チュートリアル : 配置マニフェストを使用したドキュメントレベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)

[アーティクル]
04/28/2010

更新 : 2007 年 11 月

対象
このトピックの情報は、指定された Visual Studio Tools for Office プロジェクトおよび Microsoft Office のバージョンにのみ適用されます。プロジェクトの種類ドキュメントレベルのプロジェクト Microsoft Office のバージョン Microsoft Office 2003 詳細については、「アプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能」を参照してください。

このトピックの情報は、指定された Visual Studio Tools for Office プロジェクトおよび Microsoft Office のバージョンにのみ適用されます。

プロジェクトの種類

ドキュメントレベルのプロジェクト

Microsoft Office のバージョン

Microsoft Office 2003

詳細については、「アプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能」を参照してください。

このチュートリアルでは、Microsoft Office Excel または Microsoft Office Word 用のドキュメントレベルのカスタマイズをサーバー上のネットワーク共有に配置する方法を示します。このチュートリアルの終了時には、サーバー上のソリューションを開発用コンピュータから実行できるようになります。ドキュメントレベルのカスタマイズの詳細については、「ドキュメントレベルのカスタマイズのアーキテクチャ」を参照してください。

稼動環境においては、Visual Studio Tools for Office ソリューションをまずテストサーバーに発行し、IT 部門の承認後、運用サーバーに再配置することがよくあります。このチュートリアルでは、ソリューションを開発用コンピュータの一時的な場所に発行し、その後、一時的な場所からソリューションをサーバーに再配置します。ソリューションの配置に関するオプションの詳細については、「配置モデル (2003 システム)」を参照してください。

このチュートリアルでは、次のタスクについて説明します。

発行ウィザードを使用して、ソリューションを開発用コンピュータ上の場所に発行します。
ソリューションをローカルコンピュータからサーバー上のネットワーク共有へ手動で再配置します。
ドキュメントに埋め込まれているアプリケーションマニフェストをプログラムで変更して、新しい配置マニフェストの場所を指すようにします。
配置マニフェストを編集して、外部アプリケーションマニフェストの新しい場所を指すようにします。
外部アプリケーションマニフェストを編集して、新しいアセンブリの場所および配置マニフェストを指すようにします。

前提条件

このチュートリアルを完了するには、次のコンポーネントが必要です。

Visual Studio Tools for Office (Visual Studio 2008 Professional および Visual Studio Team System のオプションの要素)

Microsoft Office Word 2003 または Microsoft Office Excel 2003

メモ :
このチュートリアルでは、Word ソリューションを配置することを前提としています。Excel ソリューションを使用してチュートリアルを実行する場合は、すべてのコード例および XML の例で、Word プロジェクトの名前を Excel プロジェクトの名前に置き換えてください。

配置用ネットワークサーバーへのアクセス。このチュートリアルでは、ソリューションを \\DeployServer\ShareFolder というネットワーク共有に再配置することを前提としています。
開発用コンピュータにおける管理者特権 (ネットワーク上の場所のセキュリティポリシーを設定できるようにするため)。

プロジェクトの作成

この手順では、Word 文書プロジェクトを作成します。

新しいプロジェクトを作成するには

Office 2003 のプロジェクトテンプレートを使用して、WordDeployment という名前の Word 文書プロジェクトを作成します。

ウィザードで、[新規ドキュメントの作成] をクリックします。詳細については、「方法 : Visual Studio Tools for Office プロジェクトを作成する」を参照してください。

新しい Word 文書がデザイナで開き、WordDeployment プロジェクトがソリューションエクスプローラに追加されます。

ドキュメントの分離コードの追加

ドキュメントを開いたときにソリューションが実行されていることを確認するには、プロジェクトにコードを追加する必要があります。このチュートリアルでは、ドキュメントの Startup イベントハンドラにメッセージボックスを追加します。

初期化イベントにメッセージボックスを追加するには

ソリューションエクスプローラの ThisDocument.vb または ThisDocument.cs を右クリックし、ショートカットメニューの [コードの表示] をクリックします。

ThisDocument クラス内の Startup イベントハンドラに次のコードを追加して、初期化処理中にメッセージボックスを表示するようにします。

Private Sub ThisDocument_Startup(ByVal sender As Object, ByVal e As System.EventArgs) _
    Handles Me.Startup

