[アーティクル]
09/28/2010

データベースの選択

MicrosoftSQL Server のインスタンスのオブジェクトは、大部分がデータベースに保存されます。データベースオブジェクトへの参照はすべて、そのオブジェクトが保存されている特定のデータベースに明示的または暗黙的に解決される必要があります。

データベース参照

Transact-SQL ステートメントで、データが格納されているデータベースを指定した場合は明示的なデータベース参照が発生します。次の例では、AdventureWorks データベースを明示的に指定しています。

SELECT EmployeeID, LoginID, ManagerID
FROM AdventureWorks.HumanResources.Employee

Transact-SQL ステートメントで、データベースを指定しない場合は暗黙的なデータベース参照が発生します。次に例を示します。

SELECT EmployeeID, LoginID, ManagerID
FROM HumanResources.Employee

暗黙的なデータベース参照を解決するために、SQL Server では現在のデータベースという概念を使用します。SQL Server のインスタンスに接続しているときは、常にいずれかのデータベースが現在のデータベースとして設定されています。データベース名が指定されていないオブジェクト参照はすべて、現在のデータベースを参照していると想定されます。たとえば、現在のデータベースとして AdventureWorks が設定されている接続の場合、Product という名前のオブジェクトを参照するステートメントは、AdventureWorks の Product テーブルに解決されます。

既定のデータベース

SQL Server のすべてのログインには既定のデータベースがあります。sysadmin 固定サーバーロールのメンバは、ログインを定義するときにそのログインの既定のデータベースを指定できます。既定のデータベースを指定しなかった場合、そのログインの既定のデータベースは master データベースになります。既定のデータベースは、後で sp_defaultdb ストアドプロシージャを使用して変更できます。

初めて SQL Server のインスタンスに接続するときは、ログインの既定のデータベースが現在のデータベースになるのが一般的です。ただし、接続要求時に特定のデータベースを現在のデータベースとして指定できます。特定のデータベースを指定すると、ログインに指定されている既定のデータベースより優先されます。接続要求時にデータベースを指定するには、次の操作を実行します。

sqlcmd ユーティリティでは、データベース名を指定するときに /d スイッチを付けます。
ADO では、ADO 接続オブジェクトの Initial Catalog プロパティでデータベース名を指定します。
SQL Server Native Client OLE DB プロバイダでは、DBPROP_INIT_CATALOG プロパティでデータベース名を指定します。
SQL Server Native Client ODBC ドライバでは、Microsoft SQL Server DSN 構成ウィザードの [データベース] ボックスを使用するか、または SQLConfigDataSource への呼び出しで DATABASE = parameter を指定して、ODBC データソースのデータベース名を設定できます。"DATABASE=" は、SQLDriverConnect または SQLBrowseConnect の呼び出し時に指定することもできます。