CDaoRecordset::AddNew

[アーティクル]
09/17/2008

更新 : 2007 年 11 月

テーブルタイプのレコードセット、またはダイナセットタイプのレコードセットに新しいレコードを追加します。

virtual void AddNew( );

解説

レコードのフィールドは、初期状態では Null になります。(C++ での NULL とは異なり、データベースの専門用語では、NULL は "値を持たない" ことを意味します。)追加操作を完了するには Update メンバ関数を呼び出します。Update は、データソースに変更内容を保存します。

注意 :
レコードを編集し、Update を呼び出さずに他のレコードにスクロールすると、その変更は失われ、警告もされません。

AddNew を呼び出して、ダイナセットタイプのレコードセットにレコードを追加すると、レコードはレコードセットで参照できるようになり、基になるテーブルに追加され、新しい CDaoRecordset オブジェクトでも参照できるようになります。

新しいレコードの位置は、レコードセットの型に依存します。

ダイナセットタイプのレコードセットでは、新しいレコードの挿入位置が保証されません。Microsoft Jet 3.0 では、パフォーマンスと並列処理を考慮して、この動作が変更されています。新しく追加したレコードを現在のレコードにするには、最後に変更したレコードのブックマークを取得し、このブックマーク位置に移動します。
```
rs.SetBookmark(rs.GetLastModifiedBookmark());
```
インデックスが指定されているテーブルタイプのレコードセットでは、レコードは並べ替え順序で適切な位置に挿入されます。インデックスが指定されていないときは、新しいレコードは、レコードセットの最後に追加されます。

AddNew が呼び出される前に現在のレコードだったレコードは、現在のレコードのままです。新しいレコードを現在のレコードとするとき、およびレコードセットがブックマークをサポートしているときは、基になる DAO レコードセットオブジェクトの LastModified プロパティの設定で示されるブックマークに対して、SetBookmark を呼び出します。この関数を呼び出すことは、追加されたレコードの中のカウンタ (自動インクリメント) フィールドの値を調べるのに有用です。詳細については、「CDaoRecordset::GetLastModifiedBookmark」を参照してください。

データベースがトランザクションをサポートしていると、トランザクションの一部として AddNew を呼び出すことができます。ドランザクションの詳細については、「CDaoWorkspace クラス」クラスを参照してください。AddNew を呼び出す前に、CDaoWorkspace::BeginTrans を呼び出します。

Open メンバ関数を呼び出していないレコードセットに対して、AddNew を呼び出すことは不正です。追加できないレコードセットに対して AddNew を呼び出すと、CDaoException がスローされます。CanAppend を呼び出して、レコードセットが更新できるかどうかを調べることができます。

フレームワークは変更されたフィールドデータメンバをマークし、DAO レコードフィールドエクスチェンジ (DFX) 機構がデータソースのレコードに書き込むようにします。フィールドの値を変更すると、通常、そのフィールドは自動的にダーティに設定されます。したがって、SetFieldDirty を手動で呼び出す必要はほとんどありません。ただし、フィールドデータメンバの値にかかわらず、列を明示的に更新または挿入する必要がある場合は、この関数を使用します。DFX 機構では PSEUDONULL も使用できます。詳細については、「CDaoFieldExchange::m_nOperation」を参照してください。

ダブルバッファリング機構が使用されていない場合、フィールドの値が変更されても、自動的にダーティとして設定されません。この場合、明示的にそのフィールドをダーティに設定する必要があります。フィールドの自動チェックは、m_bCheckCacheForDirtyFields が保持するフラグによって制御されます。

メモ :
レコードがダブルバッファ化されていると (つまり、自動フィールドチェックが有効であると)、CancelUpdate の呼び出しは、メンバ変数を AddNew または Edit が呼び出される前の値に戻します。