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レポート サーバーのアーキテクチャとツールの新機能

注意

SQL Server 2008 R2 では、このトピックの一覧にあるコンテンツは変更されていません。

SQL Server 2008 Reporting Services では、レポート サーバー インスタンスを展開し管理するための新しいレポート サーバー アーキテクチャと変更されたツールが導入されています。

新機能の一覧

  • 新しいレポート サーバー アーキテクチャ
    このリリースの特徴は、以前のバージョンのサーバー機能をすべて残したままインターネット インフォメーション サービス (IIS) への依存関係をなくした、新設計のサーバー アーキテクチャです。これまで IIS によって提供されていた機能の代替として、Reporting Services には HTTP.SYS および ASP.NET のネイティブ サポート、サイトと仮想ディレクトリ名の URL 管理、新しい認証レイヤー、新しいメモリ管理機能を使用した稼動状況の監視が含まれるようになりました。さらに、新しいアーキテクチャでは、レポート サーバー Web サービス、レポート サーバー Windows サービス、レポート マネージャーが 1 つのサービスに統合されています。SQL Server 2008 では、すべてのレポート サーバー アプリケーションに対してサービス アカウントを 1 つ定義および管理するだけで済みます。

  • レポート サーバーの構成と管理に関する強化されたツールセット
    このリリースにはサーバー ツールに対する変更が含まれています。レポート サーバーの構成および管理には、Reporting Services 構成ツール、SQL Server Management Studio、レポート マネージャー (ネイティブ モードのレポート サーバーの場合)、SharePoint アプリケーション ページ (SharePoint 統合モードの場合) などのツールを組み合わせて使用します。このリリースでは、各ツールは特定の目的とフォーカスをサポートしています。特定のタスクのサポートが一部のツールに追加され、それ以外のツールからは削除されています。

  • SharePoint 統合モードにおけるデータ ドリブン サブスクリプションとジョブ管理の新しいサポート
    このリリースでは、SharePoint 統合モード用に構成されたレポート サーバー上のデータ ドリブン サブスクリプションとジョブの管理のサポートが追加されています。

新しいレポート サーバー アーキテクチャ

SQL Server 2008 では、レポート サーバー アーキテクチャが根本的に変更されています。インターネット インフォメーション サービス (IIS) への依存関係が排除され、各種のアプリケーションが 1 つのサービスに統合されました。新しいアーキテクチャによりレポート サーバー自体に HTTP サーバー機能が組み込まれたため、アクセスに使用されていた Web フロントエンド アプリケーションから分離し、中間層アプリケーションとしてレポート サーバーを実行できるようになりました。また、レポート サーバーには、ユーザーを認証し、メモリと内部プロセスを管理し、エンド ツー エンドのトレースとログをサポートするための、新しいホスト層が含まれています。

  • HTTP.SYS と ASP.NET のネイティブ サポート
    Reporting Services では、ASP.NET 機能、レポート マネージャー アプリケーション、およびレポート サーバー Web サービス エンドポイントへのアクセス時に、インターネット インフォメーション サービス (IIS) が使用されなくなりました。SQL Server 2008 では、Reporting Services が次の役割を担います。

    • SQL Server CLR に組み込まれている ASP.NET および Microsoft .NET Framework テクノロジのホスト。

    • オペレーティング システムの HTTP.SYS 機能の活用。

    これらの機能強化の詳細については、「サービスのアーキテクチャ (Reporting Services)」を参照してください。

  • URL 予約とレポート サーバー エンドポイントの登録に関するネイティブ サポート
    レポート サーバーには、サーバー構成時に定義された URL およびポート宛ての要求を受け入れる HTTP リスナーが含まれています。URL 予約と登録は、HTTP.SYS を使用してレポート サーバーによって直接管理されるようになりました。詳細については、「レポート サーバーの URL の構成」を参照してください。

  • 統合されたサービスとアプリケーション
    このリリースでは、各種の Reporting Services サーバー アプリケーションが 1 つのサービスに結合されています。対話型のレポート処理を行うレポート サーバー Web サービス、レポート マネージャー フロントエンド コンポーネント、スケジュールおよび配信のプロセッサ (スケジュールに従って操作を行うバックグラウンド処理アプリケーション) などのサーバー アプリケーションが、1 つのサービス内で実行されます。

    サーバー アプリケーションが 1 つのサービスに統合されたことにより、構成やメンテナンスの作業が軽減され、カスタムの機能を統合するための優れたプラットフォームが実現しました。この統合によって展開は単純化されますが、なじみのある Reporting Services 機能が少なくなったり、アプリケーションへのアクセス方法が変わったりすることはありません。従来の機能はすべて利用できます。レポート マネージャーもレポート サーバー Web サービスも、従来のまま 1 つのサービス内で実行されます。これらのアプリケーションは、それぞれへの HTTP アクセスを提供する URL を使用してこれまでどおり利用できます。これらの機能強化の詳細については、「サービスのアーキテクチャ (Reporting Services)」を参照してください。

