追加するには

  1. サーバー エクスプローラーまたはデータベース エクスプローラーで、Northwind データベースへの接続を展開します。 [Tables] フォルダーを展開します。

    O/R デザイナーを閉じている場合は、前に追加した northwind.dbml ファイルをダブルクリックして再度開くことができます。

  2. Customers テーブルをクリックし、デザイナーの左ペインにドラッグします。

    デザイナーによって、プロジェクト用の新しい Customer オブジェクトが作成されます。

  3. 変更を保存し、デザイナーを閉じます。

  4. プロジェクトを保存します。

データベースを変更するコードを追加し、結果を表示するには

  1. ツールボックスから、DataGridView コントロールを、プロジェクトの既定の Windows フォームである Form1 にドラッグします。

  2. O/R デザイナーにテーブルを追加すると、デザイナーによって DataContext オブジェクトがプロジェクトに追加されます。 このオブジェクトには、Customers テーブルへのアクセスに使用できるコードが含まれます。 また、テーブルのローカル Customer オブジェクトと Customers コレクションを定義するコードも含まれます。 プロジェクトの DataContext オブジェクトには、.dbml ファイルの名前に基づいて名前が付けられます。 このプロジェクトの場合、DataContext オブジェクトの名前は northwindDataContext になります。

    コード内に DataContext オブジェクトのインスタンスを作成し、O/R デザイナーで指定した Customers コレクションを照会および変更できます。 Customers コレクションに対する変更は、DataContext オブジェクトの SubmitChanges メソッドを呼び出して送信するまで、データベースには反映されません。

    Windows フォーム Form1 をダブルクリックし、DataContext のプロパティとして公開されている Customers テーブルを照会するためのコードを、Load イベントに追加します。 次のコードを追加します。

    Private db As northwindDataContext
    
    Private Sub Form1_Load(ByVal sender As System.Object, 
                           ByVal e As System.EventArgs
                          ) Handles MyBase.Load
      db = New northwindDataContext()
    
      RefreshData()
    End Sub
    
    Private Sub RefreshData()
      Dim customers = From cust In db.Customers 
                      Where cust.City(0) = "W" 
                      Select cust
    
      DataGridView1.DataSource = customers
    End Sub
    
  3. ツールボックスから 3 つの Button コントロールをフォームにドラッグします。 最初の Button コントロールを選択します。 [プロパティ] ウィンドウで、Button コントロールの Name を AddButton に設定し、Text を Add に設定します。 2 番目のボタンを選択し、Name プロパティを UpdateButton に、Text プロパティを Update にそれぞれ設定します。 3 番目のボタンを選択し、Name プロパティを DeleteButton に、Text プロパティを Delete にそれぞれ設定します。

  4. [Add] ボタンをダブルクリックし、Click イベントにコードを追加します。 次のコードを追加します。

    Private Sub AddButton_Click(ByVal sender As System.Object, 
                                ByVal e As System.EventArgs
                               ) Handles AddButton.Click
      Dim cust As New Customer With { 
        .City = "Wellington", 
        .CompanyName = "Blue Yonder Airlines", 
        .ContactName = "Jill Frank", 
        .Country = "New Zealand", 
        .CustomerID = "JILLF"}
    
      db.Customers.InsertOnSubmit(cust)
    
      Try
        db.SubmitChanges()
      Catch
        ' Handle exception.
      End Try
    
      RefreshData()
    End Sub
    
  5. [Update] ボタンをダブルクリックし、Click イベントにコードを追加します。 次のコードを追加します。

    Private Sub UpdateButton_Click(ByVal sender As System.Object, _
                                   ByVal e As System.EventArgs
                                  ) Handles UpdateButton.Click
      Dim updateCust = (From cust In db.Customers 
                        Where cust.CustomerID = "JILLF").ToList()(0)
    
      updateCust.ContactName = "Jill Shrader"
    
      Try
        db.SubmitChanges()
      Catch
        ' Handle exception.
      End Try
    
      RefreshData()
    End Sub
    
  6. [Delete] ボタンをダブルクリックし、Click イベントにコードを追加します。 次のコードを追加します。

    Private Sub DeleteButton_Click(ByVal sender As System.Object, _
                                   ByVal e As System.EventArgs
                                  ) Handles DeleteButton.Click
      Dim deleteCust = (From cust In db.Customers 
                        Where cust.CustomerID = "JILLF").ToList()(0)
    
      db.Customers.DeleteOnSubmit(deleteCust)
    
      Try
        db.SubmitChanges()
      Catch
        ' Handle exception.
      End Try
    
      RefreshData()
    End Sub
    
  7. F5 キーを押してプロジェクトを実行します。 新しいレコードを追加するには、[Add] をクリックします。 その新しいレコードを変更するには、[Update] をクリックします。 その新しいレコードを削除するには、[Delete] をクリックします。

参照

処理手順

方法 : 更新、挿入、および削除を実行するストアド プロシージャを割り当てる (O/R デザイナー)

チュートリアル : LINQ to SQL クラスの作成 (O/R デザイナー)

概念

DataContext メソッド (O/R デザイナー)

その他の技術情報

LINQ (Visual Basic)

クエリ (Visual Basic)

LINQ to SQL