PowerPivot の階層
階層とは、子レベルとして作成され、階層内に任意の順序で配置される列のコレクションの表示可能な一覧です。 階層はレポート クライアント ツールで他の列とは分けて表示できるため、クライアントのユーザーはデータの共通パスを簡単に選択し、移動することができます。
テーブルには複雑な列名を持つ数十または数百の列が含まれる場合があります。 このため、クライアントのユーザーがレポート内のデータの検索や追加を行うことが困難な場合があります。 クライアントのユーザーは、(複数の列から成る) 階層全体を 1 回クリックするだけでレポートに追加できます。 また、階層ではデータ構造を単純で直感的な形式で表示できます。 たとえば、日付テーブルにカレンダー階層を作成できます。 カレンダーの年が最上位の親レベルとして使用され、子レベルとして月、週、日が含まれます (カレンダーの年 -> 月 -> 週 -> 日)。 この階層により、カレンダーの年から日までの論理関係が示されます。
パースペクティブに階層を含めることができます。 パースペクティブを使用すると、ビジネス固有またはアプリケーション固有のビューポイントをモデルに対して的を絞って作成するための、表示可能なサブセットを定義できます。 たとえば、パースペクティブによって、ユーザー固有のレポート要件に必要なデータ アイテムのみが含まれる階層を作成できます。 詳細については、「PowerPivot のパースペクティブ」を参照してください。
ダイアグラム ビューで階層を作成、編集、および削除できます。 ダイアグラム ビューの詳細については、「PowerPivot ウィンドウ: ダイアグラム ビュー」を参照してください。 階層は PowerPivot および Excel フィールド リストでも表示できます (SQL Server データ ツール (SSDT) を使用している場合は、[モデル] メニューの [Excel で分析] をクリックします)。このトピックのセクションは次のとおりです。
階層の作成
階層の編集
階層の削除
フィールドの一覧内の階層
階層の作成
階層を作成するには、列やテーブルのショートカット メニューを使用するか、またはダイアグラム ビューのテーブル ヘッダーにある [階層の作成] ボタンを使用できます。 階層を作成する際は、選択した列を子レベルに持つ新しい親レベルが表示されます。 階層を作成する際は、モデル内に新しいオブジェクトを作成します。 列を階層内に移動するのではなく、追加のオブジェクトを作成します。 1 つの列を複数の階層に追加できます。
注 |
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非表示の列 (クライアント ツールで非表示の列) から階層を作成できます。 |
階層内に子レベルとして作成する必要のある列がわかっている場合は、ショートカット メニューの [階層の作成] を使用すると、それらの列を複数選択して、複数の子レベルを持つ階層をすばやく作成できます。
ショートカット メニューから階層を作成するには
ダイアグラム ビューで、テーブル内の 1 つ以上の列を選択します。
ショートカット メニューを開くには、選択した列のうちの 1 つを右クリックします。 1 つの列から階層を作成する場合は、最初に列を選択せずに列を右クリックできます。
[階層の作成] をクリックします。 テーブルの下部に親階層レベルが作成され、選択した列が階層の下に子レベルとしてコピーされます。
新しい階層の名前を入力します。
階層の親レベルに他の列をドラッグできます。これにより、列から子レベルが作成され、階層の下に配置されます。
または、階層リストの特定の場所に列を配置する必要がある場合は、階層内の必要な場所に列をドラッグして子レベルを作成および配置できます。
複数選択によって階層を作成した場合、子レベルの順序は最初、列の基数に基づいて自動的に編成されます。 一覧の先頭には、ID 番号や名前など、最も固有かつ一意な値を持つ最も基数の高い列が配置されます。状態、ブール値、一般的な分類など、より一般的な値を持つ最も基数の低い列は最後に配置されます。 ただし、列を追加すると、子レベルは一覧の最後に配置されます。 列をドラッグして順序を変更できます。 子レベルの順序を変更するその他の方法については、下の「階層の編集」を参照してください。
注 |
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階層は単一のテーブルの列のみを基にして作成することができます。 1 つ以上の列と共に他のオブジェクトの種類 (メジャーや KPI など) を複数選択した場合や複数のテーブルの列を選択した場合、ショートカット メニューの [階層の作成] は使用できません。 異なるテーブルの列を追加するには、RELATED DAX 関数を使用して、関連するテーブル内の列を参照する計算列を追加します。 詳細については、「RELATED 関数」を参照してください。 関数は次の構文を使用します。 =RELATED(TableName[ColumnName]) |
