静的行フィルターの定義および変更
このトピックでは、SQL Server 2012 で SQL Server Management Studio または Transact-SQL を使用して、静的行フィルターを定義および変更する方法について説明します。
このトピックの内容
作業を開始する準備:
制限事項と制約事項
推奨事項
静的行フィルターを定義または変更するために使用するもの:
SQL Server Management Studio
Transact-SQL
作業を開始する準備
制限事項と制約事項
パブリケーションに対するサブスクリプションが初期化された後に、静的行フィルターを追加、変更、または削除した場合は、変更を行った後で、新しいスナップショットを生成し、すべてのサブスクリプションを再初期化する必要があります。 プロパティ変更の要件の詳細については、「パブリケーションおよびアーティクルのプロパティの変更」を参照してください。
パブリケーションでピア ツー ピア トランザクション レプリケーションが有効な場合、テーブルはフィルター選択できません。
推奨事項
- フィルターが静的であるため、すべてのサブスクライバーは同じデータのサブセットを受け取ることになります。 マージ パブリケーションに属しているテーブルのアーティクルから行を動的にフィルター選択して、各サブスクライバーが異なるデータ パーティションを受け取るようにする場合は、「マージ アーティクルのパラメーター化された行フィルターの定義および変更」を参照してください。 マージ レプリケーションでは、既存の行フィルターに基づいて、関連する行をフィルター選択することもできます。 詳細については、「マージ アーティクル間の結合フィルターの定義および変更」を参照してください。
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SQL Server Management Studio の使用
パブリケーションの新規作成ウィザードの [テーブル行のフィルター選択] ページまたは [パブリケーションのプロパティ - <Publication>] ダイアログ ボックスの [行のフィルター選択] ページで、静的行フィルターを定義、変更、および削除します。 このウィザードの使用とダイアログ ボックスへのアクセスの詳細については、「パブリケーションの作成」および「パブリケーション プロパティの表示および変更」を参照してください。
静的行フィルターを定義するには
パブリケーションの新規作成ウィザードの [テーブル行のフィルター選択] ページ、または [パブリケーションのプロパティ - <Publication>] ダイアログ ボックスの [行のフィルター選択] ページで行う操作は、パブリケーションの種類によって異なります。
スナップショット パブリケーションまたはトランザクション パブリケーションの場合は、[追加] をクリックします。
マージ パブリケーションの場合は、[追加] をクリックしてから [フィルターの追加] をクリックします。
[フィルターの追加] ダイアログ ボックスで、ドロップダウン リスト ボックスからフィルター選択するテーブルを選択します。
[フィルター ステートメント] テキスト領域で、フィルター ステートメントを作成します。 テキスト領域に直接入力することも、[列] ボックスから列をドラッグ アンド ドロップすることもできます。
注 WHERE 句には、2 つの部分で構成されている名前を使用する必要があります。3 つまたは 4 つの部分で構成されている名前の使用はサポートされていません。 パブリケーションが Oracle パブリッシャーからのものである場合、WHERE 句は Oracle の構文に準拠する必要があります。
[フィルター ステートメント] テキスト領域には、次の形式の既定のテキストが含まれています。
SELECT <published_columns> FROM [schema].[tablename] WHERE
既定のテキストは変更できません。標準の SQL 構文を使用して WHERE キーワードの後にフィルター句を入力してください。 完成したフィルター句は、次のように表示されます。
SELECT <published_columns> FROM [HumanResources].[Employee] WHERE [LoginID] = 'adventure-works\ranjit0'
静的行フィルターには、ユーザー定義関数を含めることができます。 ユーザー定義関数を指定して完成した静的行フィルターのフィルター句は、次のように表示されます。
SELECT <published_columns> FROM [Sales].[SalesOrderHeader] WHERE MyFunction([Freight]) > 100
[OK] をクリックします。
[パブリケーションのプロパティ - <Publication>] ダイアログ ボックスが表示されている場合は、[OK] をクリックして保存し、ダイアログ ボックスを閉じます。
静的行フィルターを変更するには
パブリケーションの新規作成ウィザードの [テーブル行のフィルター選択] ページ、または [パブリケーションのプロパティ - <Publication>] ダイアログ ボックスの [行のフィルター選択] ページで、[フィルター選択されたテーブル] ペイン内のフィルターを選択し、[編集] をクリックします。
[フィルターの編集] ダイアログ ボックスで、フィルターを変更します。
[OK] をクリックします。
静的行フィルターを削除するには
- パブリケーションの新規作成ウィザードの [テーブル行のフィルター選択] ページ、または [パブリケーションのプロパティ - <Publication>] ダイアログ ボックスの [行のフィルター選択] ページで、[フィルター選択されたテーブル] ペイン内のフィルターを選択し、[削除] をクリックします。
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Transact-SQL の使用
テーブルのアーティクルを作成するとき、WHERE 句を定義することで、アーティクルから特定の行をフィルター選択できます。 いったん行フィルターを定義した後で、そのフィルターを変更することもできます。 静的行フィルターは、レプリケーションのストアド プロシージャを使用してプログラムから作成したり変更したりできます。
