レプリケーション モニタのインターフェイスの概要
Microsoft SQL Server レプリケーション モニタでは、レプリケーションのすべての利用状況について、パブリッシャ関連の情報が 2 つのペインで表示されます。左ペインにパブリッシャを追加すると、パブリッシャとそのパブリケーション、パブリケーションのサブスクリプション、およびさまざまなレプリケーション エージェントに関する情報が右ペインに表示されます。レプリケーション モニタでは、レプリケーション トポロジに関する情報の表示に加えて、エージェントの開始や停止、データの検証などさまざまなタスクを実行できます。
トポロジ全体の情報を表示
レプリケーション モニタの左ペインには、パブリッシャ グループ、パブリッシャ、およびパブリケーションが表示されます。レプリケーション モニタで情報を表示するには、最初にパブリッシャを追加する必要があります。詳細については、「レプリケーション モニタのパブリッシャを追加および削除する方法 (レプリケーション モニタ)」を参照してください。
左ペインに表示される情報は、以下に示す疑問点の解決に役立ちます。
レプリケーション システムは正常に動作していますか。
左ペインのノードにエラー アイコンが表示されていない場合、レプリケーション システムは比較的正常に動作しています。システムの状態に関するより詳細な情報を得るには、[サブスクリプション ウォッチ リスト] タブについても確認する必要があります。このタブには、注意を要するサブスクリプションについての情報が表示されます。
なぜエージェントが実行されないのですか。
特定の時間にエージェントが実行されないのは、実行がスケジュールされていないためか、またはエラーが発生したためです。エラーが発生した場合、左ペインの該当ノードにエラー アイコンが表示されます。たとえば、パブリケーションのスナップショット エージェントがエラーのために停止したとすると、パブリッシャ グループ、パブリッシャ、およびパブリケーション ノードにエラー アイコンが表示されます。パブリケーションの [エージェント] タブには、スナップショット エージェントの概要情報が表示されます。このタブのスナップショット エージェントをダブルクリックすると、エラー情報の詳細が表示されます。
情報の表示とパブリッシャ関連のタスクの実行
レプリケーション モニタでは、以下の 3 つのタブにパブリッシャに関する情報が表示されます。
[パブリケーション] タブ
このタブには、パブリッシャのすべてのパブリケーションに関する概要情報が表示されます。
[サブスクリプション ウォッチ リスト] タブ
このタブには、選択したパブリッシャで利用可能なすべてのパブリケーションからのサブスクリプションに関する情報が表示されます。サブスクリプションの一覧をフィルタ選択して、エラーや警告などパフォーマンス上の問題が発生しているサブスクリプションを確認できます。このタブでは、サブスクリプションのプロパティへのアクセス、エージェントやサブスクリプションに関連付けられたエージェントに関する詳細情報へのアクセス、サブスクリプションの再初期化、およびサブスクリプションの検証を行うこともできます。
[サブスクリプション ウォッチ リスト] タブに表示される情報は、以下に示す疑問点の解決に役立ちます。
処理の遅いサブスクリプションはどれですか。
このタブのオプションを設定すると、パフォーマンス順に並べられたサブスクリプションがグリッドに表示されます。
レプリケーション システムは正常に動作していますか。
このタブのグリッドには、注意を要するすべてのサブスクリプションのエラー アイコンと警告アイコンが表示されます。
MicrosoftSQL Server 2005 より前のバージョンを実行しているディストリビュータでは、このタブが表示されません。
[エージェント] タブ
このタブには、すべての種類のレプリケーションで使用されるエージェントおよびジョブに関する詳細情報が表示されます。また、各エージェントとジョブを開始および停止することもできます。
詳細については、「パブリッシャの情報を表示し、タスクを実行する方法 (レプリケーション モニタ)」を参照してください。
レプリケーション モニタでは、パブリッシャ ノードのコンテキスト メニューも使用できます。左ペインのパブリッシャを右クリックすると、以下の操作を行うことができます。
パブリッシャに対するレプリケーション モニタ設定の編集
レプリケーション モニタからのパブリッシャの削除
エージェント プロファイルの表示と編集
パブリッシャについての情報を格納するディストリビュータへの接続と切断
