Orchestrator の環境間移行
適用対象: System Center 2012 SP1 - Orchestrator,System Center 2012 - Orchestrator,System Center 2012 R2 Orchestrator
このトピックでは、Orchestrator を環境間で自動的に移行する方法について説明します。 これは、新しい SQL Server 2008 R2 に移動する場合や、Orchestrator コンポーネントの一部あるいは全部を移動する場合に役立ちます。
次のプロセスとスクリプトを使用すると、環境間を容易に移動できます。 これは、System Center 2012 - Orchestrator コンポーネントのすべてを、Orchestrator データベースが復元された新しい SQL Server 2008 R2 に完全に移行するプロセスをベースにしています。
Orchestrator を新しい環境に自動移行できるようにするには、次の手順が必要です。
環境 A の SQL Server サービス マスター キーをバックアップする
環境 A の Orchestrator データベースをバックアップする
環境 B に SQL Server 2008 R2 を展開する
環境 B に SQL Server サービス マスター キーを復元する
環境 B に Orchestrator データベースを復元する
環境 B に Orchestrator コンポーネントを展開する
[!メモ]
Sqlcmd ユーティリティの使用については、https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=246817 を参照してください。
環境 A の SQL Server サービス マスター キーをバックアップする
https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=243093 で説明されている手順を使用して、SQL Server 2008 R2 サービス マスター キーをバックアップします。 これは、1 回限りの操作です。
次のコマンドを使用して、バッチ スクリプトを作成します。
Sqlcmd –Q "BACKUP SERVICE MASTER KEY TO FILE ='C:\BACKUP\MASTER_KEY.BAK' ENCRYPTION BY PASSWORD = 'password'"
'password' の部分は、作成されるファイル内のサービス マスター キーを保護するのに使用されるパスワードです。 パスワードを失うと、サービス マスター キーをファイルから復元できなくなってしまいます。
環境 A の Orchestrator データベースをバックアップする
Orchestrator データベース全体をバックアップします。 システムの実行中にバックアップを実行することができます。ただし、すべての Runbook の作成者が何か変更を保留していないか確認してバックアップを実行することが推奨されます。 保留中の変更は Runbook Designer にキャッシュされ、データベースのバックアップではバックアップされません。
Orchestrator データベースをバックアップするには
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SQL Server Management で Orchestrator データベースを右クリックしてから、[タスク]、[バックアップする] の順にクリックします。
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組織の必要に応じて、バックアップの設定を構成します。
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[スクリプト] をクリックしてから [スクリプト操作を新規クエリ ウィンドウに保存] をクリックします
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[実行] をクリックして、バックアップ スクリプトをテストします。
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このスクリプトを使用して、バッチ ファイルを作成します。 バッチ ファイルは次のようになります。
Sqlcmd –Q "BACKUP DATABASE Orchestrator TO DISK=N'C:\BACKUP\OrchestratorDB.bak'"
環境 B に SQL Server 2008 R2 を展開する
SQL Server を環境 B に展開します。SQL Server 2008 R2 の Sysprep イメージの作成については、https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=246815 を参照してください。
環境 B に SQL Server サービス マスター キーを復元する
https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=243093 で説明されている手順を使用して、Microsoft SQL Sevver 2008 R2 サービス マスター キーを復元します。 これによって、新しい SQL Server 上の Orchestrator データの暗号を解除できます。
次のコマンドを使用して、バッチ スクリプトを作成します。
Sqlcmd –Q "RESTORE SERVICE MASTER KEY FROM FILE = 'C:\BACKUP\MASTER_KEY.BAK' DECRYPTION BY PASSWORD = 'password';"
環境 B に Orchestrator データベースを復元する
次の手順に従って、新しい SQL Server コンピューター上で Orchestrator データベースを復元するために実行するバッチ スクリプトを作成します。
バッチ ファイルを作成するには
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SQL Server Management で Orchestrator データベースを右クリックしてから、[タスク]、[復元] の順にクリックします。
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組織の必要に応じて、復元の設定を構成します。
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[スクリプト] をクリックしてから [スクリプト操作を新規クエリ ウィンドウに保存] をクリックします
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[実行] をクリックして、復元スクリプトをテストします。
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このスクリプトを使用して、バッチ ファイルを作成します。 バッチ ファイルは次のようになります。
Sqlcmd –Q "RESTORE DATABASE [Orchestrator] FROM DISK = N'C:\BACKUP\OrchestratorDB.bak'WITH FILE = 1, NOUNLOAD, STATS = 10"
環境 B に Orchestrator コンポーネントを展開する
Orchestrator セットアップのサイレント インストール コマンドを使用して、Orchestrator コンポーネント (Management サーバー、Web 機能、Runbook サーバーおよび Runbook Designers) を展開します。 コマンド ラインを使用して Orchestrator を展開する方法の詳細については、「Orchestrator コマンド ライン インストール ツールによるインストール」を参照してください。
次の例は、SQL Server 2008 R2 と .NET Framework 4 のあるコンピューターに Orchestrator のすべてをインストールするものです。
%systemdrive%\sco\setup\setup.exe /Silent /ServiceUserName:%computername%\administrator /ServicePassword:password /Components:All /DbServer:%computername% /DbPort:1433 /DbNameNew:OrchestratorSysPrep /WebConsolePort:82 /WebServicePort:81 /OrchestratorRemote /UseMicrosoftUpdate:1 /SendCEIPReports:1 /EnableErrorReporting:always
移行スクリプトとコマンドの例
SQL Server マスター サービス キーのバックアップの例
Sqlcmd –Q "BACKUP SERVICE MASTER KEY TO FILE ='C:\BACKUP\MASTER_KEY.BAK' ENCRYPTION BY PASSWORD = 'password'"
Orchestrator データベースのバックアップの例
Sqlcmd –Q "BACKUP DATABASE Orchestrator TO DISK=N'C:\BACKUP\OrchestratorDB.bak'"
SQL Server マスター サービス キーの復元の例
Sqlcmd –Q "RESTORE SERVICE MASTER KEY FROM FILE = 'c:\temp_backups\keys\service_master_key' DECRYPTION BY PASSWORD = 'password'"
Orchestrator データベースの復元の例
Sqlcmd –Q "RESTORE DATABASE [Orchestrator] FROM DISK = N'C:\BACKUP\OrchestratorDB.bak'WITH FILE = 1, NOUNLOAD, STATS = 10"
バッチ ファイルから Orchestrator をインストールする例
%systemdrive%\sco\setup\setup.exe /Silent /ServiceUserName:%computername%\administrator /ServicePassword:password /Components:All /DbServer:%computername% /DbPort:1433 /DbNameNew:OrchestratorSysPrep /WebConsolePort:82 /WebServicePort:81 /OrchestratorRemote /UseMicrosoftUpdate:1 /SendCEIPReports:1 /EnableErrorReporting:always