master データベース
master データベースには、SQL Server システムのシステム レベルの情報がすべて記録されます。記録される情報には、ログオン アカウント、エンドポイント、リンク サーバー、システム構成設定など、インスタンス全体のメタデータが含まれます。また、master は、他のすべてのデータベースの存在、それらのデータベース ファイルの場所、および SQL Server の初期化情報を記録するデータベースでもあります。したがって、master データベースが使用できないと、SQL Server を開始できません。SQL Server では、システム オブジェクトが master データベースではなく、Resource データベースに格納されるようになりました。
master データベースの物理プロパティ
次の表は、master のデータ ファイルとログ ファイルの初期構成値の一覧です。これらのファイルのサイズは、SQL Server のエディションによって多少異なる場合があります。
ファイル |
論理名 |
物理名 |
ファイル拡張 |
---|---|---|---|
プライマリ データ |
master |
master.mdf |
ディスクがいっぱいになるまで 10% ずつ自動拡張 |
ログ |
mastlog |
mastlog.ldf |
最大 2 TB まで 10% ずつ自動拡張 |
master のデータ ファイルとログ ファイルの移動方法の詳細については、「システム データベースの移動」を参照してください。Resource データベースは、master データベースの場所に依存します。master データベースを移動する場合は、Resource データベースも同じ場所に移動する必要があります。
データベース オプション
master データベースの各データベース オプションの既定値とそのオプションを変更できるかどうかを次の表に示します。これらのオプションの現在の設定を表示するには、sys.databases カタログ ビューを使用します。
データベース オプション |
既定値 |
変更可否 |
---|---|---|
ALLOW_SNAPSHOT_ISOLATION |
ON |
不可 |
ANSI_NULL_DEFAULT |
OFF |
可 |
ANSI_NULLS |
OFF |
可 |
ANSI_PADDING |
OFF |
可 |
ANSI_WARNINGS |
OFF |
可 |
ARITHABORT |
OFF |
可 |
AUTO_CLOSE |
OFF |
不可 |
AUTO_CREATE_STATISTICS |
ON |
可 |
AUTO_SHRINK |
OFF |
不可 |
AUTO_UPDATE_STATISTICS |
ON |
可 |
AUTO_UPDATE_STATISTICS_ASYNC |
OFF |
可 |
CHANGE_TRACKING |
OFF |
不可 |
CONCAT_NULL_YIELDS_NULL |
OFF |
可 |
CURSOR_CLOSE_ON_COMMIT |
OFF |
可 |
CURSOR_DEFAULT |
GLOBAL |
可 |
データベースの可用性オプション |
ONLINE MULTI_USER READ_WRITE |
不可 不可 不可 |
DATE_CORRELATION_OPTIMIZATION |
OFF |
可 |
DB_CHAINING |
ON |
不可 |
ENCRYPTION |
OFF |
不可 |
NUMERIC_ROUNDABORT |
OFF |
可 |
PAGE_VERIFY |
CHECKSUM |
可 |
PARAMETERIZATION |
SIMPLE |
可 |
QUOTED_IDENTIFIER |
OFF |
可 |
READ_COMMITTED_SNAPSHOT |
OFF |
不可 |
RECOVERY |
SIMPLE |
可 |
RECURSIVE_TRIGGERS |
OFF |
可 |
Service Broker のオプション |
DISABLE_BROKER |
不可 |
TRUSTWORTHY |
OFF |
可 |
これらのデータベース オプションの詳細については、「ALTER DATABASE (Transact-SQL)」を参照してください。
制限事項
master データベースでは、次の操作は実行できません。
ファイルまたはファイル グループの追加。
照合順序の変更。既定の照合順序はサーバーの照合順序です。
データベース所有者の変更。master の所有者は dbo です。
フルテキスト カタログまたはフルテキスト インデックスの作成。
データベース内のシステム テーブルのトリガの作成。
データベースの削除。
データベースからの guest ユーザーの削除。
変更データ キャプチャの有効化。
データベース ミラーリングへの参加。
プライマリ ファイル グループ、プライマリ データ ファイル、またはログ ファイルの削除。
データベース名またはプライマリ ファイル グループ名の変更。
データベースの OFFLINE への設定。
データベースまたはプライマリ ファイル グループの READ_ONLY への設定。
推奨事項
master データベースで作業を行っているときは、次の推奨設定を考慮してください。
master データベースの現在のバックアップを、常に使用可能にする。
次の操作後には、できるだけ早く master データベースのバックアップを作成する。
データベースの作成、変更、または削除
サーバーまたはデータベースの構成値の変更
ログオン アカウントの変更または追加
master にはユーザー オブジェクトを作成しない。ユーザー オブジェクトを作成すると、master をより頻繁にバックアップする必要があります。
master データベースでは TRUSTWORTHY オプションを ON に設定しないでください。