情報の表示とパブリケーション関連のタスクの実行
レプリケーション モニタでは、以下の 3 つのタブとさまざまな詳細ウィンドウにパブリケーション関連の情報が表示されます。
[すべてのサブスクリプション] タブ
このタブには、選択されたパブリケーションのすべてのサブスクリプションに関する情報が表示されます。このタブの既定の並べ替えには、まずエラーの優先度、次に警告の優先度、そしてパフォーマンス (昇順) が使用され、パフォーマンスに問題のあるサブスクリプションが上位に表示されます。
[すべてのサブスクリプション] タブに表示される情報は、以下に示す疑問点の解決に役立ちます。
処理の遅いサブスクリプションはどれですか。
このタブのオプションを設定すると、パフォーマンス順に並べられたサブスクリプションがグリッドに表示されます。
レプリケーション システムは正常に動作していますか。
このタブのグリッドには、注意を要するすべてのサブスクリプションのエラー アイコンと警告アイコンが表示されます。
[エージェント] タブ
このタブには、レプリケーションで使用されるエージェントに関する情報が表示されます。このタブには、以下のエージェントの情報が表示されます。
すべてのパブリケーションで使用されるスナップショット エージェント
すべてのトランザクション パブリケーションで使用されるログ リーダー エージェント
キュー更新サブスクリプションに有効なトランザクション パブリケーションで使用されるキュー リーダー エージェント
このタブでは、各エージェントに関する詳細情報へのアクセス、および各エージェントの開始と停止を行うこともできます。サブスクリプションに関連するエージェント (ディストリビューション エージェントおよびマージ エージェント) の詳細については、このトピックの「情報の表示とサブスクリプション関連のタスクの実行」を参照してください。
[警告] タブ
このタブを使用して、エージェントに対する警告とアラートを指定できます。詳細については、「レプリケーション モニタのしきい値と警告の設定」を参照してください。
[トレーサ トークン] タブ (トランザクション レプリケーションのみ)
このタブでは、待機時間、つまりパブリッシャでトランザクションがコミットされてから、サブスクライバで対応するトランザクションがコミットされるまでの経過時間を測定できます。
このタブに表示される情報は、以下に示す疑問点の解決に役立ちます。
トランザクション レプリケーションでは、コミットされたトランザクションがサブスクライバに伝達されるまでどれくらいの時間が必要ですか。
システムにおけるトランザクションの伝達時間を表示して、以前の伝達時間と比較します。
SQL Server 2005 より前のバージョンを実行しているディストリビュータでは、このタブが表示されません。トレーサ トークンの詳細については、「トランザクション レプリケーションの待機時間の計測と接続の検証」を参照してください。
パブリケーションに関連するエージェントの詳細ウィンドウ。パブリケーションに関連するエージェントは以下のとおりです。
すべてのパブリケーションで使用されるスナップショット エージェント。
すべてのトランザクション パブリケーションで使用されるログ リーダー エージェント。
キューに登録される更新サブスクリプションに有効なトランザクション パブリケーションで使用されるキュー リーダー エージェント。
詳細ウィンドウの情報にアクセスするには、レプリケーション モニタのエージェントをダブルクリックします。上記のエージェントに加えて、サブスクリプションに関連するエージェントがあります。これらのエージェントには、スナップショットおよびトランザクション パブリケーションに対するサブスクリプションのディストリビューション エージェントと、マージ パブリケーションに対するサブスクリプションのマージエージェントがあります。詳細については、このトピックの「情報の表示とサブスクリプション関連のタスクの実行」を参照してください。
エージェントの詳細ウィンドウには、セッションの開始時刻、終了時刻、期間、セッション中に実行されるアクションなど、エージェントのセッションに関する情報が表示されます。これらの情報は、以下に示す疑問点の解決に役立ちます。
なぜエージェントが実行されないのですか。
エラー メッセージに、エージェントが実行されない理由についての詳細情報が表示され、パブリケーションに関連するエージェントに対するトラブルシューティングを開始できます。
