System Center 2012 R2 で TFS との統合を構成する方法
対象: System Center 2012 R2 Operations Manager
System Center 2012 R2 Operations Manager で、Operations Manager アラートと TFS 作業項目を同期できます。 同期を有効にした後で、IT 運用チームはアラートを手動でエンジニアリング チームに割り当てることができます。 アラートをエンジニアリングに割り当てると、TFS に新しい作業項目が作成されます。 その後、ワークフローが、TFS の作業項目への変更および関連付けられた Operations Manager のアラートへの変更を追跡して同期します。 アラートは TFS 2012 と TFS 2010 のいずれか、または両方のチーム プロジェクトと同期できます。
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環境を System Center 2012 Service Pack 1 (SP1) から Operations Manager にアップグレードして、System Center 2012 SP1 に付属の管理パックのバージョンを使用していた場合は、それらを引き続き使用できますが、System Center 2012 SP1 でサポートされるシナリオでの使用に限定されます。Operations Manager のアラートを Team Foundation Server (TFS) および Service Manager と同時に同期する場合は、System Center 2012 R2 Operations Manager に付属の管理パックを使用する必要があります。 |
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構成を有効にする前に、TFS との統合に使用する [Operational Issue] 作業項目の種類の定義をインポートするため、TFS 管理者の資格情報が必要となります。 また、Operations Manager のアラートを同期するチーム プロジェクトの TFS 共同作成者権限が構成されたドメイン アカウントが必要です。 |
TFS との同期用に環境を構成するには
アラート添付ファイル管理パックをインポートして構成します。 詳細については、「System Center 2012 R2 で Operations Manager アラートの添付ファイルを構成する方法」をご覧ください。
Operations Manager アラートと TFS 作業項目の同期にどの管理サーバーを使用するか決定します。 同期に使用する各管理サーバーに TFS オブジェクト モデルがインストールされている必要があります。 TFS 2010 用の TFS オブジェクト モデルをインストールするには、MSDN ダウンロード センターから Team Foundation Server 2010 SP1 Object Model Installer をダウンロードします。Team Foundation Server 2012 Object Model Installer をダウンロードして、TFS 2012 用の TFS オブジェクト モデルをインストールすることもできます。 Visual Studio 2012 のインストール時に、TFS 2012 用の TFS オブジェクト モデルをインストールすることもできます。 TFS をサーバーにインストールすると、TFS オブジェクト モデルもそのサーバーにインストールされます。
重要 TFS との同期には TFS オブジェクト モデル 2010 または TFS オブジェクト モデル 2012 を使用することができます。 TFS オブジェクト モデル 2013 は、System Center 2012 R2 Operations Manager でリリースされたバージョンの同期とは現在、互換性がありません。 TFS 2013 と同期するには、TFS オブジェクト モデル 2012 をインストールする必要があります。 ただし、TFS オブジェクト モデル 2010 を使用して TFS 2012 を同期するためには、Operational Issue 作業項目の種類の定義 (WITD) を、同期に使用するそれぞれのチーム プロジェクトに手動でインポートしなければなりません。 これには、witadmin コマンド ライン ツールを使用します。 Operational Issue WITD の手動インポートの詳細については、「System Center 2012 R2 で Operational Issue の WITD を TFS に手動でインポートする方法」を参照してください。
ヒント 管理グループ内のすべての管理サーバーに同期をインストールすることで、メンテナンスが簡素化され、Operations Manager と TFS の間の統合に冗長性がもたらされます。
TFS 同期に使用するドメイン アカウントを作成します。
このドメイン アカウントに、TFS 同期を使用する各プロジェクトの TFS 共同作成者のアクセス許可を付与します。 詳細については、「チーム プロジェクトへのユーザーの追加」を参照してください。
アラート添付ファイルを TFS 作業項目と同期する予定の場合は、アラート添付ファイル共有の読み取り/書き込みのアクセス許可をこのアカウントに付与します。 これは、アラート添付ファイル管理パックの構成時に設定したファイル共有です。
TFS 作業項目の同期用管理パックの同期を構成するには
Operations Manager インストール メディアから TFS 作業項目の同期用管理パックをインポートします。Operations Manager コンソールで、[管理]、[管理パック] の順にクリックし、[タスク] ウィンドウで [管理パックのインポート] をクリックします。 管理パックのインポート ウィザードで、[追加] をクリックしてから [ディスクから追加する] をクリックします。Operations Manager インストール メディアの ManagementPacks フォルダーから TFS 作業項目の同期用管理パック (Microsoft.SystemCenter.TFSWISynchronization.mpb) をインポートします。[インストール] をクリックし、[閉じる] をクリックします。