スナップショット パブリケーションまたはトランザクション パブリケーションの静的行フィルターを定義するには
フィルターを適用するアーティクルを定義します。 詳細については、「アーティクルの定義」を参照してください。
パブリッシャー側のパブリケーション データベースに対して、sp_articlefilter (Transact-SQL) を実行します。 @article、@publication、@filter_name、および、@filter_clause に、それぞれアーティクル名、パブリケーション名、フィルター名、および、フィルター句 (WHERE は含めない) を指定します。
列フィルターも定義する必要がある場合は、「列フィルターの定義および変更」を参照してください。 それ以外の場合は、sp_articleview (Transact-SQL) を実行します。 @publication にパブリケーション名を、@article にフィルター選択の対象アーティクル名を、@filter_clause に手順 2. で指定したフィルター句を指定します。 これにより、フィルターを適用するアーティクルの同期オブジェクトが作成されます。
スナップショット パブリケーションまたはトランザクション パブリケーションの静的行フィルターを変更するには
パブリッシャー側のパブリケーション データベースに対して、sp_articlefilter (Transact-SQL) を実行します。 @article、@publication、@filter_name、および、@filter_clause に、それぞれアーティクル名、パブリケーション名、新しいフィルター名、および、新しいフィルター句 (WHERE は含めない) を指定します。 この変更によって既存のサブスクリプションのデータが無効になるため、@force_reinit_subscription の値に 1 を指定します。
パブリッシャー側のパブリケーション データベースに対して、sp_articleview (Transact-SQL) を実行します。 @publication にパブリケーション名を、@article にフィルター選択の対象アーティクル名を、@filter_clause に手順 1. で指定したフィルター句を指定します。 この結果、フィルター選択の対象アーティクルを定義するビューが再作成されます。
パブリケーションに対してスナップショット エージェント ジョブを再実行し、更新済みスナップショットを生成します。 詳細については、「初期スナップショットの作成および適用」を参照してください。
サブスクリプションを再初期化します。 詳細については、「サブスクリプションの再初期化」を参照してください。
スナップショット パブリケーションまたはトランザクション パブリケーションの静的行フィルターを削除するには
パブリッシャー側のパブリケーション データベースに対して、sp_articlefilter (Transact-SQL) を実行します。 @article にアーティクル名を、@publication にパブリケーション名を、@filter_name に NULL を、@filter_clause に NULL を指定します。 この変更によって既存のサブスクリプションのデータが無効になるため、@force_reinit_subscription に 1 を指定します。
パブリケーションに対してスナップショット エージェント ジョブを再実行し、更新済みスナップショットを生成します。 詳細については、「初期スナップショットの作成および適用」を参照してください。
サブスクリプションを再初期化します。 詳細については、「サブスクリプションの再初期化」を参照してください。
マージ パブリケーションの静的行フィルターを定義するには
パブリッシャー側のパブリケーション データベースに対して、sp_addmergearticle (Transact-SQL) を実行します。 @subset_filterclause にフィルター句 (WHERE は含めない) を指定します。 詳細については、「アーティクルの定義」を参照してください。
列フィルターも定義する必要がある場合は、「列フィルターの定義および変更」を参照してください。
マージ パブリケーションの静的行フィルターを変更するには
パブリッシャー側のパブリケーション データベースに対して、sp_changemergearticle (Transact-SQL) を実行します。 @publication、@article、@property、@value に、それぞれパブリケーション名、フィルター選択の対象アーティクル名、subset_filterclause、新しいフィルター選択句 (WHERE は含めない) を指定します。 この変更によって既存のサブスクリプションのデータが無効になるため、@force_reinit_subscription の値に 1 を指定します。
パブリケーションに対してスナップショット エージェント ジョブを再実行し、更新済みスナップショットを生成します。 詳細については、「初期スナップショットの作成および適用」を参照してください。
サブスクリプションを再初期化します。 詳細については、「サブスクリプションの再初期化」を参照してください。
例 (Transact-SQL)
次のトランザクション レプリケーションの例では、アーティクルを行方向でフィルター選択し、製造停止になった製品をすべて除外します。
DECLARE @publication AS sysname;
DECLARE @table AS sysname;
DECLARE @filterclause AS nvarchar(500);
DECLARE @filtername AS nvarchar(386);
DECLARE @schemaowner AS sysname;
SET @publication = N'AdvWorksProductTran';
SET @table = N'Product';
SET @filterclause = N'[DiscontinuedDate] IS NULL';
SET @filtername = N'filter_out_discontinued';
SET @schemaowner = N'Production';
-- Add a horizontally and vertically filtered article for the Product table.
