照合順序の種類
SQL Server 2005 の照合順序には、Windows 照合順序と SQL 照合順序という 2 種類のグループがあります。
Windows 照合順序
Windows 照合順序は、SQL Server で Windows ロケールをサポートするために定義されている照合順序です。Windows 照合順序の一覧については、「セットアップでの照合順序の設定」を参照してください。SQL Server に対してある Windows 照合順序を指定すると、その照合順序に関連する Windows ロケールが指定されているコンピュータ上で実行しているアプリケーションと同じコード ページ、並べ替え規則、および比較規則が SQL Server インスタンスにも適用されます。たとえば、SQL Server のフランス語 Windows 照合順序は、Windows のフランス語ロケールの照合順序と属性が一致します。
Windows ロケールは SQL Server の Windows 照合順序よりも多数あります。Windows ロケールの名前は、たとえばフランス語 (カナダ) のように、言語と地域で表されます。ただしいくつかの言語については、共通のアルファベットおよび文字の並べ替えと比較の規則が使用されています。たとえば、すべてのポルトガル語 Windows ロケールおよび英語 Windows ロケールを含む 33 個の Windows ロケールは、Latin1 コード ページ (1252) を使用し、共通の規則に従って文字の並べ替えと比較を行います。SQL Server の Windows 照合順序は、Latin1_General のコード ページおよび並べ替え規則を基にしているので、これら 33 個の Windows ロケールをすべてサポートしています。
また、Windows ロケールには、通貨、日付、時刻の形式など、SQL Server の Windows 照合順序が対象としていない属性が指定されます。英国と米国など、国や地域によっては通貨、日付、時刻の形式が異なるため、異なる Windows 照合順序が必要になります。しかし、英国と米国では同じアルファベットと、文字の並べ替えおよび比較の規則を使用するため、異なる SQL Server 照合順序は必要ありません。
SQL Server の Windows 照合順序には、大文字小文字、アクセント、仮名、および全角半角を区別する並べ替えおよび比較の規則を詳細に定義するためのサフィックスが付けられています。これらのサフィックスの詳細については、「Windows 照合順序並べ替えスタイル」を参照してください。
SQL 照合順序
SQL 照合順序は、以前のバージョンの SQL Server で指定されることが多かったコード ページ番号と並べ替え順の組み合わせの属性に対応した互換性オプションです。SQL 照合順序の多くで大文字小文字、アクセント、仮名、および全角半角を区別するサフィックスを指定できますが、すべの照合順序で指定できるわけではありません。詳細については、「SQL 照合順序の使用」を参照してください。
SQL Server 2005 ではできる限り Windows 照合順序を使用してください。このことは、データベースに Unicode の列と Unicode 以外の列が混在している場合に特に当てはまります。Windows 照合順序を使用すると、実際には Unicode のデータと Unicode 以外のデータの両方に Unicode ベースの並べ替え規則が適用されます。つまり、SQL Server 内部では Unicode 以外のデータを Unicode に変換して比較操作が実行されます。このしくみによって SQL Server のデータ型に一貫性が生まれ、開発者が SQL Server と同一の規則を使用して文字列を並べ替えるアプリケーションを開発できるようになります。
一方、SQL 照合順序は Unicode 以外のデータには Unicode 以外の並べ替え規則を適用し、Unicode データには対応する Windows 照合順序を使用して Unicode の並べ替え規則を適用します。この違いによって、同一文字の比較でも結果の一貫性が失われる場合があります。したがって、データベースに Unicode の列と Unicode 以外の列が混在している場合は、どちらのデータにも同一の並べ替え規則を適用するために、すべての列を Windows 照合順序を使用して定義してください。
SQL 照合順序を使用するのは、以前のバージョンの既存の SQL Server インスタンスとの互換性を保つ場合、または以前のバージョンの SQL Server で SQL 照合順序を使用して開発したアプリケーションの互換性を保つ場合に限定してください。
Windows 照合順序と SQL 照合順序はパフォーマンスが異なります。詳細については、「Unicode のストレージとパフォーマンスの影響」を参照してください。