互換性ビュー (Transact-SQL)
以前のリリースの SQL Server の多くのシステム テーブルは、一連のビューとして実装されるようになりました。 これらのビューは互換性ビューと呼ばれ、旧バージョンとの互換性のためだけに用意されています。 互換性ビューでは、SQL Server 2000 で利用できるメタデータと同じメタデータを利用できますが、 SQL Server 2005 以降で導入された機能に関連するメタデータは利用できません。 したがって、Service Broker やパーティションなどの新機能を使用するときは、カタログ ビューを使用するように切り替える必要があります。
カタログ ビューへアップグレードするもう 1 つの理由としては、ユーザー ID および型 ID を格納する互換性ビューの列では NULL が返されるか算術オーバーフローが発生する可能性があることが挙げられます。 これは、32,767 を超えるユーザー、グループ、およびロールと、32,767 のデータ型を作成できるためです。 たとえば、32,768 のユーザーを作成し、クエリ SELECT * FROM sys.sysusers を実行するとします。 ここで ARITHABORT が ON に設定されている場合、クエリは算術オーバーフロー エラーで失敗します。 ARITHABORT が OFF に設定されている場合は、uid 列から NULL が返されます。
これらの問題を回避するには、より多くのユーザー ID および型 ID を処理できる、新しいカタログ ビューを使用することをお勧めします。 次の表に、このオーバーフローが発生する可能性のある列を示します。
列名 |
互換性ビュー |
SQL Server 2005 ビュー |
---|---|---|
xusertype |
syscolumns |
sys.columns |
usertype |
syscolumns |
sys.columns |
memberuid |
sysmembers |
sys.database_role_members |
groupuid |
sysmembers |
sys.database_role_members |
uid |
sysobjects |
sys.objects |
uid |
sysprotects |
|
grantor |
sysprotects |
|
xusertype |
systypes |
sys.types |
uid |
systypes |
sys.types |
uid |
sysusers |
sys.database_principals |
altuid |
sysusers |
sys.database_principals |
gid |
sysusers |
sys.database_principals |
uid |
syscacheobjects |
sys.dm_exec_plan_attributes |
uid |
sysprocesses |
sys.dm_exec_requests |
ユーザー データベースで参照される際、SQL Server 2000 で非推奨と発表されたシステム テーブル (syslanguages または syscacheobjects など) は、sys スキーマで旧バージョンとの互換性ビューにバインドされています。 SQL Server 2000 システム テーブルは複数のバージョンで非推奨になっているので、この変更は重大な変更とはみなされません。
例 :SQL Server 2008 で、ユーザーがユーザー データベースに syslanguages というユーザー テーブルを作成した場合、そのデータベース内のステートメント SELECT * from dbo.syslanguages; はユーザー テーブルから値を返します。 SQL Server 2012 以降、この操作はシステム ビュー sys.syslanguages からデータを返します。