Web サイト管理ツールの [アプリケーション] タブ

[アーティクル]
10/22/2014

更新 : 2007 年 11 月

Web サイト管理ツールの [アプリケーション] タブを使用して、一般的に使用される、Web アプリケーションと Web サイト関連の設定を管理します。

[アプリケーション] タブを使用して次の設定を管理します。

アプリケーション設定の名前と値のペア

アプリケーション設定とは、Web アプリケーションの構成可能な値のテキストを表す名前と値のペアです。アプリケーション設定を使用して、ファイルパス、XML Web サービスの URL、共通に使用するテキスト、または中央で保持する必要があり簡単に変更できる情報など、アプリケーションのカスタム構成情報を格納できます。

重要 :
アプリケーション設定は、構成ファイルにプレーンテキストで保存されます。したがって、アプリケーション設定を使用する場合は、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。ユーザー名、パスワード、またはデータベース接続文字列などの機密情報をアプリケーション設定に保存しないでください。

アプリケーション設定は、構成ファイルにプレーンテキストで保存されます。したがって、アプリケーション設定を使用する場合は、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。ユーザー名、パスワード、またはデータベース接続文字列などの機密情報をアプリケーション設定に保存しないでください。

Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) 設定

Web サイトが、ユーザーにパスワードを送信するなどの電子メール送信機能を必要とする場合は、サイトで使用する SMTP サーバーを指定する必要があります。
アプリケーションのステータス

アプリケーションをオフラインに (シャットダウン) して、保守を行ったり、新しい Microsoft SQL Server Express Edition データベースをオンラインにしたりできます。
デバッグおよびトレース

デバッグとトレースにより、Web アプリケーションを診断し、問題を修正できます。2 つの機能は主に開発時の使用が意図されています。デバッグを有効にすると、Web サイト内のページのコンパイルは、.NET Framework または Microsoft Visual Studio デバッガがコードをステップごとに実行する際に使用できる情報で実行されます。トレースを有効にすると、個々の Web 要求に関する情報、要求と共に送信される HTTP ヘッダー、ページの制御状態、およびページの処理に関するその他の詳細がページで生成されます。

アプリケーション設定の構成

アプリケーション設定を作成する場合、作成する設定の名前と値を指定します。これにより、ConfigurationSettings クラスの AppSettings プロパティを使用して、アプリケーションの設定の値にアクセスできます。たとえば、AppName という名前のアプリケーション設定を定義して、アプリケーションの名前を表す値に設定した場合、この設定を使用して、次のコード例に示すようなページの見出しを設定できます。

[Visual Basic]

labelPageHeading.Text = ConfigurationManager.AppSettings("AppName")

[C#]

labelPageHeading.Text = ConfigurationManager.AppSettings["AppName"];

アプリケーションのオフラインとオンラインの切り替え

Web サイトの保守を実行する場合、Web サイトをオフラインにできます。これにより、Web サイトを実行しているプロセスがシャットダウンされ、サイトからのページの提供が停止します。そのため、ページの編集中にそのページが要求され、その結果エラーが発生するようなことなく、ページやその他のファイルを編集できます。アプリケーションのオフライン化は、SQL Server Standard Edition を操作している場合に、.mdf データベースファイルのスワップやアプリケーションへの追加を実行する際にも役立ちます。アプリケーションは、実行している間は新しい .mdf ファイルに接続できません。

ファイルの編集、または .mdf ファイルの追加や変更が終わったら、アプリケーションをオンラインに戻すことができます。

SMTP 設定の構成

Web サイトの一部の機能では、アプリケーションに電子メール送信機能が必要です。電子メールを送信するアプリケーションには、電子メールをアプリケーションから電子メール受信者に転送するために、Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) サーバーへのアクセス権が必要となります。

IIS には、SMTP 仮想サーバーが同梱されていますが、既定ではインストールされません。使用しているコンピュータから電子メールを送信できるようにする場合、Microsoft Windows のコントロールパネルの [プログラムの追加と削除] を使用して SMTP サーバーをインストールできます。SMTP サーバーは、IIS の一部として、Windows コンポーネントと同様に利用できます。IIS SMTP サーバーのインストール後、インターネットインフォメーションサービス管理コンソールを使用してこのサーバーを構成できます。IIS SMTP 仮想サーバーのインストール方法の詳細については、「Knowledge Base (KB) search page」を参照してください。