    MessageBox.Show("The document is deployed correctly.")
End Sub

private void ThisDocument_Startup(object sender, System.EventArgs e)
{
    MessageBox.Show("The document is deployed correctly.");
}

F5 キーを押してプロジェクトを実行します。

Word が起動し、メッセージボックスが表示されます。
メッセージボックスを閉じます。
Word を終了します。

ソリューションの発行

このプロセスの最初の配置手順では、ソリューションをローカルコンピュータの一時的な場所に発行します。

ソリューションを発行するには

ソリューションエクスプローラでプロジェクトノードを右クリックします。
ショートカットメニューの [発行] をクリックします。

発行ウィザードが表示されます。
[このアプリケーションを発行する場所を指定します] ボックスに「C:\TestDeploy」と入力します。
[完了] をクリックします。

ソリューションドキュメントと配置マニフェストが C:\TestDeploy にコピーされます。また、ソリューションアセンブリ、更新済みのアプリケーションマニフェスト、およびソリューションドキュメントと配置マニフェストのコピーが C:\TestDeploy\WordDeployment_1.0.0.0 にコピーされます。詳細については、「ドキュメントレベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)」を参照してください。

[ファイル] メニューの [ソリューションを閉じる] をクリックして、Visual Studio で WordDeployment ソリューションを閉じます。

メモ :
アセンブリには実行のアクセス許可がまだないため、ソリューションを実行しようとするとエラーがスローされます。後の手順で、セキュリティポリシーを更新して、完全信頼のアクセス許可をアセンブリに与えます。

ソリューションの発行時には、ソリューションドキュメントに埋め込まれたアプリケーションマニフェストが、配置マニフェストの完全パスを指しています。ソリューションファイルを別の場所に再配置する場合は、埋め込まれたアプリケーションマニフェストを更新して、配置マニフェストの新しい場所を指すようにする必要があります。また、配置マニフェストと外部アプリケーションマニフェストも更新して、新しいファイルの場所を指すようにする必要があります。

埋め込まれたアプリケーションマニフェストの更新

埋め込まれたアプリケーションマニフェストを編集するには、Visual Studio Tools for Office に用意されている ServerDocument クラスを使用します。ServerDocument クラスを使用するときは、Visual Studio Tools for Office ソリューションではなく、コンソールプロジェクトなどの新しいプロジェクト内でコードを実行し、Visual Studio Tools for Office ソリューションドキュメントを閉じる必要があります。

メモ :
Visual Studio Tools for Office には、埋め込まれたアプリケーションマニフェストを編集するために使用するツールを作成する方法を示す例が用意されています。詳細については、「ServerDocument サンプル」を参照してください。

埋め込まれたアプリケーションマニフェストを更新するには

新しいコンソールアプリケーションプロジェクトを作成します。
Microsoft.VisualStudio.Tools.Applications.Runtime アセンブリおよび System.Windows.Forms アセンブリへの参照をこのプロジェクトに追加します。
Program.cs ファイルまたは Module1.vb ファイルを開き、ファイルの先頭に次の Imports ステートメントまたは using ステートメントを追加します。
```
Imports Microsoft.VisualStudio.Tools.Applications.Runtime
```
```
using Microsoft.VisualStudio.Tools.Applications.Runtime;
```

Main 関数に次のコードをコピーします。このコードは、ソリューションドキュメントの埋め込まれたアプリケーションマニフェストへのアクセスを提供する ServerDocument を作成します。さらにこのコードは、新しい配置マニフェストへのパスを DeployManifestPath プロパティに代入してから、ServerDocument を保存して閉じます。

Dim sd As ServerDocument = Nothing
Try
    sd = New ServerDocument("C:\TestDeploy\WordDeployment.doc")
    sd.AppManifest.DeployManifestPath = _
        "\\DeployServer\ShareFolder\WordDeployment.application"
    sd.Save()

Finally
    If Not sd Is Nothing Then
        sd.Close()
    End If
End Try

ServerDocument sd = null;
try
{
    sd = new ServerDocument(@"C:\TestDeploy\WordDeployment.doc");
    sd.AppManifest.DeployManifestPath = 
        @"\\DeployServer\ShareFolder\WordDeployment.application";
    sd.Save();
}
finally
{
    if (sd != null)
    {
        sd.Close();
    }
}