階層内に子レベルとして作成する列が 1 つしかない場合や階層に追加する子レベルがわからない場合は、テーブル ヘッダーを使用して階層の親レベルを作成できます。 その後、子レベルとして列をドラッグして、階層内の適切な場所にそれらの列を追加できます。
テーブル ヘッダーのボタンから階層を作成するには
テーブル ヘッダーの [階層の作成] をクリックします。 テーブルの下部に空の階層の親レベルが表示されます。
階層の親レベルの下に子レベルとして列を作成するには、階層に列をドラッグします。
注 |
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(テーブル ヘッダーのボタンまたはテーブルのショートカット メニューから) [階層の作成] 機能を使用すると、常に空の階層が作成されます。 選択されていたすべての列は無視されます。 テーブル内で 1 つ以上の列が選択されていた場合、それらの列は階層の下に追加されません。 階層に列をドラッグする必要があります。 複数の列を選択して階層に配置する場合は、代わりに列を複数選択してからショートカット メニューのコマンドを使用してください。 |
階層の編集
階層名の変更、子レベルの名前の変更、子レベルの順序の変更、子レベルとしての列の追加、階層内の子レベルの削除、子レベルの基になる名前 (列名) の表示、階層の親レベルと同名の子レベルの非表示を行うことができます。
階層または子レベルの名前を変更するには
階層の親レベルまたは子レベルを右クリックし、[名前の変更] をクリックします。
新しい名前を入力するか、既存の名前を編集します。
または、親階層をダブルクリックし、名前を編集します。
階層内の子レベルの順序を変更するには
子レベルを階層内の新しい場所にドラッグします。
または、階層内の子レベルを右クリックし、[上へ移動] をクリックして一覧内を上へ移動するか、[下へ移動] をクリックして下へ移動します。
注 |
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列は単一の階層に一度だけ追加できます。 階層に列を追加したら、同じ階層に再び追加することはできません。 この結果、階層に列をドラッグすることはできなくなり、特定の列の [階層に追加] ショートカット メニューでは既に列を追加した階層が参照されなくなります。 列を追加できる他の階層がない場合、[階層に追加] オプションはメニューに表示されません。 |
階層に他の子レベルを追加するには
階層の親レベルに列をドラッグします。 階層リストの下部で列が子レベルとしてコピーされます。
または、階層内の特定の場所に列をドラッグします。 階層の子レベルとして列がコピーされます。
または、1 つの列または複数選択した列を右クリックし、ショートカット メニューの [階層に追加] をポイントし、特定の階層をクリックします。 列から子レベルが作成され、階層リストの下部に追加されます。
注 |
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非表示の列 (クライアント ツールで非表示の列) を子レベルとして階層に追加できます。 子レベルは非表示になりません。 |
階層から子レベルを削除するには
子レベルを右クリックし、[階層から削除] をクリックします。
または、階層内の子レベルをクリックし、Del キーを押します。 子レベルを戻す場合は、列を再度追加する必要があります。
注 |
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階層の子レベルの名前を変更すると、作成元の列とは同じ名前を共有しなくなります。 既定では、基になる列の名前が子レベルの右側に表示されます。 基になる列の名前を非表示にする場合、作成元の列を表示するには [基になる列の名前の表示] を使用します。 |
基になる名前を非表示または表示するには
階層の子レベルを右クリックし、[基になる列の名前の非表示] または [基になる列の名前の表示] をクリックして 2 つのオプションを切り替えます。
[基になる列の名前の表示] をクリックすると、コピー元の列の名前が子レベルの右側に表示されます。
階層の削除
階層と子レベルを削除するには
親階層レベルを右クリックし、[削除] をクリックします。
または、親階層レベルをクリックし、Del キーを押します。 これにより、すべての子レベルも削除されます。
フィールドの一覧内の階層
階層はフィールドの一覧内でフォルダーとして表示されます。 フォルダーを開いて子レベルを表示できます。 階層レベルを編集するには、ダイアグラム ビューに戻ります。