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ブックのアップグレードと定期データ更新 (SQL Server 2012 SP1)

このトピックでは、以前の PowerPivot 環境で作成されたブックのユーザー エクスペリエンスについて、およびこのリリースで導入された新機能を利用できるよう、PowerPivot ブックをアップグレードする方法について説明します。 新機能の詳細については、「PowerPivot の新機能」を参照してください。

注記注意

サーバーで自動的にアップグレードされるブックのアップグレードをロールバックすることはできません。 ブックのアップグレードが完了すると、アップグレードされた状態のままになります。 以前のバージョンを使用するには、以前のブックを SharePoint に再パブリッシュするか、以前のバージョンを復元するか、ブックを再利用します。 SharePoint でのドキュメントの復元または再利用の詳細については、「ごみ箱とバージョン管理を使用したコンテンツ保護を計画する」を参照してください。

このトピックの内容は次のとおりです。

  • ブックのアップグレードの概要

  • SQL Server 2008 R2 ブックから SQL Server 2012 SP1 ブックへのアップグレード

  • SQL Server 2012 ブックから SQL Server 2012 SP1 ブックへのアップグレード

  • SQL Server 2008 R2 ブックから SQL Server 2012 ブックへのアップグレード

  • 新しいサーバーでの複数バージョンのブックの実行

ブックのアップグレードの概要

PowerPivot ブックは、PowerPivot データが埋め込まれた Excel ブックです。 ブックのアップグレードには、次の 2 つの利点があります。

  • PowerPivot for Excel の新機能を使用できます。

  • SharePoint モードの SQL Server 2012 SP1 Analysis Services サーバーで実行されるブックの定期データ更新を有効にできます。

重要な注意事項重要

アップグレードしたブックはロールバックできないため、以前のバージョンの PowerPivot for Excel や PowerPivot for SharePoint でそのブックを使用することがある場合は、必ずコピーを作成しておいてください。

次の表に、ブックが作成された環境に基づく PowerPivot ブックのサポートおよび動作を示します。 この表では、一般的なユーザー エクスペリエンス、特定の環境にブックをアップグレードするときにサポートされるアップグレード オプション、およびアップグレードしていないブックの定期データ更新の動作について説明しています。

ブックの動作とアップグレード オプション

作成

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サポートおよび動作

  >

SQL Server 2008 R2 の PowerPivot for SharePoint 2010

SQL Server 2012 の PowerPivot for SharePoint 2010

SQL Server 2012 SP1 の PowerPivot for SharePoint 2013

2008 R2 PowerPivot for Excel 2010

すべての機能

  • エクスペリエンス: ユーザーはブラウザーでブックを操作し、他のソリューションのデータ ソースとして使用できます。

  • アップグレード: SharePoint ファームの PowerPivot System サービスで自動アップグレードが有効になっている場合、ドキュメント ライブラリのブックが自動アップグレードされます。

  • 定期データ更新: サポートされていません。 ブックをアップグレードする必要があります。

  • エクスペリエンス: ユーザーはブックを操作し、他のソリューションのデータ ソースとして使用できます。

  • アップグレード: 自動アップグレードは使用できません。 SQL Server 2008 R2 ブックを、2012 バージョンまたは Office 2013 バージョンに手動でアップグレードする必要があります。

  • 定期データ更新: サポートされていません。 ブックをアップグレードする必要があります。

2012 PowerPivot for Excel

サポートされていません

すべての機能

  • エクスペリエンス: ユーザーはブラウザーでブックを操作し、他のソリューションのデータ ソースとして使用できます。 定期データ更新を使用できます。

  • アップグレード: 自動アップグレードはサポートされていません。 手動でブックを Office 2013 バージョンにアップグレードできます。

  • 定期データ更新: サポートされています。

Excel 2013

サポートされていません

サポートされていません

すべての機能

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SQL Server 2008 R2 ブックから SQL Server 2012 Service Pack 1 (SP1) ブックへのアップグレード

ここでは、SQL Server 2008 R2 の PowerPivot for Excel 2010 ブックから、SQL Server 2012 SP1 の PowerPivot for Excel 2013 ブックへアップグレードする方法について説明します。

