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表示拡張機能の概要

表示拡張機能は、レポート サーバーのコンポーネントまたはモジュールであり、レポートのデータとレイアウト情報をデバイス固有の形式に変換する機能です。SQL ServerReporting Services には、7 種類の表示拡張機能 (HTML、Excel、Word、CSV (Text)、XML、Image、PDF) があります。追加の表示拡張機能を作成して、他の形式でレポートを生成できます。

注意注意

どの表示拡張機能を利用できるかは、RSReportServer.config ファイルのインストール済み拡張機能の一覧で確認できます。

次の表は、Reporting Services が備えている表示拡張機能の説明です。

Extension Name

説明

XML

XML 形式でレポートを表示します。レポートは、任意のブラウザで開きます。この XML 出力にさらに手を加えれば、新しい表示拡張機能を開発しなくても、必要な表示拡張機能を効率的に追加することができます。

CSV

コンマ区切り形式でレポートを表示します。レポートは、CSV ファイル形式に関連付けられている表示ツールで開きます。

IMAGE

ページ指向形式でレポートを表示します。この形式は、[レポート] ツール バーの [エクスポート] ボックスに [TIFF] と表示されます。

PDF

Adobe Acrobat Reader 形式でレポートを表示します。この形式は、[レポート] ツール バーの [エクスポート] ボックスに [Acrobat (PDF) ファイル] と表示されます。

EXCEL

Microsoft Excel 形式でレポートを表示します。

WORD

Microsoft Word 形式でレポートを表示します。

HTML 4.0 (HTML 表示拡張機能の一部)

HTML は、初期状態でレポートを表示するのに使用される形式です。ブラウザが HTML4.0 をサポートしている場合は、HTML4.0 形式が使用されます。それ以外の場合は、HTML 3.2 が使用されます。

MHTML (HTML 表示拡張機能の一部)

MHTML 形式でレポートを表示します。レポートは Internet Explorer で開きます。この形式は、[レポート] ツール バーの [エクスポート] ボックスに [Web アーカイブ] として表示されます。

NULL

レポートを特定の形式で表示しません。この表示拡張機能はレポートをキャッシュするのに有用です。Null 表示形式は、スケジュールされた実行または配信と連動して使用する必要があります。

推奨形式とその使い方の詳細については、「レポートのエクスポート」を参照してください。

Microsoft によって Reporting Services に実装された表示拡張機能は、すべて共通のインターフェイスを使用します。これにより、すべての拡張機能で同じレベルの機能性が実装され、レポート サーバーのコア部分での表示処理用コードがより単純になります。

表示オブジェクト モデル

レポートが処理されると、その処理結果は、表示オブジェクト モデル (ROM) として知られる、公開オブジェクト モデルになります。この表示オブジェクト モデルは、処理されたレポートの内容、レイアウト、およびデータを定義するクラスのコレクションです。開発者は、ROM を使用して、Reporting Services のカスタム表示拡張機能を設計、開発、展開できます。ROM は、レポートの XML 定義とユーザーにより定義されたレポート データが、レポート サーバーにより処理される際に作成されます。処理が完了すると、表示拡張機能によりこの公開オブジェクト モデルが使用され、レポートの出力が定義されます。ROM の利用可能なパブリック クラスは Microsoft.ReportingServices.ReportRendering 名前空間で定義されています。

カスタム表示拡張機能の記述

カスタム表示拡張機能の作成を決める前に、より簡単な代替手段を評価する必要があります。可能な代替手段としては以下の方法があります。

  • 既存の拡張機能のデバイス情報の設定を詳細に指定して、表示される出力をカスタマイズする。

  • XML 表現形式の出力に XSL 変換 (XSLT) を組み合わせることで、カスタムの形式と表現機能を追加する。

カスタム表示拡張機能の記述は難しい作業です。表示拡張機能は、一般的には、レポートの要素のあらゆる組み合わせをサポートする必要があり、多くのクラス、インターフェイス、メソッド、およびプロパティを実装しなければなりません。Reporting Services によりサポートされていない形式でレポートを表示する必要があり、独自に表示拡張機能のコードを記述して実装する場合、開発する表示拡張機能のコードは Microsoft.ReportingServices.ReportRendering.IRenderingExtension インターフェイスを実装する必要があります。このインターフェイスはレポート サーバーにより必要とされます。

Reporting Services に関する補足資料とホワイト ペーパーについては、Reporting Services Web サイトの最新の技術文書を参照してください。