詳細については、「パブリケーションの情報を表示し、タスクを実行する方法 (レプリケーション モニタ)」および「パブリケーションに関連付けられているエージェントの情報を表示したりタスクを実行する方法 (レプリケーション モニタ)」を参照してください。
レプリケーション モニタでは、パブリケーション ノードのコンテキスト メニューも使用できます。左ペインのパブリケーションを右クリックすると、以下の操作を行うことができます。
パブリケーションに対するすべてのサブスクリプションの再初期化
パブリケーションに対するすべてのサブスクリプションの検証
パブリケーションのスナップショットの生成
パブリケーションのプロパティの表示と編集
情報の表示とサブスクリプション関連のタスクの実行
レプリケーション モニタでは、さまざまなタブにサブスクリプションに関する情報が表示されます。詳細ウィンドウのこれらのタブにアクセスするには、レプリケーション モニタのサブスクリプションをダブルクリックします。これらのタブはすべて、エージェントが実行されない理由の解決に役立ちます。エラー メッセージに、エージェントが実行されない理由についての詳細情報が表示され、サブスクリプションに関連するエージェントに対するトラブルシューティングを開始できます。
[すべてのサブスクリプション] タブと [サブスクリプション ウォッチ リスト] タブ
これらのタブについては、このトピックの前半で説明しています。
[パブリッシャからディストリビュータまでの履歴] タブ (トランザクション レプリケーションのみ)
このタブには、パブリケーションのログ リーダー エージェントに関する情報が表示されます (このタブはログ リーダー エージェントの詳細ウィンドウと同じです)。
[ディストリビュータからサブスクライバまでの履歴] タブ (スナップショット レプリケーションおよびトランザクション レプリケーション)
このタブには、サブスクリプションのディストリビューション エージェントに関する情報が表示されます。
[未配布のコマンド] タブ (トランザクション レプリケーションのみ)
このタブには、選択したサブスクライバにまだ配布されていないディストリビューション データベース内のコマンドの数と、これらのコマンドの配布予測時間が表示されます。このタブに表示される情報は、サブスクリプションがどの程度遅れているのかという疑問の解決に役立ちます。SQL Server 2005 より前のバージョンを実行しているディストリビュータでは、このタブが表示されません。
[同期の履歴] タブ (マージ レプリケーションのみ)
このタブには、サブスクリプションのマージ エージェントに関する情報が表示されます。このタブに表示される情報は、以下に示す疑問点の解決に役立ちます。
なぜマージ サブスクリプションの処理が遅いのですか。
このタブには、同期中に処理される各アーティクルの詳細な統計が表示されます。この統計には、各処理フェーズ (変更のアップロードやダウンロードなど) にかかる時間などが含まれます。このタブによって、速度低下の原因となっているテーブルを特定することができます。また、マージ サブスクリプションのパフォーマンスに関するトラブルシューティングを開始するのにも最適です。
詳細については、「サブスクリプションの情報を表示し、タスクを実行する方法 (レプリケーション モニタ)」および「サブスクリプションに関連付けられているエージェントの情報を表示し、タスクを実行する方法 (レプリケーション モニタ)」を参照してください。
情報の表示とエージェント プロファイル関連のタスクの実行
レプリケーション モニタには、エージェント プロファイルを管理するためのさまざまなダイアログ ボックスが用意されています。エージェント プロファイルとは、エージェントのパラメータのセットであり、これらのパラメータによってエージェントの動作が決定されます。詳細については、「レプリケーション エージェント プロファイル」を参照してください。これらのダイアログ ボックスには以下のものがあります。
[エージェント プロファイル]
このダイアログ ボックスでは、プロファイルのプロパティの変更、プロファイルの作成と削除、既定のプロファイルの指定、および特定の種類のエージェント (スナップショット エージェントなど) のすべてが使用するプロファイルの指定を行うことができます。
[<AgentProfileName> のプロパティ]
このダイアログ ボックスでは、プロファイルのパラメータ設定の表示と編集を行うことができます。
[新しいエージェント プロファイル]
このダイアログ ボックスでは新しいプロファイルを作成できます。新しいプロファイルには、既存のプロファイルの値をオプションで指定できます。