サービス レポートの概要
対象: System Center 2012 R2 Service Reporting、System Center 2012 R2 Orchestrator
ハードウェアとサーバー オペレーティング システム、およびホスティング プロバイダーの管理者は、バーチャル マシン リソースの消費状況とテナントの課金処理に関する詳細レポートの作成を依頼されることがよくあります。 レポートを作成するデータを収集するには、通常、多くの異なるツールを使用する必要があり、多くの場合、テナント リソースの割り当てと消費を決定する処理には時間がかかります。 また、多くの場合、社内で開発されたカスタム ツールでは、ホスティング プロバイダーのすべてのニーズが満たされません。
収集データと報告データに矛盾があると、ホスティング プロバイダーの収益が過小に報告され、テナントが超過課金されることがあります。 消費状況に関して不正確な情報を提供した場合、事業の利益性に悪影響がおよび、テナントとの関係も損なわれることになりかねません。
ホスティング プロバイダーはサービス レポートのレポート情報を使用して、透過的で正確な使用状況データを管理者とテナントに提供できます。
メリット
Windows Server 2012 オペレーティング システム、Windows Server 用 Windows Azure Pack、および System Center 2012 R2 の展開後、テナントによるバーチャル マシン リソースと Windows Azure Pack サービスの消費状況を把握するために必要なすべてのツールが利用できるようになります。 その後、次の用途に役立つレポートを作成できます。
バーチャル マシンと Windows Azure Pack サービスについて、テナント別に演算、メモリ、記憶域、ネットワークの各リソースの消費状況の詳細なビューを作成する。
課金処理の精度を増し、過小報告を低下する。
使用状況のトラッキング システムの管理と開発にかする時間とコストを削減する。
他の企業では提供できないサービスをテナントに提供する。
サービス レポートを使用すると、テナントと共有する月々のレポートを簡単に表示して実行できます。 詳細情報を管理者に提供できます。 不正確または不完全なトラッキング データが収益損失の原因となっている分野、ならびに、最も利益の多い分野を特定できます。
アーキテクチャ
サービス レポートは System Center 2012 R2 のオプション コンポーネントとしてインストールされます。System Center 2012 R2 Orchestrator の初期セットアップ ページを使用してインストールできます。 サービス レポートをインストールした後に、Windows PowerShell® スクリプトを使用して構成します。 スクリプトによって、サービス レポート データ ウェアハウスから Windows Azure Pack 使用状況エンドポイントおよび System Center 2012 - Operations Manager に対する接続を確立します。 ただし、Virtual Machine Manager の Operations Manager データは、エージェントが System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager を監視する場合にのみ利用可能です。
サービス レポートの構成後、ユーザーがサンプルの Microsoft Excel ファイルを開いて、接続情報を変更して、サービス レポート データ ウェアハウスに含まれる SQL Server Analysis Services データベースを指定します。
サービス レポート データ ウェアハウスでは、次のソースから情報が収集されます。
VM クラウドに関する使用状況データの Windows Azure Pack
Operations Manager エージェント: ファブリックの容量データに関する情報 (この情報は System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager から収集されます)
ただし、サービス レポートのインベントリ コンポーネントは Windows Azure Pack に依存しないため、Windows Azure Pack がインストールされていない場合でも、サービス レポートで環境のインベントリ レポートを提供できます。
SSIS ジョブ
SQL Server Integration Services (SSIS) パッケージのサービス レポートの SQL Server エージェント ジョブは、定期的に実行されます。 このジョブは、Windows Azure Pack からデータを収集して処理します。 次に Operations Manager からデータを収集し、そのデータを処理します。 ときどき、Windows PowerShell コマンドレットを使用して、SSIS ジョブが使用するパスワードなどの資格情報を変更する必要があります。
レポート
サンプル レポートには、オンライン分析処理 (OLAP) データ キューブの容量が示され、バーチャル マシンの使用状況と容量データが表示されます。 これらのレポートには、テナントにより使用されるオペレーティング システムのインベントリも表示されます。 サービス レポートはレポートのデータを時間単位で収集し、データベースのクリーンアップが発生するまでデータを保存します。
サービス レポートがインストールされるときに、サンプル レポートはファイル共有に保存されます。