MDX での計算されるメンバの作成 (MDX)
多次元式 (MDX) では、値を返す MDX 式の計算によって解決されるメンバのことを、計算されるメンバといいます。これは一見なにげない定義ですが、非常に広範囲に影響を及ぼします。MDX クエリで計算されるメンバを作成して使用する機能によって、多次元データの操作能力が大幅に向上するからです。
計算されるメンバは、階層内のどこにでも作成できます。また、キューブ内の既存のメンバだけでなく、同じ MDX 式で定義された他の計算されるメンバにも依存するように、計算されるメンバを作成することもできます。
計算されるメンバの定義では、以下のいずれかのコンテキストを設定できます。
クエリ スコープ MDX クエリの一部として定義する、計算されるメンバを作成する場合 (スコープをそのクエリに限定する場合) は、WITH キーワードを使用します。その計算されるメンバは、MDX の SELECT ステートメントの中で使用できます。この方法では、WITH キーワードを使用して作成した計算されるメンバを、SELECT ステートメントを修正せずに変更できます。
WITH キーワードを使用して計算されるメンバを作成する方法の詳細については、「クエリ スコープの計算されるメンバの作成 (MDX)」を参照してください。
セッション スコープ クエリのコンテキストよりも広いスコープを設定して計算されるメンバを作成する場合 (スコープを MDX セッションの有効期間全体とする場合) は、CREATE MEMBER ステートメントを使用します。CREATE MEMBER ステートメントで定義した計算されるメンバは、そのセッションのすべての MDX クエリで使用できます。CREATE MEMBER ステートメントを使用する方法は、たとえば、さまざまなクエリで同じセットを使い回すクライアント アプリケーションで役立ちます。
CREATE MEMBER ステートメントを使用してセッションでの計算されるメンバを作成する方法の詳細については、「セッション スコープの計算されるメンバの作成 (MDX)」を参照してください。