TFS 作業項目の同期用管理パックの構成を開始するには、Operations Manager コンソールのナビゲーション ウィンドウで、[作成]、[管理パック テンプレート] の順にクリックしてから、[タスク] ウィンドウで [監視の追加ウィザード] をクリックします。
重要 監視の追加ウィザードは、アラートと同期するチーム プロジェクト コレクションごとに実行する必要があります。
TFS 作業項目の同期テンプレートを開くには、監視の追加ウィザードの [監視の種類] ページで、[TFS 作業項目の同期] を選択します。
[全般プロパティ] ページで、このチーム プロジェクト コレクションの表示名と説明を入力して、構成設定の保存先の管理パックを選択します。
[サーバーの設定] ページで、[チーム プロジェクト コレクション URL] (例: http://tfs.contoso.local:8080/tfs/DefaultCollection/) を入力し、負荷分散同期に使用される管理サーバーの [同期リソース プール] を選択します。 このリソース プール内の各サーバーに TFS オブジェクト モデルが既にインストールされている必要があります。 次に、同期に使用する実行アカウントを作成または選択します。 この実行アカウントは、各 TFS チーム プロジェクトの共同作成者のアクセス許可を必要とします。 アラート添付ファイルを同期する場合は、実行アカウントにアラート添付ファイル共有の読み取り/書き込みのアクセス許可が必要です。 同期に使用されるすべての管理サーバーに対して、この資格情報が確実に配布されるようにします。 実行プロファイルの使用の詳細については、「実行アカウントと実行プロファイルの管理」を参照してください。
[!メモ]
TFS チーム プロジェクト コレクション URL は、Team Foundation Server 管理コンソールから取得できます。 選択した TFS チーム プロジェクト コレクションがオフラインになっているか、他の理由で使用不可である場合は、ウィザードが警告を表示しますが、構成を完了することができます。 なお、TFS が使用できないときは、ウィザードの入力情報の検証は行われません。 チーム プロジェクトと区分パスは、既存値で事前設定されません。
[サーバーの設定] ページ
[プロジェクトの設定] ページで、すべてのアラートの同期に使用される [プロジェクト] と [区分パス] を指定します。 以前に .NET アプリケーション パフォーマンス監視 (APM) による監視用に構成した .NET アプリケーション コンポーネントごとにこの設定をカスタマイズできます。 APM コンポーネントのチーム プロジェクトと TFS 区分パスをカスタマイズするには、[追加] をクリックして新しい行を追加します。 ターゲットの [チーム プロジェクト] と [区分パス] の組み合わせを選択し、[…] ボタンをクリックして、このチーム プロジェクトおよび区分パスと同期する構成済みアプリケーション コンポーネントを選択します。 アプリケーション コンポーネントが既に .NET アプリケーション パフォーマンス監視テンプレートで監視用に構成済みでなければなりません。 詳細については、「.NET アプリケーション パフォーマンスの監視テンプレート」をご覧ください。
[プロジェクトの設定] ページ
[!メモ]
構成ウィザードを繰り返し実行して、複数の Team Foundation Server または複数のチーム プロジェクト コレクションとの同期を構成できます。 ただし、[既定のチーム プロジェクト] と [既定の区分パス] は、1 つの構成でのみ指定可能です。
ウィザードの完了時に、構成した同期で使用される各チーム プロジェクトの Operational Issue WITD をウィザードで自動的にインポートするのに必要となる、TFS 管理者資格情報の入力が求められます。 Operational Issue WITD を手動でインポートする場合は、この手順を省略できます。 TFS オブジェクト モデル 2010 を使用して Team Foundation Server 2012 と同期する場合は、WITD を手動でインポートする必要があります。 詳細については、「System Center 2012 R2 で Operational Issue の WITD を TFS に手動でインポートする方法」をご覧ください。
[!メモ]
同期の構成後は、TFS 作業項目の同期用の管理パックにより同期インフラストラクチャが監視され、同期に失敗するとアラートが生成されます。 ただし、完全な TFS インフラストラクチャを監視するためには、TFS コンポーネントに関連して発生し得る広範な問題についてアラートを生成する追加監視パックが必要となります。 TFS 作業項目同期用の管理パックをインポートするときに、監視パックもインポートして構成することをお勧めします。 これらを併用することで、開発者向けの TFS 環境の完全なヘルスを確実に監視できるようになります。 詳細については、「System Center 2012 R2 の Operations Manager と TFS の統合の監視」をご覧ください。
同期設定の変更
TFS 作業項目の同期用管理パックの同期設定を表示または変更できます。 同期先のチーム プロジェクトと区分パスを変更したり、監視対象の .NET アプリケーション コンポーネントの同期ルールをカスタマイズしたりするには、この設定を変更する必要があります。
