方法 : SQL Server Compact 3.5 データベースをアプリケーションと共に配置する
更新 : 2007 年 11 月
SQL Server Compact 3.5 データベースを含むアプリケーションを配置する方法は 2 つあります。どちらの配置方法を選択するかは、アプリケーションが提供するサービスの要件や、アプリケーションのインストール先コンピュータの管理資格情報をユーザーが必要とするかどうかによって決定されます。
SQL Server Compact 3.5 データベースの配置方法を次に示します。
従来の Microsoft Windows インストーラ (Microsoft セットアップ テクノロジ)
アプリケーションをインストールするユーザーには管理資格情報が必要です。
SQL Server Compact 3.5 に Microsoft Update のサービスが提供されます。
ClickOnce 配置を使用できます。
または
プライベート ファイル ベースの配置 (SQL Server Compact 3.5 の DLL をプロジェクトの一部として配置)
アプリケーションをインストールするユーザーには管理資格情報は不要です。
SQL Server Compact 3.5 に Microsoft Update のサービスは提供されません。
ClickOnce 配置を使用することもできます。
従来の Windows インストーラ
従来の Windows インストーラ テクノロジは、標準的なセットアップと配置プロジェクトだけでなく、ClickOnce 配置でも使用されています。データベースの配置に ClickOnce を使用すると、配置先のコンピュータに SQL Server Compact 3.5 が検出されなかった場合、SQL Server Compact 3.5 が自動的にインストールされます。この点は、セットアップと配置プロジェクトでカスタム動作を作成するのとは対照的です。このような理由から、ClickOnce は SQL Server Compact 3.5 データベースを含んだアプリケーションに最適な配置方法と言えます。
ClickOnce 配置が更新されたため、SQL Server Compact 3.5 データベースを含んだアプリケーションの必要条件として、SQL Server Compact 3.5 ランタイムが自動的に追加されるようになりました。また、.sdf ファイルがデータ ファイルとして認識され、適切な発行状況に設定されます。
SQL Server Compact 3.5 データベースを含んだアプリケーション用に ClickOnce 配置を作成する場合、プロジェクト デザイナで、適切な発行情報を構成する必要があります。
メモ : |
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SQL Server Compact 3.5 データベース ファイルをプロジェクトに追加すると、ClickOnce 配置の適切な発行情報が自動的に構成されます。 |
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お使いのマシンで、Visual Studio ユーザー インターフェイスの一部の要素の名前や場所が、次の手順とは異なる場合があります。これらの要素は、使用している Visual Studio のエディションや独自の設定によって決まります。詳細については、「Visual Studio の設定」を参照してください。 |
SQL Server Compact 3.5 データベースを含んだアプリケーションの ClickOnce 配置に Windows インストーラ テクノロジを使用するには
Visual Basic プロジェクトを使用している場合は、ソリューション エクスプローラまたはデータベース エクスプローラで [My Project] (C# プロジェクトの場合は [プロパティ]) をダブルクリックし、プロジェクト デザイナを開きます。
[発行] タブをクリックします。
[アプリケーション ファイル] をクリックし、.sdf ファイルを [データ ファイル (自動)] に設定します。
これは、.sdf ファイルをローカル データ ファイルとして扱い、データ ディレクトリに格納するようインストーラに伝えるための設定です。
[必須コンポーネント] をクリックし、[SQL Server Compact 3.5] を選択します。
このように設定すると、SQL Server Compact 3.5 ランタイムが存在するかどうかがインストーラによって確認され、存在しなかった場合は、インターネットからダウンロードしてインストールされます。
インストーラの作成
発行情報を構成した後、インストーラを作成します。
インストーラを作成するには
[発行場所] ボックスに、インストーラの発行先となる Web サイト、FTP サーバー、またはファイル パスを入力します。
[今すぐ発行] をクリックすると、インストーラが作成されます。
これでアプリケーションをインストールする準備が整いました。確認のため、発行先に移動してアプリケーションをインストールします。
プライベート ファイル ベースの配置
プライベート ファイル ベースの配置とは、既に配置先のコンピュータに存在する DLL を参照するのではなく、必要な SQL Server Compact 3.5 の DLL をファイルとしてプロジェクトに追加するプロセスを指します。必要な DLL をアプリケーションと一緒に追加すると、SQL Server Compact 3.5 をインストールする必要がなくなります。このため、管理資格情報も不要になります。
プライベート ファイル ベースの配置には ClickOnce 配置テクノロジを使用できます。その場合、SQL Server Compact 3.5 がセットアップ プログラムによってインストールされないよう、必須コンポーネントから除外する必要があります。
プライベート ファイル ベースの配置を使用して SQL Server Compact 3.5 データベースを配置するには
Visual Basic プロジェクトを使用している場合は、ソリューション エクスプローラまたはデータベース エクスプローラで [My Project] (C# プロジェクトの場合は [プロパティ]) をダブルクリックし、プロジェクト デザイナを開きます。
[発行] タブをクリックします。
[必須コンポーネント] をクリックし、[SQL Server Compact 3.5] のチェック ボックスをオフにします。
プロジェクト デザイナを終了します。
SQL Server Compact 3.5 の DLL があるディレクトリに移動します。これらは、C:\Program Files\Microsoft SQL Server Compact Edition\v3.5 に格納されています。
SQL Server Compact 3.5 の DLL を選択してコピーします。選択する DLL は次の 7 つです。
sqlceca35.dll
sqlcecompact35.dll
sqlceer35EN.dll
sqlceme35.dll
sqlceoledb35.dll
sqlceqp35.dll
sqlcese35.dll
コピーした DLL を、ソリューション エクスプローラまたはデータベース エクスプローラ内のプロジェクトに貼り付けます。
ソリューション エクスプローラまたはデータベース エクスプローラで 7 つすべての DLL を選択し、[プロパティ] ウィンドウを開きます。
[出力ディレクトリにコピー] プロパティを [新しい場合はコピーする] に設定します。
これにより、アプリケーションが更新された場合、既存のアプリケーションに使用されていた古い DLL が、新しい DLL で置き換えられます。
ソリューション エクスプローラまたはデータベース エクスプローラで、[すべてのファイルを表示] をクリックします。
[参照設定] ノードを展開します。
[System.Data.SqlServerCe] を選択します。
[ローカル コピー] プロパティを [True] に設定します。
開発用コンピュータでは SqlServerCe の DLL がグローバル アセンブリ キャッシュ内に存在します。そのため、出力ディレクトリ内の DLL を使用するようにアプリケーションを構成する必要があります。
ソリューション エクスプローラまたはデータベース エクスプローラでプロジェクトを右クリックし、[発行] をクリックして発行ウィザードを開きます。
ウィザードの手順に従ってアプリケーションを発行します。
これでアプリケーションをインストールする準備が整いました。確認のため、発行先に移動してアプリケーションをインストールします。
参照
処理手順
方法 : SQL Server Compact 3.5 データベースをプロジェクトに追加する
チュートリアル : SQL Server Compact 3.5 データベースの作成
チュートリアル : アプリケーションへの SQL Server Compact 3.5 データベースの追加とその配置
概念
SQL Server Compact 3.5 と Visual Studio