DBCC CHECKFILEGROUP (Transact-SQL)
更新 : 2008 年 11 月 17 日
現在のデータベースで、指定されたファイル グループのすべてのテーブルおよびインデックス付きビューの割り当てと構造的整合性をチェックします。
構文
DBCC CHECKFILEGROUP
[
[ ( { filegroup | filegroup_id | 0 }
[ , NOINDEX ]
) ]
[ WITH
{
[ ALL_ERRORMSGS | NO_INFOMSGS ]
[ , TABLOCK ]
[ , ESTIMATEONLY ]
[ , PHYSICAL_ONLY ]
}
]
]
引数
- filegroup_name
現在のデータベースで、テーブルの割り当てと構造的整合性をチェックするファイル グループの名前を指定します。指定しない場合、または 0 を指定した場合、既定はプライマリ ファイル グループとなります。ファイル グループ名は、識別子の規則に従っている必要があります。
- filegroup_id
現在のデータベースで、テーブルの割り当てと構造的整合性をチェックするファイル グループの ID 番号を指定します。
- NOINDEX
ユーザー テーブルの非クラスタ化インデックスの集中チェックを実行しないように指定します。これにより、全体の実行時間が短縮されます。DBCC CHECKFILEGROUP は、常にすべてのシステム テーブルのインデックスをチェックするため、NOINDEX はシステム テーブルには影響を与えません。
- ALL_ERRORMSGS
オブジェクトごとにエラーを無制限に表示します。SQL Server 2005 Service Pack 3 (SP3) では、既定ですべてのエラー メッセージが表示されます。そのため、このオプションを指定しても省略しても影響はありません。以前のバージョンの SQL Server では、ALL_ERRORMSGS を指定しない場合、オブジェクトごとにエラー メッセージが最初の 200 個まで表示されます。
- NO_INFOMSGS
すべての情報メッセージを表示しないようにします。
- TABLOCK
DBCC CHECKFILEGROUP が、内部データベースのスナップショットを使用するのではなく、ロックを取得します。
- ESTIMATE ONLY
必要な他のオプションをすべて指定した状態で、DBCC CHECKFILEGROUP の実行時に必要となる tempdb 領域の予測サイズを表示します。
PHYSICAL_ONLY
チェック内容を、ページ、レコード ヘッダー、および B-Tree の物理構造の整合性に限定します。ファイル グループの物理的一貫性に関する低オーバーヘッド チェックを提供するように設計されているため、このチェックではデータが損傷する可能性のある破損ページおよび一般的なハードウェア障害も検出できます。完全な DBCC CHECKFILEGROUP を実行すると、以前のバージョンよりはるかに時間がかかることがあります。原因は次のとおりです。- 論理チェックの対象範囲が広がった。
- チェック対象の、基になる構造の一部が複雑になった。
- 新機能を含めるために多数の新しいチェックが導入された。
したがって、大規模なファイル グループでは、PHYSICAL_ONLY オプションを使用すると DBCC CHECKFILEGROUP の実行時間が大幅に短縮されることがあるため、実稼働システムで頻繁に使用する場合はこのオプションを使用することをお勧めします。ただし、完全な DBCC CHECKFILEGROUP を定期的に実行することもお勧めします。実行する頻度は、それぞれの業務環境や運用環境に固有の要因によって異なります。PHYSICAL_ONLY を指定した場合は常に NO_INFOMSGS も暗黙的に指定されるため、修復オプションを同時指定することはできません。
メモ PHYSICAL_ONLY を指定すると、DBCC CHECKFILEGROUP で FILESTREAM データのチェックがすべてスキップされるようになります。
結果セット
DBCC CHECKFILEGROUP は次の結果セットを返します (値は異なることがあります)。
- ESTIMATEONLY または NO_INFOMSGS が指定されている場合は除きます。
- 現在のデータベースでは、データベースが指定されていない場合、オプション (NOINDEX を除く) が指定されているかどうかは関係ありません。
DBCC results for 'master'.
DBCC results for 'sys.sysrowsetcolumns'.
There are 630 rows in 7 pages for object 'sys.sysrowsetcolumns'.
DBCC results for 'sys.sysrowsets'.
There are 97 rows in 1 pages for object 'sys.sysrowsets'.
DBCC results for 'sysallocunits'.
There are 195 rows in 3 pages for object 'sysallocunits'.
There are 2340 rows in 16 pages for object 'spt_values'.
DBCC results for 'MSreplication_options'.
There are 2 rows in 1 pages for object 'MSreplication_options'.
CHECKFILEGROUP found 0 allocation errors and 0 consistency errors in database 'master'.
DBCC execution completed. If DBCC printed error messages, contact your system administrator.