F5 キーを押してプロジェクトを実行します。

埋め込まれたアプリケーションマニフェストが更新されている間だけコンソールウィンドウが表示され、すぐに閉じます。

配置マニフェストの更新

これで、Visual Studio Tools for Office ソリューションドキュメントに埋め込まれたアプリケーションマニフェストが更新されました。次は、配置マニフェストを更新して、外部アプリケーションマニフェストの新しい場所を指すようにする必要があります。

配置マニフェストを更新するには

配置マニフェストをメモ帳などのテキストエディタで開きます。配置マニフェストは発行フォルダ C:\TestDeploy に格納されています。名前は WordDeployment.application です。
<dependentAssembly> 要素の codebase 属性を、外部アプリケーションマニフェストの最終的な配置場所の完全パスに設定します。詳細については、「<dependentAssembly> 要素 (Visual Studio Tools for Office リファレンス)」を参照してください。このチュートリアルでは、この属性は次の例のようになります。
```
<dependentAssembly
    codebase="\\DeployServer\ShareFolder\
    WordDeployment_1.0.0.0\WordDeployment.dll.manifest"
```
配置マニフェストファイルを保存して閉じます。

外部アプリケーションマニフェストの更新

配置マニフェストの更新に加え、外部アプリケーションマニフェストも編集して、ソリューションアセンブリおよび配置マニフェストの最終的な配置場所を指すようにする必要があります。Visual Studio Tools for Office ソリューションを発行するたびに、ソリューションアセンブリの現在のバージョンを指す新しい外部アプリケーションマニフェストが生成されます。

外部アプリケーションマニフェストを更新するには

アプリケーションマニフェストをメモ帳などのテキストエディタで開きます。アプリケーションマニフェストは発行フォルダ C:\TestDeploy\WordDeployment_1.0.0.0 に格納されています。名前は WordDeployment.dll.manifest です。
<dependency> 要素の子である <installFrom> 要素を検索し、codebase 属性を現在のソリューションアセンブリの完全パスに設定します。詳細については、「<installFrom> 要素 (Visual Studio Tools for Office リファレンス)」を参照してください。このチュートリアルでは、この属性は次の例のようになります。
```
<dependentAssembly
    codebase="\\DeployServer\ShareFolder\
    WordDeployment_1.0.0.0\WordDeployment.dll"
```
<assembly> 要素の子である <installFrom> 要素を検索し、codebase 属性を配置マニフェストの完全パスに設定します。詳細については、「<installFrom> 要素 (Visual Studio Tools for Office リファレンス)」を参照してください。このチュートリアルでは、この属性は次の例のようになります。
```
<dependentAssembly
    codebase="\\DeployServer\ShareFolder\WordDeployment.application"
```
アプリケーションマニフェストファイルを保存して閉じます。

ソリューションファイルのサーバーへのコピー

これで、マニフェストの編集が完了しました。次は、ソリューションファイルをサーバー上の最終的な配置先にコピーします。

ソリューションファイルをサーバーにコピーするには

ネットワークファイル共有 \\DeployServer\ShareFolder の下に WordDeployment_1.0.0.0 フォルダを作成します。
ソリューションドキュメントと配置マニフェストを \\DeployServer\ShareFolder にコピーします。
ソリューションアセンブリとアプリケーションマニフェストを \\DeployServer\ShareFolder\WordDeployment_1.0.0.0 にコピーします。

ネットワークフォルダへの完全な信頼の付与

Visual Studio Tools for Office ソリューションをネットワークフォルダから実行するには、開発用コンピュータのセキュリティポリシーで、ネットワークフォルダに対して完全な信頼を付与する必要があります。コードアクセスセキュリティポリシーツール (Caspol.exe) を使用すると、セキュリティポリシーをコマンドプロンプトから変更できます。ネットワーク上の場所に信頼を付与するには、管理者特権が必要です。また、セキュリティポリシーの変更はコンピュータ (Machine) レベルで行う必要があります。

