sp_cursor_list (Transact-SQL)
接続に対して現在オープンされているサーバー カーソルの属性を返します。
構文
sp_cursor_list [ @cursor_return = ] cursor_variable_name OUTPUT
, [ @cursor_scope = ] cursor_scope
引数
- [ @cursor_return = ] cursor_variable_nameOUTPUT
宣言されているカーソル変数の名前を指定します。cursor_variable_name のデータ型は cursor で、既定値はありません。カーソルはスクロール可能、動的、読み取り専用カーソルのいずれかです。
[ @cursor_scope = ] cursor_scope
レポートするカーソルのレベルを指定します。cursor_scope のデータ型は int で、既定値はありません。次のいずれかの値を指定できます。値 説明 1
すべてのローカル カーソルをレポートします。
2
すべてのグローバル カーソルをレポートします。
3
ローカル カーソルとグローバル カーソルの両方をレポートします。
解説
sp_cursor_list は、接続によってオープンされた現在のサーバー カーソルの一覧を作成し、カーソルのスクロール機能や更新機能など、各カーソルにとってグローバルな属性を示します。sp_cursor_list によってレポートされるカーソルは次のとおりです。
- Transact-SQL サーバー カーソル。
- ODBC アプリケーションによってオープンされた API サーバー カーソル。この後、カーソルに名前を付けるために、SQLSetCursorName が呼び出されます。
カーソルから返された結果セットの属性の説明が必要な場合は、sp_describe_cursor_columns を使用します。カーソルから参照されるベース テーブルのレポートが必要な場合は、sp_describe_cursor_tables を使用します。sp_describe_cursor は、指定された 1 つのカーソルに関してだけ sp_cursor_list と同じ情報を返します。
権限
実行権限は、特に指定のない限りロール public に与えられます。
戻り値
なし
返されるカーソル
sp_cursor_list は、結果セットとしてではなく、Transact-SQL カーソル出力パラメータとしてレポートを返します。このため、Transact-SQL バッチ、ストアド プロシージャ、およびトリガは、一度に 1 行ずつ、出力を処理できます。また、データベース API 関数からプロシージャを直接呼び出すことができなくなります。カーソル出力パラーメータはプログラム変数にバインドする必要がありますが、データベース API では、カーソル パラメータまたは変数のバインドがサポートされません。
以下は、sp_cursor_list から返されるカーソルの形式です。このカーソルの形式は、sp_describe_cursor から返される形式と同じです。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
reference_name |
sysname |
カーソルを参照するために使用される名前です。DECLARE CURSOR ステートメントに指定された名前を介してカーソルを参照すると、参照名はカーソル名と同じになります。変数を介してカーソルを参照すると、参照名はカーソル変数の名前になります。 |
cursor_name |
sysname |
DECLARE CURSOR ステートメントに指定されたカーソルの名前です。SQL Server 2005 では、カーソルがカーソル変数を設定して作成されると、cursor_name にカーソル変数の名前が返されます。以前のバージョンでは、この出力列にはシステムが生成した名前が返されていました。 |
cursor_scope |
smallint |
1 = ローカル 2 = グローバル |
status |
smallint |
CURSOR_STATUS システム関数によってレポートされたものと同じ値です。 1 = カーソル名または変数によって参照されたカーソルはオープンされています。カーソルが状態非依存、静的、キーセットのいずれかの場合には、結果セットに少なくとも 1 行が含まれます。カーソルが動的の場合には、結果セットに 0 行以上が含まれます。 0 = カーソル名または変数によって参照されたカーソルはオープンされていますが、行は含まれていません。動的カーソルがこの値を返すことはありません。 -1 = カーソル名または変数によって参照されたカーソルはクローズされています。 -2 = カーソル変数にのみ適用されます。変数に割り当てられたカーソルはありません。おそらく、OUTPUT パラメータによってカーソルを変数に割り当てましたが、戻る前にストアド プロシージャがカーソルをクローズしました。 -3 = 指定された名前のカーソルまたはカーソル変数が存在しないか、またはカーソル変数にカーソルが割り当てられていません。 |
model |
smallint |
1 = 状態非依存 (または静的) 2 = キーセット 3 = 動的 4 = 高速順方向 |
concurrency |
smallint |
1 = 読み取り専用 2 = スクロール ロック 3 = オプティミスティック |
scrollable |
smallint |
0 = 順方向専用 1 = スクロール可能 |
open_status |
smallint |
0 = クローズ 1 = オープン |
cursor_rows |
int |
結果セット内の条件を満たす行の数です。詳細については、「@@CURSOR_ROWS」を参照してください。 |
fetch_status |
smallint |
このカーソル上での最後のフェッチの状態です。詳細については、「@@FETCH_STATUS」を参照してください。 0 = フェッチが成功しました。 -1 = フェッチが失敗したか、またはカーソルの境界を越えています。 -2 = 要求された行がありません。 -9 = カーソル上でフェッチは行われていません。 |
column_count |
smallint |
カーソル結果セットの列数です。 |
row_count |
smallint |
カーソルで実行された最後の操作で処理された行数です。詳細については、「@@ROWCOUNT」を参照してください。 |
last_operation |
smallint |
カーソル上で実行された最後の操作です。 0 = カーソル上で操作は実行されていません。 1 = OPEN 2 = FETCH 3 = INSERT 4 = UPDATE 5 = DELETE 6 = CLOSE 7 = DEALLOCATE |
cursor_handle |
int |
サーバーのスコープ内でカーソルを識別する一意の値です。 |
例
次の例では、グローバル カーソルをオープンし、sp_cursor_list
を使用してカーソルの属性をレポートします。
USE AdventureWorks
GO
-- Declare and open a keyset-driven cursor.
DECLARE abc CURSOR KEYSET FOR
SELECT LastName
FROM Person.Contact
WHERE LastName LIKE 'S%'
OPEN abc
-- Declare a cursor variable to hold the cursor output variable
-- from sp_cursor_list.
DECLARE @Report CURSOR
-- Execute sp_cursor_list into the cursor variable.
EXEC master.dbo.sp_cursor_list @cursor_return = @Report OUTPUT,
@cursor_scope = 2
-- Fetch all the rows from the sp_cursor_list output cursor.
FETCH NEXT from @Report
WHILE (@@FETCH_STATUS <> -1)
BEGIN
FETCH NEXT from @Report
END
-- Close and deallocate the cursor from sp_cursor_list.
CLOSE @Report
DEALLOCATE @Report
GO
-- Close and deallocate the original cursor.
CLOSE abc
DEALLOCATE abc
GO
参照
関連項目
システム ストアド プロシージャ (Transact-SQL)