ValidMeasure (MDX)
指定された組に対応する結果を返す際に、適用できないディメンションを All レベル (集計可能でない場合は既定のメンバー) にすることにより、キューブ内のメジャーの値を返します。
構文
ValidMeasure(Tuple_Expression)
引数
- Tuple_Expression
組を返す有効な多次元式 (MDX) 式です。
説明
ValidMeasure 関数は、組の値を返し、組が返す値を持つメジャーのメジャー グループとの間にリレーションシップが存在しない属性を無視します。 属性にメジャーとの間のリレーションシップが存在しない理由は 2 つ考えられます。
属性のディメンションに、組のメジャーのメジャー グループとの間のリレーションシップが存在しない。
属性のディメンションに、メジャーのメジャー グループとの間のリレーションシップが存在しないが、粒度属性はキー属性でなく、粒度属性には組の属性との間に直接的なリレーションシップが存在しない。
この関数によって指定される動作はサーバー側の既定の動作であり、メジャー グループ オブジェクトの IgnoreUnrelatedDimensions プロパティによって制御されます。
指定された組の各属性に粒度が指定されている場合 (つまり、組のメンバーが All メンバーでない場合)、各属性の現在の座標は次のように移動されます。
指定属性メンバーに関連していた属性は、現在のメンバーと共存するメンバーに移動されます。
指定された属性メンバーに関連する属性は、All メンバー (階層が集計可能でない場合は既定のメンバー) に移動されます。
関連しない属性は、(メジャーに基づいて) All メンバーに移動されます。
例
次のクエリは、ValidMeasure 関数を使用して IgnoreUnrelatedDimensions プロパティの動作をオーバーライドする方法を示します。 Adventure Works キューブの Sales Targets メジャー グループでは、IgnoreUnrelatedDimensions が False に設定されます。これは、Date ディメンションが Calendar Quarter 粒度でこのメジャー グループに結合するためです。つまり、MDX スクリプトで下位の Month レベルまで値を割り当てる計算を行っても、Sales Quota メジャーにより既定で Calendar Quarter の下に NULL が返されます。 計算されるメジャーで ValidMeasure 関数を使用すると、Sales Quota メジャーは IgnoreUnrelatedDimensions が True に設定されている場合と同じように動作し、Sales Quota が現在の Calendar Quarter の値を表示するように強制できます。
WITH MEMBER MEASURES.VTEST AS VALIDMEASURE([Measures].[Sales Amount Quota])
SELECT {[Measures].[Sales Amount Quota], MEASURES.VTEST} ON 0,
[Date].[Calendar].MEMBERS ON 1
FROM [Adventure Works]
同様に、Sales Targets メジャー グループには Promotion ディメンションとの間にリレーションシップがないため、Promotion のすべての階層の All Member の下に NULL が返されます。 さらに、この動作も ValidMeasure を使用して変更できます。
WITH MEMBER MEASURES.VTEST AS VALIDMEASURE([Measures].[Sales Amount Quota])
SELECT {[Measures].[Sales Amount Quota], MEASURES.VTEST} ON 0,
[Promotion].[Promotions].members ON 1
FROM [Adventure Works]