メモ :
この手順は、このチュートリアルを実行するためのものです。アセンブリまたはディレクトリの安全性が不明の場合は、この手順を実行しないでください。実行すると、信頼が付与されてしまいます。アクセス許可の付与および削除の詳細については、「方法 : フォルダおよびアセンブリにアクセス許可を付与する (2003 システム)」および「方法 : フォルダおよびアセンブリからアクセス許可を削除する (2003 システム)」を参照してください。

この手順は、このチュートリアルを実行するためのものです。アセンブリまたはディレクトリの安全性が不明の場合は、この手順を実行しないでください。実行すると、信頼が付与されてしまいます。アクセス許可の付与および削除の詳細については、「方法 : フォルダおよびアセンブリにアクセス許可を付与する (2003 システム)」および「方法 : フォルダおよびアセンブリからアクセス許可を削除する (2003 システム)」を参照してください。

ネットワークフォルダに完全な信頼を付与するには

Visual Studio コマンドプロンプトで、次のコマンドを入力します。

caspol -m -ag LocalIntranet_Zone -url \\DeployServer\ShareFolder\* FullTrust -n "Remote Deployment" -d "Deployment Walkthrough"

ソリューションのテスト

これで、ソリューションをテストして、開発用コンピュータからドキュメントを開いたときにコードが実行されることを確認する準備ができました。

配置をテストするには

開発用コンピュータで、\\DeployServer\ShareFolder\ にあるファイル WordDeployment.doc を開きます。
メッセージボックスが表示されることを確認します。

次の手順

ソリューションの配置は、Microsoft Windows Installer (.msi) ファイルを使用しても実行できます。詳細については、「チュートリアル : Windows インストーラファイルを使用したドキュメントレベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)」を参照してください。

参照

処理手順

チュートリアル : Windows インストーラファイルを使用したドキュメントレベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)

概念

Office ソリューションの配置 (2003 システム)

ドキュメントレベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)

配置モデル (2003 システム)

次の方法で共有

チュートリアル : 配置マニフェストを使用したドキュメントレベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)

前提条件

プロジェクトの作成

新しいプロジェクトを作成するには

ドキュメントの分離コードの追加

初期化イベントにメッセージボックスを追加するには

ソリューションの発行

ソリューションを発行するには

埋め込まれたアプリケーションマニフェストの更新

埋め込まれたアプリケーションマニフェストを更新するには

配置マニフェストの更新

配置マニフェストを更新するには

外部アプリケーションマニフェストの更新

外部アプリケーションマニフェストを更新するには

ソリューションファイルのサーバーへのコピー

ソリューションファイルをサーバーにコピーするには

ネットワークフォルダへの完全な信頼の付与

ネットワークフォルダに完全な信頼を付与するには

ソリューションのテスト

配置をテストするには

次の手順

参照

処理手順

概念

その他のリソース

次の方法で共有

チュートリアル : 配置マニフェストを使用したドキュメント レベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)

前提条件

プロジェクトの作成

新しいプロジェクトを作成するには

ドキュメントの分離コードの追加

初期化イベントにメッセージ ボックスを追加するには

ソリューションの発行

ソリューションを発行するには

埋め込まれたアプリケーション マニフェストの更新

埋め込まれたアプリケーション マニフェストを更新するには

配置マニフェストの更新

配置マニフェストを更新するには

外部アプリケーション マニフェストの更新

外部アプリケーション マニフェストを更新するには

ソリューション ファイルのサーバーへのコピー

ソリューション ファイルをサーバーにコピーするには

ネットワーク フォルダへの完全な信頼の付与

ネットワーク フォルダに完全な信頼を付与するには

ソリューションのテスト

配置をテストするには

次の手順

参照

処理手順

概念

その他のリソース

チュートリアル : 配置マニフェストを使用したドキュメントレベルのカスタマイズの配置 (2003 システム)

初期化イベントにメッセージボックスを追加するには

埋め込まれたアプリケーションマニフェストの更新

埋め込まれたアプリケーションマニフェストを更新するには

外部アプリケーションマニフェストの更新

外部アプリケーションマニフェストを更新するには

ソリューションファイルのサーバーへのコピー

ソリューションファイルをサーバーにコピーするには

ネットワークフォルダへの完全な信頼の付与

ネットワークフォルダに完全な信頼を付与するには