次の方法で共有


model データベース

model データベースは、SQL Server のインスタンスに作成するすべてのデータベースのテンプレートとして使用されるデータベースです。 tempdb は SQL Server が起動するたびに作成されるので、model データベースが常に SQL Server システムに存在する必要があります。model データベースの内容全体 (データベース オプションを含む) が新しいデータベースにコピーされます。 model の設定の一部は、スタートアップ中に新しい tempdb を作成するためにも使用されます。このため、model データベースは SQL Server システムに常に存在する必要があります。

新しく作成したユーザー データベースでは、model データベースと同じ復旧モデルが使用されます。 既定値はユーザー構成可能です。 model の現在の復旧モデルの確認方法については、「データベースの復旧モデルの表示または変更 (SQL Server)」を参照してください。

重要な注意事項重要

model データベースをユーザー固有のテンプレート情報で変更する場合は、model をバックアップしておくことをお勧めします。 詳細については、「システム データベースのバックアップと復元 (SQL Server)」を参照してください。

model データベースの使用方法

CREATE DATABASE ステートメントが発行されると、model データベースの内容がコピーされて、データベースの最初の部分が作成されます。 その新しいデータベースの残りの部分は空のページで埋められます。

model データベースを変更すると、変更後に作成したすべてのデータベースにその変更が継承されます。 たとえば、権限やデータベース オプションを設定したり、テーブル、関数、ストアド プロシージャなどのオブジェクトを追加できます。

model データベースの物理プロパティ

model データベースのデータ ファイルとログ ファイルの初期構成値を次の表に示します。 これらのファイルのサイズは、SQL Server のエディションによって多少異なる場合があります。

ファイル

論理名

物理名

ファイル拡張

プライマリ データ

modeldev

model.mdf

ディスクがいっぱいになるまで 10% ずつ自動拡張

ログ

modellog

modellog.ldf

最大 2 TB まで 10% ずつ自動拡張

model データベース ファイルまたはログ ファイルを移動する場合は、「システム データベースの移動」を参照してください。

データベース オプション

model データベースの各データベース オプションの既定値とそのオプションを変更できるかどうかを次の表に示します。 これらのオプションの現在の設定を表示するには、sys.databases カタログ ビューを使用します。

データベース オプション

既定値

変更可否

ALLOW_SNAPSHOT_ISOLATION

OFF

ANSI_NULL_DEFAULT

OFF

ANSI_NULLS

OFF

ANSI_PADDING

OFF

ANSI_WARNINGS

OFF

ARITHABORT

OFF

AUTO_CLOSE

OFF

AUTO_CREATE_STATISTICS

ON

AUTO_SHRINK

OFF

AUTO_UPDATE_STATISTICS

ON

AUTO_UPDATE_STATISTICS_ASYNC

OFF

CHANGE_TRACKING

OFF

不可

CONCAT_NULL_YIELDS_NULL

OFF

CURSOR_CLOSE_ON_COMMIT

OFF

CURSOR_DEFAULT

GLOBAL

データベース可用性オプション

ONLINE

MULTI_USER

READ_WRITE

不可

DATE_CORRELATION_OPTIMIZATION

OFF

DB_CHAINING

OFF

不可

ENCRYPTION

OFF

不可

NUMERIC_ROUNDABORT

OFF

PAGE_VERIFY

CHECKSUM

PARAMETERIZATION

SIMPLE

QUOTED_IDENTIFIER

OFF

READ_COMMITTED_SNAPSHOT

OFF

RECOVERY

SQL Server のエディション1によって異なる

RECURSIVE_TRIGGERS

OFF

Service Broker のオプション

DISABLE_BROKER

不可

TRUSTWORTHY

OFF

不可

1 データベースの現在の復旧モデルの確認方法については、「データベースの復旧モデルの表示または変更 (SQL Server)」または「sys.databases (Transact-SQL)」を参照してください。

これらのデータベース オプションの詳細については、「ALTER DATABASE (Transact-SQL)」を参照してください。

制限事項

model データベースでは、次の操作を実行できません。

  • ファイルまたはファイル グループの追加。

  • 照合順序の変更。 既定の照合順序はサーバーの照合順序です。

  • データベース所有者の変更。 modeldbo が所有します。

  • データベースの削除。

  • データベースからの guest ユーザーの削除。

  • 変更データ キャプチャの有効化。

  • データベース ミラーリングへの参加。

  • プライマリ ファイル グループ、プライマリ データ ファイル、またはログ ファイルの削除。

  • データベース名またはプライマリ ファイル グループ名の変更。

  • データベースの OFFLINE への設定。

  • プライマリ ファイル グループの READ_ONLY への設定。

  • WITH ENCRYPTION オプションを使用したプロシージャ、ビュー、またはトリガーの作成。 暗号化キーは、オブジェクトが作成されたデータベースに関連付けられています。 model データベースで作成された暗号化オブジェクトは、model データベースのみで使用できます。

関連コンテンツ

システム データベース

sys.databases (Transact-SQL)

sys.master_files (Transact-SQL)

データベース ファイルの移動