デバイス エミュレータ構成の XML スキーマ リファレンス
更新 : 2007 年 11 月
デバイス エミュレータ構成 (.decfg) ファイルは、デバイス エミュレータの起動方法を決定する設定を含む XML ファイルです。オペレーティング システム イメージ、スキン、LCD 画面解像度、ネットワークなどの設定を .decfg ファイルで構成できます。概要については、「デバイス エミュレータ構成ファイル」を参照してください。.decfg ファイルを作成する場合の参考例を次に示します。
コード
<?xml version="1.0"?>
<DeviceEmulator xmlns="https://schemas.microsoft.com/DeviceEmulator/2006/01/DeCfg">
<Platform>My Plaform</Platform>
<Emulator>
<Language Reconfigurable="false">1033</Language>
<AlwaysOnTop Reconfigurable="true">true</AlwaysOnTop>
<ConsoleWindow Reconfigurable="false">true</ConsoleWindow>
<HostKey Reconfigurable="true">Left-Alt</HostKey>
<Rotation Reconfigurable="true">270</Rotation>
<VMID Reconfigurable="false">{B89C49AD-197F-4CB4-A525-D81D0944EEAF}</VMID>
<VMName Reconfigurable="true">My Custom Emulator</VMName>
<!--<SaveState Reconfigurable="false">c:\1.dess</SaveState>-->
<DefaultSave Reconfigurable="false">true</DefaultSave>
<Zoom Reconfigurable="true">true</Zoom>
<Video Reconfigurable="false" Width="640" Height="480" BitsPerPixel="16"/>
<FuncKey Reconfigurable="true">193</FuncKey>
<!--<Skin Reconfigurable="true" EnableSkin="true" ToolTips="on">c:\Program Files\Windows Mobile 5.0 SDK R2\PocketPC\Deviceemulation\Pocket_pc\Pocket_PC.xml</Skin>-->
</Emulator>
<Board>
<OSImage Reconfigurable="false" Address="0">d:\Program Files\Windows Mobile 5.0 SDK R2\PocketPC\Deviceemulation\0409\PPC_USA.BIN</OSImage>
<Flash Reconfigurable="false" Enabled="true">c:\Flashfile</Flash>
<MemSize Reconfigurable="false">256</MemSize>
<CpuCore Reconfigurable="false">ARMv5</CpuCore>
<CpuOptions Reconfigurable="false">TDI</CpuOptions>
<VFP Reconfigurable="false">true</VFP>
</Board>
<Peripherals>
<Battery Reconfigurable="true" IsOnAcPower="false" Charge="40"/>
<SharedFolder Reconfigurable="true">c:\</SharedFolder>
<CS8900_Networking Reconfigurable="false" Enabled="true">00001A1A190B</CS8900_Networking>
<NE2000_Networking Reconfigurable="true" Enable="true">00001A1A190B</NE2000_Networking>
<HostOnly Reconfigurable="true">true</HostOnly>
<Speakerphone Reconfigurable="true" CarKit="true" Headset="true" Speakerphone="true"/>
<SerialPort Reconfigurable="true" UARTNumber="0">COM3</SerialPort>
<SerialPort Reconfigurable="true" UARTNumber="1">none</SerialPort>
<SerialPort Reconfigurable="true" UARTNumber="2">none</SerialPort>
</Peripherals>
</DeviceEmulator>
解説
このコード例の各要素について次の表で説明します。
項目 |
説明 |
---|---|
<DeviceEmulator> tag |
デバイス エミュレータ構成のスキーマをカプセル化します。各 .decfg ファイルで使用できるのは、1 つのタグのみです。次のタグがあります。
|
<Platform>My Plaform</Platform> |