新しい設定の適用中に同期に不整合が生じないようにするには、構成の変更前に同期を無効にします。 同期の停止と再開については、「System Center 2012 SP1 で TFS とのアラート同期を停止してから再開する方法」を参照してください。 同期プール内のすべての管理サーバーを対象とした構成変更のレプリケーション処理には、管理グループのシステム パフォーマンスによっては、1 時間以上かかることがあります。 レプリケーションの完了後、同期を再び有効にできます。 同期の実行中に構成が変更された場合は、同期プール内のすべての管理サーバー上で System Center Management Service を再起動して、構成のリセットを強制実行することが必要となる場合があります。
同期先のチーム プロジェクトを変更する場合は、次の表のルールが適用されます。
TFS チーム プロジェクトの場所の変更 | 同期に対する影響 |
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アプリケーションが、同じ TFS プロジェクト コレクション内の新しい TFS プロジェクトにマップされる場合 | 新しいアラートは新しいプロジェクトに移行し、古いアラートは引き続き古いプロジェクトと同期します。 古いチケット ID を削除して、関連するアラートをエンジニアリングに割り当てし直すと、新規プロジェクトに新しい作業項目が作成されます。 これらの新しい作業項目は、既存のどの作業項目にもリンクされません。 |
アプリケーションが、同じ TFS サーバー内の異なる TFS プロジェクト コレクションにある新しい TFS プロジェクトにマップされる場合 | 新しいアラートは新しい TFS プロジェクトに移行します。 古いアラートは完全に同期を停止します。 古いチケット ID を削除して、関連するアラートをエンジニアリングに割り当てし直すと、新しい作業項目が作成されます。 これらの新しい作業項目は、既存のどの作業項目にもリンクされません。 |
アプリケーションが異なるサーバー上のプロジェクトにマップされる場合 | エンジニアリングに新たに割り当てられるアラートを対象に、新しい作業項目が作成されます。 以前に同期されたアラートの同期は停止されます。 |
同期設定を変更するには
同期設定を変更するには、Operations Manager コンソールのナビゲーション ウィンドウで、[作成] をクリックし、[管理パック テンプレート] を展開してから [TFS 作業項目の同期] をクリックします。
構成済みのチーム プロジェクト コレクションを見つけて、[タスク] ウィンドウで [プロパティ] をクリックします。
[!メモ]
構成を最近変更したばかりで、変更が管理サーバーにレプリケートされていない場合は、変更のレプリケーションが完了するのを待つ必要があります。その後、新しい構成を表示して使用できます。 同期プール内のすべての管理サーバーを対象とした構成変更のレプリケーションには、管理グループのシステム パフォーマンスによっては、1 時間以上かかることがあります。
[サーバーの設定] タブで、負荷分散同期に使用する管理サーバーの [同期リソース プール] を変更できます。 このリソース プール内の各サーバーに TFS オブジェクト モデルが既にインストールされている必要があります。 また、同期に使用する実行アカウントを変更することも可能です。 このアカウントは、TFS チーム プロジェクトごとに共同作成者のアクセス許可を必要とし、アラート添付ファイルを同期する場合は、アラート添付ファイル共有の読み取り/書き込みのアクセス許可がアカウントに付与されていなければなりません。 同期に使用されるすべての管理サーバーに対して、この資格情報が確実に配布されるようにします。 実行プロファイルの使用の詳細については、「実行アカウントと実行プロファイルの管理」を参照してください。
[!メモ]
チーム プロジェクト コレクション URL を変更する場合は、構成を削除して、もう一度ウィザードを実行します。
[プロジェクトの設定] タブで、すべてのアラートの同期に使用される [既定のチーム プロジェクト] と [既定の区分パス] を指定します。 以前に .NET アプリケーション パフォーマンス監視 (APM) による監視用に構成した .NET アプリケーション コンポーネントごとにこの設定をカスタマイズできます。 APM コンポーネントのチーム プロジェクトと TFS 区分パスをカスタマイズするには、[追加] をクリックして新しい行を追加します。 ターゲットの [チーム プロジェクト] と [区分パス] の組み合わせを選択し、[…] ボタンをクリックして、このチーム プロジェクトおよび区分パスと同期する構成済みアプリケーション コンポーネントを選択します。 アプリケーション コンポーネントが既に .NET アプリケーション パフォーマンス監視テンプレートで監視用に構成済みでなければなりません。 詳細については、「.NET アプリケーション パフォーマンスの監視テンプレート」をご覧ください。
[!メモ]
複数の Team Foundation Server または複数のチーム プロジェクト コレクションの同期を構成する場合は、構成ウィザードを繰り返し実行します。 ただし、[既定のチーム プロジェクト] と [既定の区分パス] は、1 つの構成でのみ指定可能です。
[OK] をクリックします。
同期対象の新しいチーム プロジェクトを追加した場合は、構成した同期で使用される各チーム プロジェクトの Operational Issue WITD をウィザードで自動的にインポートするのに必要となる、TFS 管理者資格情報の入力が求められます。 Operational Issue WITD を手動でインポートする場合は、この手順を省略できます。 TFS オブジェクト モデル 2010 を使用して TFS 2012 と同期する場合は、WITD を手動でインポートする必要があります。 詳細については、「System Center 2012 R2 で Operational Issue の WITD を TFS に手動でインポートする方法」をご覧ください。
TFS との統合の構成に関連する手順
詳細については、System Center 2012 R2 での TFS との統合の構成に関連する以下の手順を参照してください。