Operations Manager における完全バックアップと増分バックアップ
適用対象: System Center 2012 R2 Operations Manager,System Center 2012 - Operations Manager,System Center 2012 SP1 - Operations Manager
データベース バックアップができるだけ最新で完全であることを確認する必要があります。ここでは、データベースの完全バックアップと増分バックアップの両方を、データベースの全体的なバックアップ計画に統合する方法を決定するうえで役立つ情報を説明します。
[!メモ]
既定では、レポート サーバー データベースは完全復旧モデルを使用します。その他の Operations Manager データベースは単純復旧モデルを使用します。バックアップ オプションの詳細については、「バックアップの概要 (SQL Server)」を参照してください。
データベースの完全なバックアップ
データベースの完全バックアップには、トランザクション ログのすべてのエントリを含む、データベース全体がキャプチャされます。ただし、ファイルの未割り当てエクステントは除外されます。操作速度を速くするため、ページはディスクから直接読み込まれます。
データベースのバックアップを復元することにより、1 つの手順でバックアップからデータベースを再作成できます。復元プロセスは、既存のデータベースを上書きします。データベースが存在しない場合は、データベースを作成します。復元されたデータベースは、コミットされていないトランザクションを除き、バックアップ完了時のデータベースの状態と一致します。コミットされていないトランザクションは、データベースを復元する際にロールバックされます。
データベースの完全バックアップでは、トランザクション ログのバックアップやデータベースの増分バックアップよりも、バックアップごとの記憶域が大きくなります。このため、データベースの完全バックアップは、トランザクション ログのバックアップやデータベースの増分バックアップよりも時間がかかるので、通常、作成頻度が少なくなります。
データベースの増分バックアップ
データベースの増分 (差分) バックアップでは、前回のデータベース バックアップ後に変更されたデータだけが記録されます。データベースの増分バックアップは、完全データベース バックアップよりも小さくて速いため、データベースの増分バックアップは頻繁に実行できます。増分バックアップを頻繁に実行することで、データを失うリスクが軽減されます。
データベースの障害が発生した時に、データベースの増分バックアップを使用して、データベースの増分バックアップが完了したポイントまでデータベースを復元できます。
トランザクション ログのバックアップ
トランザクション ログとは、前回トランザクション ログのバックアップが作成された後にデータベースに対して実行されたすべてのトランザクションを、順次記録したものです。トランザクション ログのバックアップでは、特定の時点まで (たとえば、間違ったデータを入力する前まで)、または障害発生時点までデータベースを復元できます。
トランザクション ログのバックアップを復元すると、Microsoft SQL Server は、トランザクション ログに記録されたすべての変更をロール フォワードします。トランザクション ログの最後に達すると、データベースの状態はバックアップ操作開始時とまったく同じになります。次に、データベースが回復すると、バックアップ操作開始時に完了していなかったトランザクションをすべてロール バックします。
[!メモ]
データ ウェアハウス データベースでは、すべてのトランザクションを完了後に切り捨てるという単純復旧モデルが使用されます。したがって、ログ ファイルのバックアップを作成しても役に立ちません。データベース ファイルの完全バックアップを実行してください。
復旧モデルの詳細については、「復旧モデルの概要」を参照してください。