列挙型 (C# プログラミング ガイド)
更新 : 2008 年 7 月
列挙型 (列挙値または Enum と呼ばれることもあります) により、変数に割り当てられる一連の名前付きの整数定数を効率的に定義できます。たとえば、値が曜日を表す変数を定義する必要があるとします。その変数が格納する有意な値は 7 つのみです。列挙型を使用してそれらの値を定義できます。列挙型は enum キーワードを使用して定義されます。
enum Days { Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday };
enum Months : byte { Jan, Feb, Mar, Apr, May, Jun, Jul, Aug, Sep, Oct, Nov, Dec };
既定では、列挙型の各要素の基になる型は int です。前の例に示したように、コロンを使用することで、別の整数型を指定できます。使用可能なすべての型の一覧については、「enum (C# リファレンス)」を参照してください。
数値型ではなく列挙型を使用する利点は次のとおりです。
変数に対して有効な値をクライアント コードとして明確に指定します。
Visual Studio では、IntelliSense によって定義済みの値が一覧表示されます。
列挙子リストで要素の値を指定しない場合、値は自動的に 1 ずつインクリメントされます。前の例では、Days.Sunday の値は 0、Days.Monday の値は 1 のようになります。新しい Days オブジェクトを作成し、値を明示的に割り当てない場合、既定値は Days.Sunday (0) になります。列挙型を作成するときに、最も論理的な既定値を選択し、値 0 を割り当てます。これにより、作成時に値が明示的に割り当てられない場合でも、すべての列挙型にその既定値が設定されます。
変数 meetingDay が Days 型の場合、(明示的なキャストを使用せずに) 割り当てることができるのは、Days で定義されている値の 1 つのみです。ミーティングの日が変更された場合は、Days から meetingDay に新しい値を割り当てることができます。
Days meetingDay = Days.Monday;
//...
meetingDay = Days.Friday;
メモ : |
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meetingDay には任意の整数値を割り当てることができます。たとえば、コード行 meetingDay = (Days) 42 ではエラーは発生しません。ただし、列挙型変数は列挙型で定義されている値の 1 つのみを保持すると暗黙的に予想されるため、これは実行しないでください。列挙型の変数に任意の値を割り当てると、エラーが発生する可能性が高くなります。 |
列挙型の列挙子リストの要素に任意の値を割り当て、計算値として使用することもできます。
enum MachineState
{
PowerOff = 0,
Running = 5,
Sleeping = 10,
Hibernating = Sleeping + 5
}
ビット フラグとしての列挙型
列挙型を使用してビット フラグを定義できます。これにより、列挙型のインスタンスは、列挙子リストで定義されている値の任意の組み合わせを格納できます (ただし、プログラム コードで意味を持たない、または許可されない組み合わせも存在します)。
System.FlagsAttribute 属性を適用し、AND、OR、NOT、および XOR の各ビット処理演算子が実行されるように値を適切に定義することで、ビット フラグ列挙体を作成できます。ビット フラグ列挙体に、値が 0 ("フラグが設定されていない" ことを意味します) の名前付き定数を含めます。"フラグが設定されていない" ことを意味しない場合は、フラグに値 0 を指定しないでください。
次の例では、Days2 という名前の別のバージョンの Days 列挙型が定義されます。Days2 は Flags 属性を持ち、それぞれの値には次に大きい 2 の累乗が割り当てられます。これにより、値が Days2.Tuesday および Days2.Thursday の Days2 変数を作成できます。
[Flags]
enum Days2
{
None = 0x0,
Sunday = 0x1,
Monday = 0x2,
Tuesday = 0x4,
Wednesday = 0x8,
Thursday = 0x10,
Friday = 0x20,
Saturday = 0x40
}
class MyClass
{
Days2 meetingDays = Days2.Tuesday | Days2.Thursday;
}
列挙型でフラグを設定するには、次の例に示すように、論理 OR 演算子を使用します。
// Initialize with two flags using bitwise OR.
meetingDays = Days2.Tuesday | Days2.Thursday;
// Set an additional flag using bitwise OR.
meetingDays = meetingDays | Days2.Friday;
Console.WriteLine("Meeting days are {0}", meetingDays);
// Output: Meeting days are Tuesday, Thursday, Friday
// Remove a flag using bitwise XOR.
meetingDays = meetingDays ^ Days2.Tuesday;
Console.WriteLine("Meeting days are {0}", meetingDays);
// Output: Meeting days are Thursday, Friday
特定のフラグが設定されているかどうかを確認するには、次の例に示すように、論理 AND 演算子を使用します。
// Test value of flags using bitwise AND.
bool test = (meetingDays & Days2.Thursday) == Days2.Thursday;
Console.WriteLine("Thursday {0} a meeting day.", test == true ? "is" : "is not");
// Output: Thursday is a meeting day.
System.FlagsAttribute 属性を使用して列挙型を定義するときに考慮する内容の詳細については、「System.Enum」を参照してください。
System.Enum メソッドを使用した列挙値の検出と操作
列挙値はすべて System.Enum 型のインスタンスです。System.Enum から新しいクラスを派生させることはできませんが、そのメソッドを使用して、列挙定数インスタンスの値に関する情報を検出し、その値を操作できます。
string s = Enum.GetName(typeof(Days), 4);
Console.WriteLine(s);
Console.WriteLine("The values of the Days Enum are:");
foreach (int i in Enum.GetValues(typeof(Days)))
Console.WriteLine(i);
Console.WriteLine("The names of the Days Enum are:");
foreach (string str in Enum.GetNames(typeof(Days)))
Console.WriteLine(str);
詳細については、「System.Enum」を参照してください。
拡張メソッドを使用して、列挙型の新しいメソッドを作成することもできます。詳細については、「方法 : 列挙型対応の新しいメソッドを作成する (C# プログラミング ガイド)」を参照してください。
参照
概念
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