.NET Compact Framework Version 3.5 の新機能
更新 : 2007 年 11 月
.NET Compact Framework version 3.5 は .NET Compact Framework を拡張したもので、数多くの新機能を備えています。ここでは、主な追加機能と変更点について説明します。
CAB ファイルを使用して、.NET Compact Framework 3.5 を RAM にインストールできます。このソフトウェアを入手するには、「.NET Compact Framework ダウンロード」ページを参照してください。
.gif "メモ") メモ : |
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CAB ファイルを使用して .NET Compact Framework のバージョンをインストールする場合は、ROM に格納されているバージョンよりも新しいバージョンをインストールする必要があります。 |
.NET Compact Framework 3.5 を、Windows Embedded CE を搭載したデバイスの ROM にインストールするには、Windows Embedded CE Updates Web サイトから Platform Builder の適切な月次更新を入手する必要があります。サポートされているプラットフォームと ROM にプレインストールされているバージョンの詳細については、「.NET Compact Framework でサポートされるデバイスとプラットフォーム」を参照してください。
Windows Communication Foundation
.NET Compact Framework 3.5 は、サービス指向のアプリケーションを構築するための Microsoft の統一プログラミング モデルである Windows Communication Foundation (WCF) をサポートします。.NET Compact Framework を実行するクライアントは、デスクトップ上の既存の WCF Web サービスに接続できます。さらに、新たな WCF トランスポートである Microsoft Exchange Server メール トランスポートのサポートが、.NET Compact Framework アプリケーションとデスクトップ アプリケーションの両方に追加されています。WCF の詳細については、「.NET Compact Framework でのメッセージング」および「Exchange Server の WCF メール トランスポート」を参照してください。
LINQ
統合言語クエリ (LINQ: Language-Integrated Query) は、.NET Compact Framework に対して汎用目的のクエリ機能を追加します。この機能は、リレーショナル データベース、XML データ、およびメモリ内オブジェクトなど、情報の各種ソースに対して適用されます。詳細については、「.NET Compact Framework の LINQ」を参照してください。
Windows フォーム
次の表を使用して、.NET Compact Framework 3.5 の Windows フォーム コントロールに加えられた機能向上について説明します。
型 |
変更点 |
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ユーザーがこれらのコントロールに対してグラフィックスを追加できるようになりました。 |
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ClearType フォントがサポートされるようになり、読み取り専用コントロールの BackColor プロパティを変更できます。 |
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SelectionStart プロパティと SelectionLength プロパティがサポートされるようになりました。 |
SoundPlayer
.NET Compact Framework 3.5 は SoundPlayer をサポートします。これを使用すると、複数のサウンドを再生できます。デバイスは、これらのサウンドをミキシングできます (ハードウェアがこの機能をサポートしている場合)。詳細については、「.NET Compact Framework の SoundPlayer」を参照してください。
圧縮
.NET Compact Framework 3.5 は、System.IO.Compression 名前空間の次のクラスをサポートします。
また、AutomaticDecompression プロパティがサポートされます。
デリゲート
.NET Compact Framework 3.5 は、CreateDelegate メソッドをサポートします。
.NET Compact Framework の CLR プロファイラ
.NET Compact Framework 3.5 では、これまでは完全な .NET Framework でのみサポートされていた CLR プロファイラをサポートするようになりました。CLR プロファイラを使用すると、プロセスのマネージ ヒープを表示し、ガベージ コレクタの動作を調べることができます。CLR プロファイラおよびそれに関連するドキュメントは、Power Toys for .NET Compact Framework に含まれています。詳しくは、「Power Toys for .NET Compact Framework」を参照してください。
| メモ : |
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CLR プロファイラを使用するには、デスクトップ上に .NET Framework Version 3.5 が必要です。 |
構成ツール
.NET Compact Framework 3.5 は、構成ツールをサポートします。このツールは、ランタイム バージョン情報と管理機能を提供するもので、たとえば、アプリケーションを実行する .NET Compact Framework のバージョンを指定できます。構成ツールおよびそれに関連するドキュメントは、Power Toys for .NET Compact Framework に含まれています。詳しくは、「Power Toys for .NET Compact Framework」を参照してください。
デバッグ
.NET Compact Framework 3.5 でのデバッグの機能拡張には、次の機能が含まれます。
入れ子になった関数の評価がサポートされるようになりました。
処理不能な例外は、Run メソッドを呼び出した場所でブレークするのではなく、例外が発生した場所でブレークするようになりました。
ログの記録
ログ機能には、次のような機能向上が施されました。
相互運用ログには、構造体または参照型に格納されたマーシャリング オブジェクトに関する情報が記録されるようになりました。詳細については、「ログ ファイル情報」を参照してください。
ファイナライザのログ機能には、ファイナライザの順序とタイミングに関する情報が記録されるようになりました。
ログ ファイルは、アプリケーションが実行中のときでもロックされないようになりました。したがって、実行時にログを読み込むことができます。
スタック トレースに、メソッドのオーバーロードを識別するための完全なメソッド シグネチャが含まれるようになりました。
プラットフォーム ID
.NET Compact Framework 3.5 は、プラットフォームの種類に関する新たな情報を提供するようになりました。具体的には、プラットフォームが Pocket PC であるか、Smartphone であるかの情報を提供します。プラットフォーム ID の詳細については、WinCEPlatform 列挙体を参照してください。
ランタイム ツール
ランタイム ツール ライブラリにおいて、エミュレータでのリモート パフォーマンス モニタなどの .NET Compact Framework SDK 診断ツールの実行がサポートされるようになりました。ランタイム ツールおよびそれに関連するドキュメントは、Power Toys for .NET Compact Framework に含まれています。詳しくは、「Power Toys for .NET Compact Framework」を参照してください。
厳密な名前
1,024 バイトを超える厳密な名前がサポートされるようになりました。
グローバル アセンブリ キャッシュ
グローバル アセンブリのアーキテクチャに変更が加えられ、エラー処理と Windows Embedded CE version 6.0 との統合が強化されました。
ドキュメント
.NET Compact Framework 3.5 のクラス ライブラリに関するドキュメントには、オーバーロードについて改善されたプラットフォーム サポート情報が記載されています。詳細については、「方法 : .NET Compact Framework のクラス ライブラリでサポートされているメンバを探す」を参照してください。
サンプル
WCF、圧縮、LINQ、XLINQ などの .NET Compact Framework 3.5 の機能のデモンストレーションを行う新しいサンプルが用意されています。詳細については、「.NET Compact Framework のサンプル」を参照してください。