WebBrowser コントロール (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)
更新 : 2007 年 11 月
Visual Basic 2008 では、Visual Basic 6.0 の WebBrowser コントロールの代わりに、Windows フォームの WebBrowser コントロールが用意されています。プロパティ、メソッド、イベント、および定数の中には、名称が異なるものや、動作の異なるものもあります。
概念の違い
Microsoft Internet Controls または Shdocvw.dll とも呼ばれる Visual Basic 6.0 の WebBrowser コントロールは、アプリケーション内で Internet Explorer をホストするための ActiveX コントロールです。
Visual Basic 2008 の WebBrowser コントロールは、WebBrowser ActiveX コントロール用のマネージ ラッパーを備えています。このコントロールを使用すると、Windows フォーム クライアント アプリケーションで、Web ページを表示できます。WebBrowser コントロールを使用すると、アプリケーションで Internet Explorer の Web ブラウザ同様の機能を利用できます。または、Internet Explorer の既定の機能を無効にして、コントロールを単純な HTML ドキュメント ビューアとして使用することもできます。また、このコントロールを使用してフォームに DHTML ベースのユーザー インターフェイス要素を追加することによって、これらの機能が WebBrowser コントロールでホストされているという事実を隠すこともできます。この方法によって、Web コントロールと Windows フォーム コントロールとを 1 つのアプリケーションでシームレスに組み合わせることができます。
Internet Explorer オブジェクト
Visual Basic 6.0 の Microsoft Internet Controls は、WebBrowser コントロールと Internet Explorer オブジェクトという 2 つのコンポーネントで構成されており、OLE オートメーションを通じて Internet Explorer のインスタンスを制御できます。
Visual Basic 2008 には、Internet Explorer オブジェクトに相当する機能はありません。関連するプロパティ、メソッド、およびイベントも存在しません。OLE オートメーションはサポートされておらず、VBScript などのスクリプト言語を使用して Internet Explorer の外部インスタンスを制御します。
Document プロパティ
Visual Basic 6.0 では、Document プロパティは HTML ドキュメントの名前が含まれる文字列を返します。Visual Basic 2008 では、HTML ドキュメント自体を返します。
Refresh メソッドと Refresh2 メソッド
Visual Basic 6.0 の Refresh2 メソッドでは、更新レベルを指定するパラメータが必要です。Visual Basic 2008 の Refresh メソッドでは、更新レベルを指定するのに使用できるパラメータは省略可能です。
WebBrowser コントロールのプロパティ、メソッド、およびイベントの同等物
次の表は、Visual Basic 6.0 のプロパティ、メソッド、およびイベントと、対応する Visual Basic 2008 のプロパティ、メソッド、およびイベントの一覧です。同じ名前で同じ動作を持つプロパティ、メソッド、およびイベントは、一覧に含まれていません。特に明記されていない限り、すべての Visual Basic 2008 列挙型は System.Windows.Forms 名前空間に対応します。
この表では、動作の相違点について説明するトピックへのリンクを示します。Visual Basic 2008 に直接対応するものがない場合は、代わりの項目について説明したトピックへのリンクを示します。
プロパティ
Visual Basic 6.0 |
対応する Visual Basic 2005 のイベント |
---|---|
AddressBar |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
Application |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
Busy |
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Container |
|
Document |
メモ :
Visual Basic 6.0 では、Document プロパティは HTML ドキュメントの名前が含まれる文字列を返します。Visual Basic 2008 では、HTML ドキュメント自体を返します。
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DragIcon DragMode |
新規に実装されました。詳細については、「ドラッグ アンド ドロップ (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
FullName |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
Height |
メモ :
Visual Basic 2008 では、座標は別の方法で処理されます。詳細については、「座標系 (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。
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HelpContextID |
新規に実装されました。詳細については、「ヘルプ サポート (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
HWnd |
|
Index |
新規に実装されました。詳細については、「コントロール配列 (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
Left |
メモ :
Visual Basic 2008 では、座標は別の方法で処理されます。詳細については、「座標系 (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。
|
LocationName LocationURL |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
MenuBar |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
Offline |
|
Parent |
FindForm メソッド |
Path |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
RegisterAsBrowser |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
RegisterAsDropTarget |
|
Resizable |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
Silent |
|
StatusBar StatusText |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