-- Manually set @schema_option to ensure that the Production schema
-- is generated at the Subscriber (0x8000000).
EXEC sp_addarticle
@publication = @publication,
@article = @table,
@source_object = @table,
@source_owner = @schemaowner,
@schema_option = 0x80030F3,
@vertical_partition = N'true',
@type = N'logbased',
@filter_clause = @filterclause;
-- (Optional) Manually call the stored procedure to create the
-- horizontal filtering stored procedure. Since the type is
-- 'logbased', this stored procedures is executed automatically.
EXEC sp_articlefilter
@publication = @publication,
@article = @table,
@filter_clause = @filterclause,
@filter_name = @filtername;
-- Add all columns to the article.
EXEC sp_articlecolumn
@publication = @publication,
@article = @table;
-- Remove the DaysToManufacture column from the article
EXEC sp_articlecolumn
@publication = @publication,
@article = @table,
@column = N'DaysToManufacture',
@operation = N'drop';
-- (Optional) Manually call the stored procedure to create the
-- vertical filtering view. Since the type is 'logbased',
-- this stored procedures is executed automatically.
EXEC sp_articleview
@publication = @publication,
@article = @table,
@filter_clause = @filterclause;
GO
次のマージ レプリケーションの例では、アーティクルを行方向でフィルター選択して、指定した営業担当者に属する行だけを取得します。 結合フィルターも使用されます。 詳細については、「マージ アーティクル間の結合フィルターの定義および変更」を参照してください。
DECLARE @publication AS sysname;
DECLARE @table1 AS sysname;
DECLARE @table2 AS sysname;
DECLARE @table3 AS sysname;
DECLARE @salesschema AS sysname;
DECLARE @hrschema AS sysname;
DECLARE @filterclause AS nvarchar(1000);
SET @publication = N'AdvWorksSalesOrdersMerge';
SET @table1 = N'Employee';
SET @table2 = N'SalesOrderHeader';
SET @table3 = N'SalesOrderDetail';
SET @salesschema = N'Sales';
SET @hrschema = N'HumanResources';
SET @filterclause = N'Employee.LoginID = HOST_NAME()';
-- Add a filtered article for the Employee table.
EXEC sp_addmergearticle
@publication = @publication,
@article = @table1,
@source_object = @table1,
@type = N'table',
@source_owner = @hrschema,
@schema_option = 0x0004CF1,
@description = N'article for the Employee table',
@subset_filterclause = @filterclause;
-- Add an article for the SalesOrderHeader table that is filtered
-- based on Employee and horizontally filtered.
EXEC sp_addmergearticle
@publication = @publication,
@article = @table2,
@source_object = @table2,
@type = N'table',
@source_owner = @salesschema,
@vertical_partition = N'true',
@schema_option = 0x0034EF1,
@description = N'article for the SalesOrderDetail table';
-- Add an article for the SalesOrderDetail table that is filtered
-- based on SaledOrderHeader.
EXEC sp_addmergearticle
@publication = @publication,
@article = @table3,
@source_object = @table3,
@source_owner = @salesschema,
@description = 'article for the SalesOrderHeader table',
@identityrangemanagementoption = N'auto',
@pub_identity_range = 100000,
@identity_range = 100,
@threshold = 80,
@schema_option = 0x0004EF1;
-- Add all columns to the SalesOrderHeader article.
EXEC sp_mergearticlecolumn
@publication = @publication,
@article = @table2,
@force_invalidate_snapshot = 1,
@force_reinit_subscription = 1;
-- Remove the credit card Approval Code column.
EXEC sp_mergearticlecolumn
@publication = @publication,
@article = @table2,
@column = N'CreditCardApprovalCode',
@operation = N'drop',
@force_invalidate_snapshot = 1,
@force_reinit_subscription = 1;
-- Add a merge join filter between Employee and SalesOrderHeader.
EXEC sp_addmergefilter
@publication = @publication,
@article = @table2,
@filtername = N'SalesOrderHeader_Employee',
@join_articlename = @table1,
@join_filterclause = N'Employee.BusinessEntityID = SalesOrderHeader.SalesPersonID',
@join_unique_key = 1,
@filter_type = 1,
@force_invalidate_snapshot = 1,
@force_reinit_subscription = 1;
-- Add a merge join filter between SalesOrderHeader and SalesOrderDetail.
EXEC sp_addmergefilter
@publication = @publication,
@article = @table3,
@filtername = N'SalesOrderDetail_SalesOrderHeader',
@join_articlename = @table2,
@join_filterclause = N'SalesOrderHeader.SalesOrderID = SalesOrderDetail.SalesOrderID',
@join_unique_key = 1,
@filter_type = 1,
@force_invalidate_snapshot = 1,
@force_reinit_subscription = 1;
GO
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