メモ :
コンピュータに SMTP サーバーをインストールする場合、セキュリティ上の対策を講じて、SMTP サーバーが脆弱になりスパムサーバーとして使用されるのを防ぐ必要があります。IIS SMTP 仮想サーバーの保護に役立つ方法の詳細については、Microsoft.com で SMTP セキュリティの項目を確認してください。

IIS SMTP サーバーをインストールしない場合、または別のコンピュータでアプリケーションを実行する場合は、ネットワークまたは Web サーバーの管理者に連絡して、SMTP サーバーの構成設定に関する情報を確認してください。

SMTP 設定の説明を次の表に示します。

設定	説明
[サーバー名]	SMTP サーバーの名前。既定値は localhost です。これは、ASP.NET がローカルコンピュータで SMTP サーバーを使用することを意味します。通常、これが既定の SMTP 仮想サーバーになります。それ以外の場合は、ネットワークで使用できる SMTP サーバー名です。
[サーバーポート]	SMTP サーバーのポート。既定値は 25 です。
[送信元]	Web サイトから送信される電子メールメッセージの [送信元] ヘッダーに表示される電子メールアドレス。
[認証]	SMTP サーバーが使用する認証があれば、その認証の種類。SMTP サーバーが [基本認証] を使用している場合、電子メールメッセージの SMTP サーバー経由の転送が承認されているユーザーアカウントのアカウント名とパスワードを指定します。 [基本認証] のユーザー名とパスワードは、Web.config ファイルにクリアテキストで保存されます。

デバッグおよびトレースの構成

アプリケーションのデバッグ設定とトレース設定を変更するには、Web アプリケーションを実行するコンピュータ上の管理者資格情報が必要です。

デバッグ機能とトレース機能を管理するには、[デバッグとトレースの構成] をクリックして、次のオプションを設定します。

[デバッグを有効にする]

Web サイトのすべてのページに対してデバッグを有効にするには、このチェックボックスをオンにします。
[トレース情報のキャプチャ]

Web サイトのすべてのページに対してトレースを有効にするには、このチェックボックスをオンにします。このチェックボックスをオンにした場合、ページの他のオプションが有効になります。

トレース情報をキャプチャするようにオプションを設定している場合、次のオプションを選択できます。

[個々のページにトレース情報を表示]

サイトの Web ページの下に、トレース情報を追加するには、このチェックボックスをオンにします。個々のページのトレース情報を表示しない場合でも、情報はキャプチャされます。トレース情報を表示するには、トレース情報のビューアとして機能する Trace.axd ページを表示するように、Web サイトに要求できます。
[ローカル要求のみ]

ホスト Web サーバー (localhost) から要求された場合にのみトレース情報を表示するには、このチェックボックスをオンにします。
[すべての要求]

すべてのコンピュータからのトレース情報を表示するには、このチェックボックスをオンにします。

[トレース結果の並べ替え順序の選択] の下で、トレース情報の表示方法を次のように指定します。

[時間別]

トレース情報をキャプチャされた順序で表示するには、このチェックボックスをオンにします。
[カテゴリ別]

ユーザー定義のカテゴリ内のトレース情報をアルファベット順に表示するには、このチェックボックスをオンにします。
[キャッシュするトレース要求数]

サーバー上に格納されるトレース要求の数を入力します。キャッシュされた情報は、トレースビューア (https://server/application/trace.axd) を使用して表示できます。既定値は 10 です。[最近のトレース結果] チェックボックスをオンにしていない場合、制限に達すると、トレースが自動的に無効になります。

[キャッシュするトレース結果の選択] の下で、トレース出力の表示方法を次のように指定します。

[最近のトレース結果]

最新のトレース出力を表示し、[キャッシュするトレース要求数] で指定した制限を超えた場合、古い方からトレースデータを破棄するには、このチェックボックスをオンにします。
[一番古いトレース結果]

[キャッシュするトレース要求数] に到達するまで、要求に対してトレースデータを表示するには、このチェックボックスをオンにします。

メモ :
Web サイトのトラブルシューティングの終了後は、デバッグとトレースを無効にすることで Web アプリケーションを最大限のパフォーマンスで実行できるようにします。

セキュリティに関するメモ :
ページのトレースが有効になっていると、そのページをサーバーから要求したすべてのブラウザにトレース情報が表示されます。トレースにはサーバー変数の値などの重要な情報が表示されるため、セキュリティ上の問題が発生する可能性があります。Web アプリケーションを運用サーバーに発行する前に、ページのページトレースが無効になっていることを確認してください。

