既存の Analysis Services データベースの移行
Analysis Services 移行ウィザードを使用して、MicrosoftSQL Server 2000Analysis Services データベースを MicrosoftSQL Server 2008Analysis Services にアップグレードできます。移行ウィザードを使用して移行する場合、SQL Server 2000Analysis Services データベース オブジェクトがコピーされ、次に、SQL Server 2008Analysis Services のインスタンス上にそれらのデータベース オブジェクトが再作成されます。移行元のデータベースは変更されず、そのままの状態で保持されます。新しいデータベースが正しく動作することを確認した後で、古いデータベースを手動で削除できます。
データベースを 1 つずつ移行するか、または小さいバッチに分割して移行すれば、データベース オブジェクトが移行先サーバーで問題なく動作することを確認してから、次のオブジェクトを移行することができます。移行ウィザードを使用する場合、移行元サーバーと移行先サーバーの両方で MSSQLServerOLAPService サービスを実行する必要があります (名前付きインスタンスを移行する場合は、両方のサーバーで **MSOLAP$**instancename サービスを実行する必要があります)。
データベースの移行後、データベースに対してクエリを実行する前に、元のデータ ソースからデータベースを処理する必要があります。詳細については、「Analysis Services オブジェクトの処理」を参照してください。
移行ウィザードの使用
SQL Server Management Studio のオブジェクト ブラウザで Analysis Services サーバー ノードから移行ウィザードを起動できます。また、MigrationWizard.exe プログラムを実行することによって、コマンド プロンプトで移行ウィザードを開始することもできます。
移行元と移行先の指定
ウィザードの最初の [ようこそ] ページの後に、[移行元と移行先の指定] ページが表示されます。このページでは、移行するデータベースの移行元のサーバーと移行先のサーバーを指定します。Analysis Services の移行先のインスタンスは、ローカルまたはリモートのいずれかにすることができます。SQL Server 2008Analysis Services の複数のインスタンスを実行しているコンピュータを移行先に指定する場合、computername\instancename の形式を使用してください。
さらに、SQL Server 2008Integration Services パッケージの Analysis Services DDL 実行タスクを使用すれば、データベース スキーマをスクリプト ファイルに保存しておき、後で移行することもできます。Analysis Services DDL 実行タスクの詳細については、「Analysis Services DDL 実行タスク」を参照してください。
移行するデータベースの選択
次の [移行するデータベースの選択] ページには、SQL Server 2000Analysis Services のデータベースと、それに対応して作成される SQL Server 2008Analysis Services データベースがすべて表示されます。既定では、すべてのデータベースが選択されますが、移行しないデータベースがある場合は、その名前の隣にあるチェック ボックスをオフにできます。
既定では、移行元のデータベースと、それに対応する移行先のデータベースの名前は同じです。ただし、移行先のサーバーに同じ名前の別のデータベースが既に存在する場合は、移行ウィザードにより、新しいデータベースに一意の名前が割り当てられます (たとえば、AdventureWorks というデータベースが既に存在する場合、新しいデータベースの名前は AdventureWorks 1 になります)。移行ウィザードで提示された名前をそのまま使用するか、または別の名前を入力してください。移行ウィザードの完了後に、データベース名を変更することもできます。
SQL Server 2000Analysis Services オブジェクトと SQL Server 2008Analysis Services オブジェクトの対応関係については、「移行に関する注意点 (Analysis Services)」を参照してください。
注意 |
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移行ウィザードでは、MicrosoftSQL Server 7.0 Analysis Services データベースを移行できません。 |
データベースの検証
移行ウィザードの [データベースを検証しています] ページでは、移行するデータベースの構造が検証されます。データベースが検証されると、ログが作成されます。ログまたはログ データの一部を表示するには、[ログの表示] をクリックしてから、以下のいずれかのオプションを選択します。
[すべて表示]
[エラーの表示]
[警告の表示]
[成功の表示]
エラーが発生すると検証が中止されます。移行プロセスを続行するには、エラーの原因となったデータベースを修正してから、[再起動] をクリックします。
[停止] をクリックすると、検証プロセスをいつでも停止できます。ウィザードには、検証されなかったデータベースの数を示すメッセージが表示されます。
データベースの移行
移行ウィザードの [データベースを移行しています] ページでは、SQL Server 2000Analysis Services オブジェクトが SQL Server 2008Analysis Services 形式に移行されます。移行プロセスを停止して、トランザクション全体をロールバックするには、[停止] をクリックし、次に [キャンセル] をクリックします。
移行の完了後、[戻る] をクリックしてウィザードの前のページに戻ると、以前の選択内容を変更できます。ただし、選択内容を変更した場合は、移行プロセスを再度実行する必要があります。移行プロセスを再度実行すると、既に移行したデータベースが削除されます。
ウィザードの完了
[ウィザードの完了] ページには、作成された SQL Server 2008Analysis Services データベースの要約が表示されます。[完了] をクリックしてウィザードを終了します。
データベースを移行したら、そのデータベースに対してクエリを実行する前に、元のデータ ソースからデータベースを処理する必要があります。詳細については、「Analysis Services オブジェクトの処理」を参照してください。