動作変更: SQL Server 2008 R2 の PowerPivot ブックを SQL Server 2012 SP1 の PowerPivot for SharePoint 2013 で使用するときに、ブックは自動的にはアップグレードされません。 そのため、SQL Server 2008 R2 の PowerPivot ブックの定期データ更新は機能しません。

2008 R2 ブックは、PowerPivot for SharePoint 2013 で開きますが、定期データ更新は機能しません。 更新履歴を確認すると、次のようなエラー メッセージが表示されます。

「ブックに、サポートされていない PowerPivot モデルが含まれています。 ブックの PowerPivot モデルは、SQL Server 2008 R2 PowerPivot for Excel 2010 形式です。 サポートされている PowerPivot モデルは、

  • SQL Server 2012 PowerPivot for Excel 2010

  • または SQL Server 2012 PowerPivot for Excel 2013 です。」

ブックをアップグレードする方法: 定期データ更新は、ブックを 2012 ブックにアップグレードするまで機能しません。 ブックとブックに含まれるモデルをアップグレードするには、次のいずれかの手順を実行します。

  • SQL Server 2012 PowerPivot for Excel アドインがインストールされた Microsoft Excel 2010 でブックをダウンロードして開きます。

    PowerPivot ウィンドウを開き、PowerPivot モデルをアップグレードします。

    ブックを保存して、SharePoint に再発行します。

  • Microsoft Excel 2013 でブックをダウンロードして開きます。

    PowerPivot ウィンドウを開き、PowerPivot モデルをアップグレードします。

    ブックを保存して、SharePoint サーバーに再発行します。

Analysis Services の機能の変更点に関する詳細については、「SQL Server 2012 における Analysis Services 機能の動作の変更」を参照してください。

更新履歴に関する詳細については、「データ更新履歴の表示 (PowerPivot for SharePoint)」を参照してください。

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SQL Server 2012 の PowerPivot for Excel アドインで作成したブックから Office 2013 ブックへのアップグレード

ここでは、SQL Server 2012 の PowerPivot for Excel 2010 ブックから SQL Server 2012 SP1 PowerPivot for Excel 2013 ブックへアップグレードする方法について説明します。

ブックをアップグレードすると、以前のバージョンのブックで定期データ更新を試みると発生する、次のエラーが解決されます。

「前のバージョンの PowerPivot で作成されたブックに対する更新操作は使用できません。」

ブックをアップグレードする方法

  1. 各ブックを Microsoft Excel 2013 で開き、手動でアップグレードします。

  2. ブックとそれに含まれるモデルをアップグレードするには、Microsoft Excel 2013 でブックをダウンロードして開きます。

  3. PowerPivot ウィンドウを開き、PowerPivot モデルをアップグレードします。

  4. ブックを保存して、SharePoint 2013 サーバーに再発行します。

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SQL Server 2008 R2 の PowerPivot for Excel アドインで作成したブックから SQL Server 2012 ブックへのアップグレード

ここでは、SQL Server 2008 R2 の PowerPivot for Excel 2010 ブックから、SQL Server 2012 PowerPivot for Excel 2010 ブックへアップグレードする方法について説明します。

ブックをアップグレードすると、以前のバージョンのブックで定期データ更新を試みると発生する、次のエラーが解決されます。

「前のバージョンの PowerPivot で作成されたブックに対する更新操作は使用できません。」

ブックをアップグレードする方法

アップグレードには 2 つの方法があります。

  1. SQL Server 2012 バージョンの PowerPivot for Excel がインストールされているコンピューターの Excel でブックを開いて各ブックを手動でアップグレードし、サーバーにブックを再発行します。 新しいバージョンのアドインでブックを開くと、内部でいくつかの処理が行われます。具体的には、ブックのデータ接続文字列でデータ プロバイダーが MSOLAP.5 に更新され、メタデータが更新され、新しい実装に対応するためにリレーションシップが再作成されます。

  2. もう 1 つの方法では、SharePoint 管理者が SharePoint ファームの PowerPivot System サービスの自動アップグレード機能を有効にして、定期データ更新が実行されると SQL Server 2008 R2 PowerPivot ブックが自動的にアップグレードされるようにできます (定期データ更新用に構成されているブックのみがアップグレードされます)。