NO_INFOMSGS が指定されている場合、DBCC CHECKFILEGROUP は次の結果セットを返します。
DBCC execution completed. If DBCC printed error messages, contact your system administrator.
ESTIMATEONLY が指定されている場合、DBCC CHECKFILEGROUP は次の結果セットを返します (値は異なることがあります)。
Estimated TEMPDB space needed for CHECKALLOC (KB)
-------------------------------------------------
15
(1 row(s) affected)
Estimated TEMPDB space needed for CHECKTABLES (KB)
--------------------------------------------------
207
(1 row(s) affected)
DBCC execution completed. If DBCC printed error messages, contact your system administrator.
解説
DBCC CHECKFILEGROUP と DBCC CHECKDB はほぼ同じ DBCC コマンドです。主な相違点は、DBCC CHECKFILEGROUP の対象が、指定された単一のファイル グループと必要なテーブルのみに限定されることです。
DBCC CHECKFILEGROUP は、次のコマンドを実行します。
- ファイル グループの DBCC CHECKALLOC
- ファイル グループ内のすべてのテーブルおよびインデックス付きビューの DBCC CHECKTABLE
DBCC CHECKALLOC または DBCC CHECKTABLE を DBCC CHECKFILEGROUP と分けて実行する必要はありません。
内部データベース スナップショット
DBCC CHECKFILEGROUP は、内部データベースのスナップショットを使用して、これらのチェックを実行するために必要なトランザクションの一貫性を実現します。詳細については、「データベース スナップショットのスパース ファイルのサイズについて」、および「DBCC (Transact-SQL)」の「DBCC 内部データベース スナップショットの使用」を参照してください。
スナップショットを作成できない場合や TABLOCK オプションが指定されている場合、DBCC CHECKFILEGROUP はロックを取得して必要な一貫性を実現します。この場合、割り当てのチェックを行うための排他データベース ロックと、テーブルのチェックを行うための共有テーブル ロックが必要です。TABLOCK の作用によって負荷の高いデータベースでも DBCC CHECKFILEGROUP の実行速度が速くなりますが、DBCC CHECKFILEGROUP の実行中、データベースでの同時実行性は低下します。
メモ : |
---|
SQL Server 2005 では、tempdb に対して DBCC CHECKFILEGROUP を実行しても割り当てのチェックは行われず、共有テーブル ロックを取得してテーブルのチェックを行う必要があります。これは、パフォーマンス上の理由から、データベースのスナップショットが tempdb では利用できないためです。つまり、必要なトランザクションの一貫性を実現できません。 |
オブジェクトの並列チェック
既定では、DBCC CHECKFILEGROUP はオブジェクトの並列チェックを実行します。並列処理の次数は、クエリ プロセッサによって自動的に決定されます。並列処理の次数の最大値は、並列クエリと同様に構成します。DBCC チェックに利用できるプロセッサの最大数を制限するには、sp_configure を使用します。詳細については、「max degree of parallelism オプション」を参照してください。
並列チェックはトレース フラグ 2528 を使用して無効にできます。詳細については、「トレース フラグ (Transact-SQL)」を参照してください。
異なるファイル グループの非クラスタ化インデックス
指定したファイル グループ内の非クラスタ化インデックスが、別のファイル グループ内のテーブルに関連付けられている場合、ベース テーブルが検証できないので、インデックスはチェックされません。これは SQL Server 2005 の新しい動作です。以前のバージョンの SQL Server では、もう一方のファイル グループの非クラスタ化インデックスとベース テーブルがチェックされました。非クラスタ化インデックスとベース テーブルの両方をチェックするには、DBCC CHECKDB を実行します。
指定したファイル グループ内のテーブルに対応する非クラスタ化インデックスが、別のファイル グループ内にある場合、その非クラスタ化インデックスは次の理由によりチェックされません。
- ベース テーブル構造は非クラスタ化インデックスの構造に依存しません。ベース テーブルを検証するために、非クラスタ化インデックスをスキャンする必要はありません。
- DBCC CHECKFILEGROUP コマンドでは、指定したファイル グループのみでオブジェクトが検証されます。
クラスタ化インデックスおよびテーブルは異なるファイル グループに配置されないため、上記の注意事項は、非クラスタ化インデックスにのみ適用されます。
異なるファイル グループのパーティション テーブル
SQL Server 2005 Service Pack 2 (SP2) よりも前の各バージョンでは、DBCC CHECKFILEGROUP によってパーティション テーブルがチェックされるのは、指定したファイル グループにテーブル全体が存在している場合に限られます。テーブルが複数のファイル グループに分散している場合、テーブル全体は無視されます。SP2 では、パーティション テーブルが複数のファイル グループに分散している場合、DBCC CHECKFILEGROUP によってチェックされるのは指定したファイル グループに存在しているパーティション行セットのみで、他のファイル グループの行セットは無視されます。チェックされなかったパーティションは、情報メッセージ 2594 に示されます。指定したファイル グループにない非クラスタ化インデックスはチェックされません。