プラットフォームの名前を格納します。<DeviceEmulator> タグごとに 1 つの <Platform> タグのみを使用できます。デバイス エミュレータ マネージャから参照できるエミュレータは、プラットフォーム タグの値別に編成されます。 |
<Emulator> tag |
次のタグがあります。
|
<Language Reconfigurable="false">1033</Language> |
ユーザー インターフェイス (UI) 言語を指定します。その値は 4 桁の 10 進数です。"English, United States" を表す 1033 などがその一例です。 |
<AlwaysOnTop Reconfigurable="true">true</AlwaysOnTop> |
エミュレータ ウィンドウを、フォーカスが置かれていないときも常に手前に表示します。true または false に設定できます。既定値は false です。 |
<ConsoleWindow Reconfigurable="false">true</ConsoleWindow> |
コンソール ウィンドウを作成して表示し、Windows CE デバッグ シリアル ポートからの出力を示します。このウィンドウでユーザーが入力したキーストロークは送信されます。この技法は、デバッグ出力を監視したり、プラットフォーム ビルダからカーネル イメージをダウンロードしたりする場合に便利です。true または false に設定できます。既定値は false です。 |
<HostKey Reconfigurable="true">Left-Alt</HostKey> |
ホスト キーを指定します。大文字と小文字を区別しないで、None、Left-Alt、または Right-Alt を指定できます。 |
<Rotation Reconfigurable="true">270</Rotation> |
ディスプレイを指定した角度だけ時計回りに回転します。0, 90、180、または 270 を指定できます。他の整数値も使用できますが、90 度単位で切り捨てられます。 |
<VMID Reconfigurable="false">{B89C49AD-197F-4CB4-A525-D81D0944EEAF}</VMID> |
エミュレータの現在のインスタンスと関連付ける VMID GUID を指定します。 |
<VMName Reconfigurable="true">My Custom Emulator</VMName> |
ウィンドウ タイトルを指定します。このタグが指定されていない場合、ウィンドウはスキン タグに従って名前が指定されるか、既定の名前である "デバイス エミュレータ" になります。 |
<!--<SaveState Reconfigurable="false">c:\1.dess</SaveState>--> |
保存状態のサポートを有効にします。その値には、保存状態ファイルの名前を指定します。.decfg ファイルでは、SaveState タグまたは OSImage タグを指定する必要があります。SaveState タグ固有の特性を次に示します。
|
<DefaultSave Reconfigurable="false">true</DefaultSave> |
値が true の場合は、デバイス エミュレータは保存状態ファイルの名前として VMID を使用し、保存状態ファイルをユーザーごとのディレクトリに格納します。true または false に設定できます。
メモ :
同じ .decfg ファイルに SaveState タグと defaultsave タグの両方は指定できません。
|
<Zoom Reconfigurable="true">true</Zoom> |
ディスプレイ (スキンと LCD ウィンドウの両方) を通常の 2 倍のサイズで表示します。true または false に設定できます。 |
<Video Reconfigurable="false" Width="640" Height="480" BitsPerPixel="16"/> |
LCD ウィンドウの画面サイズとビット深度を指定します。width 属性、height 属性、および BitsPerPixel 属性には、整数を指定します。
メモ :
同じ .decfg ファイルに Skin タグと Video タグの両方は指定できません。
|
<FuncKey Reconfigurable="true">193</FuncKey> |
これは、通常は、値 193 の特別なタグです。値 193 により、キーボードのファンクション キー (F1、F2 など) がデバイス エミュレータのソフト キーに割り当てられます。 |
<!--<Skin Reconfigurable="true" EnableSkin="true" ToolTips="on">c:\Program Files\Windows Mobile 5.0 SDK R2\PocketPC\Deviceemulation\Pocket_pc\Pocket_PC.xml</Skin>--> |
指定したスキン ファイルを読み込みます。
メモ :
この例では、Skin タグはコメント アウトされています。.decfg ファイルに Skin タグと Video タグの両方は指定できないためです。
|
<Board> tag |
次のタグがあります。
|
<OSImage Reconfigurable="false" Address="0">d:\Program Files\Windows Mobile 5.0 SDK R2\PocketPC\Deviceemulation\0409\PPC_USA.BIN</OSImage> |
