物理デザイン構造の指定

更新 : 2005 年 12 月 5 日

チューニング中にデータベース エンジン チューニング アドバイザのグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) または dta コマンド プロンプト ユーティリティで検討される物理デザイン構造を指定できます。GUI またはコマンド プロンプトのどちらでも、データベース エンジン チューニング アドバイザが推奨設定で検討するインデックスおよびパーティションの種類と、既存のインデックスおよびパーティションを保持するか削除を検討するかを指定できます。

チューニングの準備

チューニング操作を開始する前に、次の 2 つの選択を行う必要があります。

• データベースで、どの機能セットを検討するか。
• データベース内の既存の物理デザイン構造のうち、どのサブセットをデータベース エンジン チューニング アドバイザの推奨設定に含める必要があるか。

機能セットを指定するには、検討するオブジェクトのクラスと、そのオブジェクトをパーティション分割する方法を指定する必要があります。この後のセクションでは、データベース エンジン チューニング アドバイザの 2 つの異なるインターフェイスで使用可能なオプションについて説明します。

GUI を使用したチューニング オプション

データベース エンジン チューニング アドバイザの GUI では、dta コマンド プロンプト ユーティリティがサポートしているほとんどのチューニング オプションを使用できます。ただし、コマンド プロンプト ユーティリティの方が、ユーザー指定の構成機能を完全にサポートしているため、より多くのオプションがあり、柔軟性に優れています。詳細については、「データベース エンジン チューニング アドバイザを使用した調査分析」を参照してください。次の表では、GUI の [チューニング オプション] タブで使用できるチューニング オプションについて説明します。

データベースで使用する物理デザイン構造

チューニング オプション	データベース エンジン チューニング アドバイザの推奨設定
インデックスおよびインデックス付きビュー	クラスタ化インデックス、非クラスタ化インデックス、およびインデックス付きビューを追加します。
インデックス	インデックスのみ追加します。
インデックス付きビュー	インデックス付きビューのみ追加します。
非クラスタ化インデックス	非クラスタ化インデックスのみ追加します。
既存の PDS のみ使用を評価する	既存の物理デザイン構造のみが評価され、新しい構造の追加は検討されません。

使用するパーティション分割方法

チューニング オプション	データベース エンジン チューニング アドバイザの動作
パーティション分割なし	推奨設定でパーティション分割を使用しません。
完全パーティション分割	推奨設定でパーティション分割を使用します。
固定パーティション分割	基になるテーブルまたはビューの既存のパーティションに対応するパーティションのみが推奨されます (このオプションを選択すると管理が容易になります)。

データベースで維持する物理デザイン構造

チューニング オプション	データベース エンジン チューニング アドバイザの動作
既存の PDS を保持しない	適切であれば、既存の物理デザイン構造をすべて削除します。このオプションと共に [既存の PDS のみ使用を評価する] オプションを選択して、データベース エンジン チューニング アドバイザを削除専用モードに設定します。これにより、現在の物理デザイン構造のみが評価され、削除できるかどうかが決定されます。
インデックスのみを保持する	適切であれば、インデックスを除くすべての構造を削除します。
既存の PDS をすべて保持する	既存の構造をすべて保持します。
クラスタ化インデックスのみを保持する	適切であれば、クラスタ化インデックスを除くすべての構造を削除します。
固定パーティション分割を保持する	適切であれば、固定パーティションを除くすべての構造を削除します。

dta ユーティリティを使用したチューニング オプション

–fa オプションと –fp オプションを使用して、データベース エンジン チューニング アドバイザの推奨構成に含める機能セットのオブジェクトを指定できます。これらのオプションに指定できる値は、機能セットのオブジェクト (-fa) と機能セットのパーティション分割 (-fp) の 2 つの表に示されています。

機能セットのオブジェクト (-fa)

値	説明
IDX_IV	インデックスおよびインデックス付きビュー。
IDX	インデックスのみ (既定値)。
IV	インデックス付きビューのみ (インデックス付きビューが SQL Server 2005 のすべてのエディションと SQL Server 2000 Enterprise Edition に適用されます)。
NCL_IDX	非クラスタ化インデックスのみ。

機能セットのパーティション分割 (-fp)

値	説明
NONE	パーティション分割なし (既定)。
FULL	完全パーティション分割 (パフォーマンスを向上させるために選択します)。
ALIGNED	完全に固定。テーブルとそのテーブル上のすべてのインデックスが同様にパーティション分割されることを示します (このオプションを選択すると管理が容易になります)。

データベース エンジン チューニング アドバイザの推奨設定に含める必要のあるデータベース内の既存の物理デザイン構造を指定するには、-fk オプションを使用します。このオプションに指定できる値は、次の表のとおりです。

維持する物理デザイン構造 (-fk)

値	説明
ALL	すべて (既定)。
NONE	なし。
CL_IDX	クラスタ化インデックスのみ。
IDX	クラスタ化インデックスと非クラスタ化インデックスのみ。
ALIGNED	パーティションで固定されたすべての構造のみ。

削除専用モード (-fx)

削除専用モードを指定するには、-fx オプションを使用します。このオプションを使用すると、データベース エンジン チューニング アドバイザが既存の物理デザイン構造の削除のみを検討するように指定されます。新しい物理デザイン構造は検討されません。データベース エンジン チューニング アドバイザは、既存の物理デザイン構造の有用性を評価し、使用頻度の低い構造を削除するように推奨します。このオプションに値はありません。-fa、-fp、または -fk ALL と一緒には使用できません。

参照

概念

チューニング時間とイベントの制限
推奨設定のディスク領域の制限
チューニング オプション選択のシナリオ
サポートされていないチューニング オプション

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手

変更履歴

リリース	履歴
2005 年 12 月 5 日	変更内容 : タイトルを「使用可能なチューニング オプション」から「物理デザイン構造の指定」に変更しました。