ページのトレースが有効になっていると、そのページをサーバーから要求したすべてのブラウザにトレース情報が表示されます。トレースにはサーバー変数の値などの重要な情報が表示されるため、セキュリティ上の問題が発生する可能性があります。Web アプリケーションを運用サーバーに発行する前に、ページのページトレースが無効になっていることを確認してください。

Web サイトのカスタムエラーページを構成するには、[既定のエラーページの定義] をクリックし、次のオプションを指定します。

[既定のエラーメッセージの使用]

既定のエラーページを使用するには、このチェックボックスをオンにします。
[既定のエラーページとして使用する URL を指定してください。]

カスタムエラーページを使用し、使用するページを選択するには、このチェックボックスをオンにします。

内部の動作

[アプリケーション] タブには、アプリケーションの Web.config ファイルに格納される構成設定を管理するための簡単な Web インターフェイスが用意されています。

[アプリケーションの設定]

[アプリケーション] タブの [アプリケーションの設定] 機能を通じて管理される設定は、Web アプリケーションの Web.config ファイルの <appSettings> セクションに格納されています。これは、.NET Framework で定義済みの構成セクションです。次のコードの強調表示された行は、Web サイト管理ツールを使用して ApplicationName という名前のアプリケーション設定を作成した後で生成される、構成ファイルの例です。

<configuration>
    <appSettings>        <add key="ApplicationName" value="MyApplication" />    </appSettings>
</configuration>

アプリケーションのオフラインとオンラインの切り替え

オフライン設定は、Web サイトの Web.config ファイルの <httpRuntime> セクション内に格納されています。次のコードの強調表示された行は、Web サイト管理ツールを使用してアプリケーションをオフラインにした後に生成されます。

<configuration>
    <system.Web>
        <httpRuntime enable="False" />
    </system.Web>
</configuration>

httpRuntime 設定が無効になっている間、ASP.NET は、要求を受信してもアプリケーションの AppDomain オブジェクトを作成しません。つまり、その Web アプリケーションを起動できません。

SMTP 設定

[アプリケーション] タブの [SMTP 設定] 機能を通じて管理される設定は、Web サイトの Web.config ファイルの <mailSettings> セクション内に格納されています。このセクションは、<system.net> 要素の子で、<system.web> 要素ではありません。次のコードの強調表示された行は、Web サイト管理ツールを使用して SMTP 設定を指定した後に生成されます。

<configuration>
    <system.net>        <mailSettings>            <smtp>                <network                     host="smtp.myhost.com" />            </smtp>        </mailSettings>    </system.net>
</configuration>

デバッグおよびトレース

[アプリケーション] タブの [デバッグとトレース] 機能を通じて管理される設定は、Web.config ファイルの <trace>、<compilation> および <customErrors> の各セクション内に格納されています。Web サイト管理ツールを使用してトレースとデバッグの両方を有効にし、既定のカスタムエラーページを確立した後に生成される構成ファイルのコード例を次に示します。

<configuration>
    <system.Web>
        <customErrors defaultRedirect="~/myErrorPage.aspx" />        <trace enabled="True" pageOutput="True" localOnly="True"                 traceMode="SortByCategory"            requestLimit="10" mostRecent="True" />        <compilation debug="True" />
    </system.Web>
</configuration>

この例では、デバッグとトレースの両方が有効になり、トレースは Web サーバーから要求されるページにのみ表示され、トレース結果がカテゴリ別に並べ替えられ、新しい 10 個のトレース結果が表示用にキャッシュされます。また、既定のエラーページは myErrorPage.aspx です。

詳細情報

詳細については、.NET Framework クラスリファレンスと「ASP.NET 構成設定」の次の項目を参照してください。

参照

概念

Web サイト管理ツールの概要

Web サイト管理ツールの [セキュリティ] タブ

Web サイト管理ツールの [プロバイダ] タブ

Web サイト管理ツールの内部

次の方法で共有

Web サイト管理ツールの [アプリケーション] タブ

アプリケーション設定の構成

アプリケーションのオフラインとオンラインの切り替え

SMTP 設定の構成

デバッグおよびトレースの構成

内部の動作

[アプリケーションの設定]

アプリケーションのオフラインとオンラインの切り替え

SMTP 設定

デバッグおよびトレース

詳細情報

参照

概念

その他のリソース