TheaterMode |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
ToolBar |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
ToolTipText |
ToolTip コンポーネント 詳細については、「ツールヒントのサポート (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
Top |
メモ :
Visual Basic 2008 では、座標は別の方法で処理されます。詳細については、「座標系 (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。
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TopLevelContainer |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのプロパティでした。 |
Type |
|
WhatsThisHelpID |
新規に実装されました。詳細については、「ヘルプ サポート (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
Width |
メモ :
Visual Basic 2008 では、座標は別の方法で処理されます。詳細については、「座標系 (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。
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メソッド
Visual Basic 6.0 |
対応する Visual Basic 2005 のイベント |
---|---|
ClientToWindow |
|
Drag |
新規に実装されました。詳細については、「ドラッグ アンド ドロップ (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
ExecWB |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのメソッドでした。 |
GetProperty |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのメソッドでした。 |
Move |
メモ :
Visual Basic 2008 では、座標は別の方法で処理されます。詳細については、「座標系 (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。
|
Navigate2 |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのメソッドでした。 |
OLEDrag |
新規に実装されました。詳細については、「ドラッグ アンド ドロップ (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
PutProperty |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのメソッドでした。 |
QueryStatusWB |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのメソッドでした。 |
Quit |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのメソッドでした。 |
Refresh Refresh2 |
メモ :
Visual Basic 6.0 の Refresh2 メソッドでは、更新レベルを指定するパラメータが必要でした。Visual Basic 2008 の Refresh メソッドでは、更新レベルを指定するのに使用できるパラメータは省略可能です。
|
SetFocus |
|
ShowBrowserBar |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのメソッドでした。 |
ShowWhatsThis |
新規に実装されました。詳細については、「ヘルプ サポート (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
ZOrder |
BringToFront 関数または SendToBack 関数 |
イベント
Visual Basic 6.0 |
対応する Visual Basic 2005 のイベント |
---|---|
BeforeNavigate BeforeNavigate2 |
|
ClientToHostWindow |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのイベントでした。 |
CommandStateChanged |
|
DblClick |
|
DocumentComplete DownloadBegin DownloadComplete |
|
DragDrop DragOver |
新規に実装されました。詳細については、「ドラッグ アンド ドロップ (Visual Basic 6.0 ユーザー向け)」を参照してください。 |
GotFocus |
|
LostFocus |
|
NavigateComplete NavigateComplete2 |
|
NavigateError |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのイベントでした。 |
NewWindow NewWindow2 NewWindow3 |
|
OnFullScreen OnMenuBar OnQuit OnStatusBar OnTheaterMode OnToolBar OnVisible |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのイベントでした。 |
PrintTemplateInstantiation PrintTemplateTearDown PrivacyImpactedStateChange |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのイベントでした。 |
ProgressChange |
|
PropertyChange |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのイベントでした。 |
SetSecureLockIcon |
|
StatusTextChange |
|
TitleChange |
|
UpdatePageStatus |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのイベントでした。 |
Validate |
|
WindowClosing WindowSetHeight WindowSetLeft WindowSetResizable WindowSetTop WindowSetWidth |
新規に実装されました。これは、Internet Explorer オブジェクトのイベントでした。 |
アップグレード メモ
Visual Basic 6.0 アプリケーションを Visual Basic 2008 にアップグレードすると、WebBrowser コントロールは Windows フォームの WebBrowser コントロールにアップグレードされ、プロパティ、メソッド、およびイベントは、それぞれに相当するものにアップグレードされます。動作が異なる場合は、アップグレードに関するコメントがコードに挿入されます。
参照
処理手順
方法 : .NET Compact Framework で WebBrowser コントロールを使用する