    注意

    自動アップグレードは、サーバー構成機能です。特定のブック、ライブラリ、またはサイト コレクションについては有効または無効にできません。

データ更新中に自動アップグレードを構成する方法

自動アップグレードを使用するには、PowerPivot 構成ツールで [PowerPivot ブックを自動的にアップグレードして、サーバーからのデータ更新を有効にする] チェック ボックスをオンにする必要があります。 ツールでこのチェック ボックスがあるのは、[PowerPivot System サービスのアップグレード] ページおよび新しいインストールを構成している場合の [PowerPivot サービス アプリケーションの作成] ページです。

次のコマンドレットを実行して、自動アップグレードが有効かどうかを確認できます。

PS C:\Windows\system32> Get-PowerPivotSystemService

Get-PowerPivotSystemService からの出力は、プロパティとそれに対応する値のリストです。 プロパティ リストの WorkbookUpgradeOnDataRefresh を確認してください。 自動アップグレードが有効になっている場合、値は true に設定されます。 false の場合は、次の手順を続行し、ブックの自動アップグレードを有効にします。

ブックの自動アップグレードを有効にするには、次のコマンドを実行します。

PS C:\Windows\system32> Set-PowerPivotSystemService –WorkbookUpgradeOnDataRefresh:$true –Confirm:$false

アップグレードした後のブックは、定期データ更新および PowerPivot for Excel アドインの新機能を使用できます。

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新しいサーバーでの複数バージョンのブックの実行

PowerPivot for SharePoint の SQL Server 2012 SP1 インスタンスでは、古いバージョンと新しいバージョンの PowerPivot ブックを同時に実行できます。

サーバーをインストールした方法によっては、1 つのサーバー上で古いブックと新しいブックにアクセスする前に、以前のバージョンの Analysis Services OLE DB プロバイダーのインストールが必要になる場合があります。

以前の PowerPivot for SharePoint SQL Server インスタンスでの新しいバージョンのブックの発行はできません。 SQL Server 2008 R2 のインスタンスでは、PowerPivot for Excel の SQL Server 2012 バージョンで作成したブックは読み込まれません。SQL Server 2012 のインスタンスでは、Excel で PowerPivot の SQL Server 2012 SP1 バージョンを使用して作成した高度なデータ モデルが含まれる Office 2013 ブックは読み込まれません。

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PowerPivot ブックで MSOLAP データ プロバイダーの情報を確認する方法

PowerPivot ブックで使用される OLE DB プロバイダーを確認するには、次の手順に従います。 データの接続情報を確認するために PowerPivot for Excel アドインをインストールする必要はありません。

  1. Excel で、[データ] タブの [接続] をクリックします。 [プロパティ] をクリックします。

  2. [定義] タブの接続文字列の先頭にプロバイダーのバージョンが表示されます。

    Provider=MSOLAP.5 は、ブックが SQL Server 2012 であることを示しています。

    Provider=MSOLAP.4 は SQL Server 2008 R2 を示しています。

    Data Source=$Embedded$ は、ブックが埋め込みデータベースを使用する PowerPivot ブックであることを示しています。

ローカル コンピューターに MSOLAP データ プロバイダーの最新バージョンがインストールされていることを確認する方法

PowerPivot ブックを実行するサーバーまたはワークステーションで最新バージョンの OLE DB プロバイダーを確認するには、次の手順に従います。 最新バージョンを確認しておくと、アップグレード後のデータ接続エラーのトラブルシューティングに役立ちます。

  1. レジストリ エディターで、HKEY_CLASSES_ROOT に移動します。

  2. MSOLAP まで下方向へスクロールします。 システムにインストールされている OLAP プロバイダーの中に MSOLAP.5 が含まれていることを確認します。 MSOLAP | CurVer が MSOLAP.5 に設定されていることを確認してください。

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関連項目

タスク

データ更新履歴の表示 (PowerPivot for SharePoint)

概念

SharePoint 2013 への PowerPivot の移行

PowerPivot for SharePoint のアップグレード

新機能 (Analysis Services)

PowerPivot for Excel のアップグレード