DBCC エラー メッセージについて
DBCC CHECKFILEGROUP コマンドの終了後、メッセージが SQL Server エラー ログに書き込まれます。DBCC コマンドが正常に実行された場合、メッセージでは正常完了とコマンド実行時間が示されます。エラーが発生して DBCC コマンドが完了前に停止した場合、メッセージではコマンドが終了したことと、状態の値、およびコマンド実行時間が示されます。次の表は、メッセージに含まれる可能性がある状態値の一覧と説明です。
状態 | 説明 |
---|---|
0 |
エラー番号 8930 が発生しました。メタデータの破損が原因で DBCC コマンドが終了しました。 |
1 |
エラー番号 8967 が発生しました。内部 DBCC エラーがあります。 |
2 |
緊急モードのデータベース修復中にエラーが発生しました。 |
3 |
メタデータの破損が原因で DBCC コマンドが終了しました。 |
4 |
アサートまたはアクセス違反が検出されました。 |
5 |
不明なエラーが発生し、DBCC コマンドが終了しました。 |
エラー報告の使用
SQL Server 2005 Service Pack 1 (SP1) では、DBCC CHECKFILEGROUP により破損エラーが検出されると必ず、ミニ ダンプ ファイル (SQLDUMPnnnn.txt) が SQL Server の LOG ディレクトリに生成されます。機能の使用状況データ収集とエラー報告機能が SQL Server インスタンスに対して有効になっている場合、ダンプ ファイルは自動的に Microsoft に転送されます。収集されたデータは SQL Server の機能向上のために使用されます。詳細については、「エラー レポートと使用状況レポートの設定」を参照してください。
このダンプ ファイルには、DBCC CHECKFILEGROUP コマンドの結果と追加の診断出力が含まれます。また、制限付きの随意アクセス制御リスト (DACL) が割り当てられます。ダンプ ファイルにアクセスできるのは、SQL Server サービス アカウントと sysadmin ロールのメンバだけです。既定では、ロール sysadmin には Windows の BUILTIN\Administrators グループとローカルの管理者グループのすべてのメンバが含まれます。データ収集プロセスが失敗しても、DBCC コマンドは失敗しません。
エラーの解決
DBCC CHECKFILEGROUP によってエラーが報告される場合は、データベース バックアップからデータベースを復元することをお勧めします。DBCC CHECKFILEGROUP に修復オプションを指定することはできません。
バックアップが存在しない場合、指定した修復オプションで DBCC CHECKDB を実行することによって、報告されたエラーを修正します。使用する修復オプションは、報告されたエラーの一覧の最後に指定されています。REPAIR_ALLOW_DATA_LOSS オプションを使用してエラーを修正する場合は、一部のページ (データ) が削除されることがあります。
権限
固定サーバー ロール sysadmin または固定データベース ロール db_owner のメンバシップが必要です。
例
A. AdventureWorks データベースの PRIMARY ファイル グループをチェックする
次の例では、AdventureWorks
データベースのプライマリ ファイル グループをチェックします。
USE AdventureWorks;
GO
DBCC CHECKFILEGROUP;
GO
B. 非クラスタ化インデックスを除く AdventureWorks データベースの PRIMARY ファイル グループをチェックする
次の例では、プライマリ ファイル グループの ID 番号を指定し、NOINDEX
オプションを指定することによって、非クラスタ化インデックスを除く AdventureWorks
データベースのプライマリ ファイル グループをチェックします。
USE AdventureWorks;
GO
DBCC CHECKFILEGROUP (1, NOINDEX);
GO
C. オプションを指定してプライマリ ファイル グループをチェックする
次の例では、master
データベースのプライマリ ファイル グループをチェックします。このとき、オプション ESTIMATEONLY
を指定します。
USE master;
GO
DBCC CHECKFILEGROUP (1)
WITH ESTIMATEONLY;
参照
関連項目
DBCC (Transact-SQL)
FILEGROUP_ID (Transact-SQL)
sp_helpfile (Transact-SQL)
sp_helpfilegroup (Transact-SQL)
sys.sysfilegroups (Transact-SQL)
DBCC CHECKDB (Transact-SQL)
DBCC CHECKALLOC (Transact-SQL)
DBCC CHECKTABLE (Transact-SQL)
その他の技術情報
ヘルプおよび情報
変更履歴
リリース | 履歴 |
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2008 年 11 月 17 日 |
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2006 年 12 月 12 日 |
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2006 年 4 月 14 日 |
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2005 年 12 月 5 日 |
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