コール センター構造へのロジスティック回帰モデルの追加 (中級者向けデータ マイニング チュートリアル)
コール センターの業務に影響する可能性のある要因を分析すると共に、スタッフのサービス グレードを向上させるための具体的な改善案を提出するように求められました。ここでは、調査モデルの構築に使用したものと同じマイニング構造を使用し、予測作成用のマイニング モデルを追加します。
Analysis Services のロジスティック回帰モデルは、ニューラル ネットワークのアルゴリズムを基礎としているため、ニューラル ネットワーク モデルと同等の柔軟性と機能しながらも、結果を予測するという目的に、より適したモデルと言えます。
このシナリオでは、ニューラル ネットワーク モデルに含まれているすべての列を再利用できます。ただし、マイニング構造に新しいモデルを追加すると、自動的に、最初のマイニング モデルと同じ入力および予測可能な属性を持つ新しいモデルが作成されます。したがって、入力と予測可能な属性に変更を加えながら、実務上の目的に合わせて新しいモデルをカスタマイズする必要があります。
同時に、各コール センター モデルの類似性をできる限り確保するため、両方のモデルのシード パラメータを設定します。シード パラメータを使用することにより、再処理中、モデルを確実に同じ状態に保つことができます。シード パラメータに数値を指定しなかった場合は、SQL Server Analysis Services により、モデルの名前に基づいてシードが生成されます。構築しようとしているロジスティック回帰モデルとニューラル ネットワーク モデルは名前が異なるため、まったく同じポイントからデータの処理が開始されるようにシード値を設定する必要があります。
コール センターのマイニング構造に新しいマイニング モデルを追加するには
Business Intelligence Development Studio のソリューション エクスプローラで、マイニング構造 (Call Center Binned) を右クリックし、[デザイナを開く] を選択します。
データ マイニング デザイナで、[マイニング モデル] タブをクリックします。
[関連するマイニング モデルの作成] をクリックします。
[新しいマイニング モデル] ダイアログ ボックスで、[モデル名] に「Call Center - LR」と入力します。[アルゴリズム名] で [Microsoft ロジスティック回帰] を選択します。
[OK] をクリックします。
新しいマイニング モデルが [マイニング モデル] タブに表示されます。
ロジスティック回帰モデルをカスタマイズするには
新しいマイニング モデルの列 (Call Center - LR) で、Fact CallCenter ID をそのままキーとして使用します。
[ServiceGrade] および [Level Two Operators] の値を [予測] に変更します。
これらの列は、入力および予測の両方に使用されます。ニューラル ネットワーク モデルまたはロジスティック回帰モデルに複数の予測可能な属性を追加した場合、基本的に、同じメタデータ コンテナ内に、2 つの別個のモデルを作成していることになります。設定された予測可能な属性ごとに別個のサブツリーが作成されます。
それ以外のすべての列を [入力] に変更します。
シードを指定してモデルを処理するには
[マイニング モデル] タブで、Call Center - LR という名前のモデルの列を右クリックし、[アルゴリズム パラメータの設定] を選択します。
HOLDOUT_SEED パラメータの行で、[値] の空のセルをクリックし、「1」と入力します。[OK] をクリックします。
注 関連するすべてのモデルで同じシードを使用する限り、シードとしてどのような値を選択するかは特に重要ではありません。
[マイニング モデル] メニューの [マイニング構造および全モデルの処理] をクリックします。[はい] をクリックして、更新されたデータ マイニング プロジェクトをサーバーに配置します。
[マイニング モデルの処理] ダイアログ ボックスで [実行] をクリックします。
[閉じる] をクリックして [処理の進行状況] ダイアログ ボックスを閉じ、[マイニング モデルの処理] ダイアログ ボックスでも [閉じる] をクリックします。