標準 C++ ライブラリの変更点 : Visual C++ .NET 2003
更新 : 2007 年 11 月
Visual C++ 6.0 でコンパイルされた標準 C++ ライブラリ コードを使用するプログラムをアップグレードする場合は、以下の事項に注意する必要があります。
reverse_iterator の変更
ポインタではない一部の反復子
MIN と MAX の #define の変更
reverse_iterator の変更
標準 C++ ライブラリの reverse_iterator クラスで定義されていた一部の型の名前が変更されています。また、このクラスには、さまざまなテンプレートの引数があります。
次の例は Visual C++ 6.0 ではコンパイルされますが、現在のバージョンでは失敗します。
#include <iterator>
#include <vector>
typedef std::iterator<std::random_access_iterator_tag, char, int> random_it;
int main( )
{
char c;
// too many template args for VC7
typedef std::reverse_iterator< random_it, char, char&, char *, int > rev_it;
rev_it::reference_type x = c;
rev_it::pointer_type y = 0;
rev_it::iter_type z;
/*
// try the following code instead
typedef std::reverse_iterator< random_it > rev_it;
rev_it::reference a = c;
rev_it::pointer b = 0;
rev_it::iterator_type c1;
*/
}
ポインタではない一部の反復子
標準 C++ ライブラリの一部のクラスでは、反復子がポインタ型として定義されなくなりました。
次の例は Visual C++ 6.0 ではコンパイルされますが、現在のバージョンでは失敗します。
#include <string>
#include <vector>
#include <algorithm>
bool pred(int i) {
return true;
};
int main()
{
std::string str("test");
const char *pszstr = str.begin(); // LINE 8: INCORRECT
const char *pszStr2 = str.c_str(); // OK
const char *pszStr3 = &(*str.begin()); // OK
std::vector<int> v;
int *pint = std::remove_if(v.begin(), v.end(), pred); // LINE 13: INCORRECT
std::vector<int>::iterator iint = std::remove_if(v.begin(), v.end(), pred); // OK
}
MIN と MAX の #define の変更
標準 C++ライブラリの _MIN と _MAX の従来の定義は次のとおりでした。
#define _MAX _cpp_max
#define _MIN _cpp_min
この行を次のように変更します。
#define _MAX (max)
#define _MIN (min)
このため、std::_MIN の定義が無効になります。
次の例は Visual C++ 6.0 ではコンパイルされますが、現在のバージョンでは失敗します。
#include <xutility>
#include <stdlib.h>
using namespace std;
int main()
{
std::_MAX(3,4); // error
_MAX(4,5);
}