  • 認証レイヤー
    以前のリリースでは、認証は IIS を使用して処理されていました。このリリースの Reporting Services では、Windows ベースのカスタム認証をサポートする新しい認証サブシステムを使用して、すべての認証要求が処理されます。認証サポートと構成オプションの詳細については、「Reporting Services での認証の構成」を参照してください。

  • メモリ構成
    新しいメモリ管理機能により、レポート処理用のメモリしきい値を設定できるようになりました。以前のリリースでは、レポート サーバーは使用可能なメモリをすべて使用していました。このリリースでは、メモリの最大値、およびメモリ負荷の変化にレポート サーバーが対応する方法を決定するための中間しきい値を設定できます。詳細については、「レポート サーバー アプリケーションで利用可能なメモリの構成」および「レポート サーバー アプリケーションのアプリケーション ドメイン」を参照してください。

  • エンド ツー エンド ログ
    新しい HTTP ログには、レポート サーバーが処理するすべての HTTP 要求の記録が保持されます。これは IIS によって生成されるログ ファイルに相当します。

    トレース ログ ファイルは、1 つの ReportServerService_<タイムスタンプ>.log ファイルに統合されます。レポート サーバー Web サービス、レポート マネージャー、およびバックグラウンド処理アプリケーションのすべてのトレース情報がこのファイルに格納されます。このリリースでは、アプリケーション ログとレポート サーバー実行ログは変更されていません。Reporting Services ログ ファイルの詳細については、「Reporting Services のログ ファイル」を参照してください。

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レポート サーバーの構成と管理に関する強化されたツールセット

Reporting Services には、レポート サーバーのインストールを構成および管理するためのツールがすべて含まれています。各ツールは、個々に機能が重複しない一連のタスクをサポートするように再設計されています。新しい機能が一部のツールに追加されたり、冗長なタスクを削除するために他の機能が削除されたりしています。レポート サーバー ツールを使用した経験があり、ツールの以前のリリースからの変更内容を知りたい場合は、「Reporting Services の旧バージョンとの互換性」および「SQL Server Reporting Services における動作変更」を参照してください。

  • SQL Server Management Studio
    ネイティブ モードまたは SharePoint 統合モードで実行されるレポート サーバーでは、このツールは機能の有効化、サーバーのプロパティと既定値の設定、共有スケジュールの作成、ロール定義の構成 (または SharePoint サイトでの権限レベルの表示)、レポート サーバーで現在実行中のスケジュールされているジョブの管理に使用します。

    このツールは、フォルダー階層またはレポート サーバー コンテンツの管理には使用されなくなりました。このツールを使用して権限を割り当てることはできません。また、レポート、モデル、リソース、共有データ ソース、またはデータ ドリブン サブスクリプションを管理することもできません。コンテンツ管理はすべて、レポート マネージャーまたは SharePoint サイトを使用して行います。このツールの詳細については、「レポート サーバー管理用の SQL Server ツール」を参照してください。

  • レポート マネージャー
    ネイティブ モードのレポート サーバーでは、レポート マネージャーはレポート サーバー コンテンツの表示および管理に使用する唯一のツールです。

    権限の割り当て、レポート サーバー アイテムの作成と管理、レポートとサブスクリプション処理のスケジュール設定、レポート配信の管理、モデルの生成と管理は、このツールのみを使用して行われます。モデルの生成、モデル アイテムのセキュリティの設定、モデルのエンティティへのクリックスルー レポートの関連付けを行うために、新しいページが提供されています。このツールの詳細については、「レポート マネージャー」を参照してください。

  • Reporting Services 構成ツール
    Reporting Services 構成ツールは、サービス アカウントの設定、レポート サーバー データベースの作成または管理、URL の設定、自動実行アカウントの設定、レポート サーバーの電子メールの設定、および暗号化キーの管理を行うために使用します。このツールには、URL を定義するための新しいページが含まれており、レポート サーバー データベースの作成および構成やサービス アカウントの更新を行うための新しいワークフローが組み込まれています。このツールの詳細については、「Reporting Services 構成ツール」を参照してください。

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SharePoint 統合モードにおけるデータ ドリブン サブスクリプションとジョブ管理の新しいサポート

このリリースの Reporting Services では、SharePoint 統合モードで実行中のレポート サーバーを対象としたデータ ドリブン サブスクリプションとジョブ管理が導入されています。SharePoint テクノロジ用の Reporting Services アドインによって提供された新しいサブスクリプション定義ページを使用して、SharePoint ライブラリに展開したレポートのデータ ドリブン サブスクリプションを定義できます。このアドインでは、実行中のレポートをジョブを表示および取り消すための、サイト レベルの新しいジョブ管理ページも提供されています。SharePoint サイトから新しいレポート サーバー機能にアクセスするには、Reporting Services アドインをインストールするかアップグレードを行う必要があります。アドインによって、SQL Server 2008 レポート サーバーのグラフィカル ユーザー インターフェイスを提供するアプリケーション ページがインストールされます。これにより、SharePoint ユーザー用のデータ ドリブン サブスクリプションおよびジョブ管理がサポートされます。

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