エミュレータで使用する OSimage のパスおよびファイル名 (*.bin または *.nb0) を指定します。SaveState タグが指定されていない場合、このタグは必須です。 |
<Flash Reconfigurable="false" Enabled="true">c:\flash.txt</Flash> |
フラッシュ メモリのエミュレーションを有効にします。その値には、フラッシュ メモリ ストレージとして使用するファイルの名前を指定します。 |
<MemSize Reconfigurable="false">256</MemSize> |
エミュレートする RAM のサイズを設定します。その値は MB 単位で指定します。有効な値は 64 以上、256 以下です。有効な値が指定されていない場合、RAM サイズの既定値である 64 が使用されます。 |
<CpuCore Reconfigurable="false">ARMv5</CpuCore> |
エミュレートする CPU アーキテクチャを指定します。ARMv4 または ARMv5 を指定できます。既定値は ARMv4 です。 |
<CpuOptions Reconfigurable="false">TDI</CpuOptions> |
(T)humb、(D)ebug、(I)nternetworking、(M)Long Multiply、(e)DSP の組み合わせを指定します。これらのうち、T、D、および I は常に設定されます。 |
<VFP Reconfigurable="false">true</VFP> |
ベクタ浮動小数点コプロセッサが存在することを指定します。true または false に設定できます。既定値は false です。 |
<Peripherals> tag |
次のタグがあります。
|
<Battery Reconfigurable="true" IsOnAcPower="false" Charge="40"/> |
バッテリ電源とバッテリ残量を指定します。IsOnAcPower 属性は、エミュレータがバッテリ電源と AC 電源のどちらで実行されているかを指定します。バッテリで実行されている場合、charge 属性は残量をパーセントで指定します。既定では AC 電源です。 |
<SharedFolder Reconfigurable="true">c:\</SharedFolder> |
ディレクトリを共有フォルダとしてマウントします。その値には、Windows 上にある任意のディレクトリを指定します。指定したディレクトリは、ストレージ カードであるかのようにマウントされます。 |
<CS8900_Networking Reconfigurable="false" Enabled="true">00001A1A190B</CS8900_Networking> |
CS8900 ネットワーク アダプタを有効にします。その値は省略可能であり、12 桁の 16 進数で MAC アドレスを指定して、バインド先となるデスクトップ コンピュータ上のホスト アダプタを指定します。 |
<NE2000_Networking Reconfigurable="true" Enable="true">00001A1A190B</NE2000_Networking> |
NE2000 PCMCIA ネットワーク アダプタを有効にします。その値は省略可能であり、12 桁の 16 進数で MAC アドレスを指定して、バインド先となるデスクトップ コンピュータ上のホスト アダプタを指定します。 |
<HostOnly Reconfigurable="true">true</HostOnly> |
ネットワーク パケット用のホストだけのルーティングを設定します。CS8900 カードと NE2000 カードの両方に影響します。true または false に設定できます。既定値は false です。 |
<Speakerphone Reconfigurable="true" CarKit="true" Headset="true" Speakerphone="true"/> |
|
<SerialPort Reconfigurable="true" UARTNumber="0">COM3</SerialPort> <SerialPort Reconfigurable="true" UARTNumber="1">COM2</SerialPort> <SerialPort Reconfigurable="true" UARTNumber="2">none</SerialPort> |
エミュレータ シリアル ポートを Windows の COM ポートに割り当てます。UARTNumber 属性は、エミュレータのポート番号 0 ~ 2 を示します。その値には、デスクトップ コンピュータの COM ポートを指定します。このタグは、.decfg ファイル内で最大 3 回使用できます (エミュレータの 3 つのシリアル ポートのそれぞれに対して 1 回ずつ)。 |
Reconfigurable="true" |
デバイス エミュレータが実行中である限り、このタグに関連付けられた機能が再構成可能であることを示します。エミュレータを終了して再起動することなく、機能を再構成できます。再構成可能なタグには、次のタグがあります。
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Reconfigurable="false" |
デバイス エミュレータが実行中である限り、このタグに関連付けられた機能を再構成できないことを示します。エミュレータ起動時に機能を指定する必要があります。再構成できないタグには、次のタグがあります。
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