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依存関係モニター

 

適用対象: System Center 2012 R2 Operations Manager,System Center 2012 - Operations Manager,System Center 2012 SP1 - Operations Manager

"依存関係モニター" では、あるオブジェクトのヘルスが別のオブジェクトのヘルスによる影響を受けます。 これにより、異なるクラスの関連した特定のインスタンス間で、ヘルス ロールアップを実行できます。

依存関係モニターはそれぞれ、特定のホスティング リレーションシップまたは含有関係に基づいています。 2 つのオブジェクト間でリレーションシップを作成するだけでは、それらのヘルス状態の間でロールアップは実行されません。 依存関係モニターを、実行するヘルス ロールアップのリレーションシップに関連付ける必要があります。

依存関係モニターのソースおよびターゲット クラスは、モニターが基づいているリレーションシップにより定義されます。 その他に、モニターのターゲット クラスに特定のユニット モニターか集合モニターを指定し、ソース クラスに集合モニターを指定する必要があります。 依存関係モニターのヘルスを計算するときには、対象モニターのヘルスだけが考慮され、これはターゲット オブジェクトで指定した集合モニターのヘルスのみに影響します。

ユニット モニターに基づく依存関係モニター

ユニット モニターに基づく依存関係モニター

集合モニターに基づく依存関係モニター

集合モニターに基づく依存関係モニター

ターゲット クラスの複数のユニット モニターや集合モニターによる影響をソース クラスのヘルスが受ける場合、1 つのリレーションシップに複数の依存関係モニターを作成できます。 たとえば、次の図に示すように、標準的な集合モニターごとに依存関係モニターを作成することができます。

単一クラスの複数の依存関係モニター

単一クラスの複数の依存関係モニター

ヘルス ロールアップ ポリシー

ターゲット クラスのインスタンスが複数存在し、それぞれのヘルス状態が異なっている場合があります。 依存関係モニターはそれぞれヘルス ロールアップ ポリシーを定義し、対象モニターのインスタンスのヘルスに基づいて依存関係モニターのヘルスを判断するための論理を定義する必要があります。 依存関係モニターで使用可能なヘルス ロールアップ ポリシーを次に示します。

最低状態ポリシー

ソース オブジェクトは、ヘルス状態が最低のターゲット オブジェクトの状態に一致します。 これを使用するのは、ターゲット オブジェクトがすべて正常な場合にのみソース オブジェクトを正常とすべき場合です。 これは依存関係モニターで使用する最も一般的なポリシーです。

最低状態ヘルス ポリシー

最低のヘルス状態のロールアップ ポリシーが定義された存関係モニター

最高状態ポリシー

ソース オブジェクトは、ヘルス状態が最高のターゲット オブジェクトの状態に一致します。 このポリシーを使用するのは、ターゲット オブジェクトが正常になるにはソース オブジェクトの 1 つだけが正常となる必要がある場合です。

たとえば、Microsoft Windows Hyper-V 2008 Monitoring 管理パックには、Microsoft.Windows.HyperV.ServerRole から Microsoft.Windows.HyperV.VirtualNetwork へのホスティング リレーションシップに対する依存関係モニターが含まれていて、これは最高状態ポリシーを使用します。 これは、機能の 1 つの仮想ネットワークがある限りは、HYPER-V を実行するサーバーが機能しているためです。 この管理パックで定義された論理によれば、利用可能な仮想ネットワークが 1 つもない場合にサーバー クラスがエラー状態を示すことになります。

最高状態ヘルス ポリシー

最高のヘルス状態のロールアップ ポリシーが定義された依存関係モニター

割合ポリシー

ソース オブジェクトは、最高状態のターゲット オブジェクトのうち指定された割合を占める 1 つのメンバーの最低状態に一致します。 このポリシーを使用するのは、ターゲット オブジェクトが正常と見なされるには、ターゲット オブジェクトの一定の割合が正常でなければならない場合です。

たとえば、複数の Web サーバーを備えた Web ファームでアプリケーションを実行する場合があります。 この種の展開では冗長性を実装するため、一定の割合のサーバーが利用可能であれば、このアプリケーションを正常と見なすことができます。 ファーム自体は、Web サーバーとの含有関係にある System.ApplicationComponent に基づいたヘルス ロールアップ クラスとして管理パックで表されます。 依存関係モニターは、割合を指定するヘルス ロールアップ ポリシーにより、この含有関係で作成できます。 1 つ以上の Web サーバーに問題があっても、指定された割合が正常な状態である限り、Web ファームを表すクラスも正常になります。

割合ヘルス ポリシー

ヘルス ロールアップの割合ポリシーが定義された依存関係モニター

エージェント間のヘルス ロールアップ

ソース オブジェクトがルート管理サーバーによって管理されていない限り、ヘルス状態は同じエージェントで管理されたオブジェクト間でのみロールアップできます。 ヘルス ロールアップに使用するグループとクラスは通常ホストされていません。 つまりこれは、別のエージェントが管理するオブジェクトからヘルスをロールアップできるように RMS が管理していることになります。 リレーションシップは異なるエージェントで管理されるオブジェクト間で検出できますが、そのリレーションシップに関連付けられた依存関係モニターは想定どおりに機能しません。

エージェント間のヘルス ロールアップ

エージェント間のヘルス ロールアップ