キューブの概要
キューブは、メジャーとディメンションによって定義されます。キューブのメジャーとディメンションは、そのキューブの基になっているか、またはメジャー定義とディメンション定義から生成されたデータ ソース ビュー内のテーブルおよびビューから派生します。
キューブの例
Imports キューブには、Packages と Last という 2 つのメジャーと、Route、Source、および Time という 3 つの関連ディメンションが含まれています。
キューブの周囲の小さい英数字の値はディメンションのメンバです。この例のメンバは、ground (Route ディメンションのメンバ)、Africa (Source ディメンションのメンバ)、および 1st quarter (Time ディメンションのメンバ) です。
メジャー
キューブ セル内の値は、Packages と Last という 2 つのメジャーを表します。Packages メジャーは輸入されるパッケージ数を表し、Sum 関数はファクトを集計するために使用されます。Last メジャーは受入日を表し、Max 関数はファクトを集計するために使用されます。
ディメンション
Route ディメンションは、輸入品が宛先に搬送される手段を表します。このディメンションのメンバには、ground、nonground、air、sea、road、rail があります。Source ディメンションは、Africa または Asia など、輸入品の製造場所を表します。Time ディメンションは、年間の四半期と上半期または下半期を表します。
集計
キューブのビジネス ユーザーは、ディメンション内のメンバのレベルに関係なく、すべてのディメンションのメンバごとにすべてのメジャーの値を決定できます。これは、Analysis Services が必要に応じて上位レベルで値を集計するためです。たとえば、前の図のメジャー値は、次の図に示すように Time ディメンションの Calendar Time 階層を使用して、標準カレンダー階層に従って集計できます。
1 つのディメンションを使用してメジャーを集計するだけでなく、さまざまなディメンションのメンバを組み合わせて使用し、メジャーを集計できます。これにより、ビジネス ユーザーは複数のディメンション内で同時にメジャーを評価できます。たとえば、ビジネス ユーザーが Eastern Hemisphere と Western Hemisphere から air によって搬送された輸入品を四半期別に分析する必要があれば、キューブ上でクエリを実行して次のデータセットを取得できます。
Packages | Last | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
All Sources |
Eastern Hemisphere |
Western Hemisphere |
All Sources |
Eastern Hemisphere |
Western Hemisphere |
|||
All Time |
25110 |
6547 |
18563 |
Dec-29-99 |
Dec-22-99 |
Dec-29-99 |
||
1st half |
11173 |
2977 |
8196 |
Jun-28-99 |
Jun-20-99 |
Jun-28-99 |
||
1st quarter |
5108 |
1452 |
3656 |
Mar-30-99 |
Mar-19-99 |
Mar-30-99 |
||
2nd quarter |
6065 |
1525 |
4540 |
Jun-28-99 |
Jun-20-99 |
Jun-28-99 |
||
2nd half |
13937 |
3570 |
10367 |
Dec-29-99 |
Dec-22-99 |
Dec-29-99 |
||
3rd quarter |
6119 |
1444 |
4675 |
Sep-30-99 |
Sep-18-99 |
Sep-30-99 |
||
4th quarter |
7818 |
2126 |
5692 |
Dec-29-99 |
Dec-22-99 |
Dec-29-99 |
キューブを定義した後、新しい集計を作成したり、既存の集計を変更して、集計を処理時に事前計算するかクエリ時に計算するかなどを指定するオプションを設定することができます。関連トピック :集計と集計デザイン (SSAS)
メジャー、属性、および階層のマッピング
キューブの例のメジャー、属性、および階層は、キューブのファクト テーブルおよびディメンション テーブルの次の列から派生します。
メジャーまたは属性 (レベル) |
メンバ |
基になるテーブル |
基になる列 |
サンプル列の値 |
Packages メジャー |
N/A |
ImportsFactTable |
Packages |
12 |
Last メジャー |
N/A |
ImportsFactTable |
Last |
May-03-99 |
Route ディメンションの Route_Category レベル |
nonground、ground |
RouteDimensionTable |
Route_Category |
Nonground |
Route ディメンションの Route 属性 |
air、sea、road、rail |
RouteDimensionTable |
Route |
Sea |
Source ディメンションの Hemisphere 属性 |
Eastern Hemisphere、Western Hemisphere |
SourceDimensionTable |
Hemisphere |
Eastern Hemisphere |
Source ディメンションの Continent 属性 |
Africa、Asia、AustraliaEurope、N. America、S. America |
SourceDimensionTable |
Continent |
Europe |
Time ディメンションの Half 属性 |
1st half、2nd half |
TimeDimensionTable |
Half |
2nd half |
Time ディメンションの Quarter 属性 |
1st quarter、2nd quarter、3rd quarter、4th quarter |
TimeDimensionTable |
Quarter |
3rd quarter |
通常、1 つのキューブ セルのデータは、ファクト テーブルの複数行から派生します。たとえば、air メンバ、Africa メンバ、および 1st quarter メンバの交差部分にあるキューブ セルには、ImportsFactTable ファクト テーブルの次の行の集計によって派生する値が格納されます。
Import_ReceiptKey |
RouteKey |
SourceKey |
TimeKey |
Packages |
Last |
3516987 |
1 |
6 |
1 |
15 |
Jan-10-99 |
3554790 |
1 |
6 |
1 |
40 |
Jan-19-99 |
3572673 |
1 |
6 |
1 |
34 |
Jan-27-99 |
3600974 |
1 |
6 |
1 |
45 |
Feb-02-99 |
3645541 |
1 |
6 |
1 |
20 |
Feb-09-99 |
3674906 |
1 |
6 |
1 |
36 |
Feb-17-99 |
前の表で、各行の RouteKey 列、SourceKey 列、および TimeKey 列の値が同じであるということは、これらの行が同じキューブ セルに影響を与えることを示しています。
ここで示す例は、非常に単純なキューブを表します。つまり、キューブに 1 つのメジャー グループがあり、すべてのディメンション テーブルがスター スキーマのファクト テーブルに結合されています。別の一般的なスキーマとして、スノーフレーク スキーマがあります。このスキーマでは、1 つ以上のディメンション テーブルがファクト テーブルに直接結合されるのではなく、それぞれ別のディメンション テーブルに結合されます。関連トピック :ディメンション (Analysis Services)
ここで示す例には、1 つのファクト テーブルだけが含まれています。キューブに複数のファクト テーブルがある場合、各ファクト テーブルからのメジャーはメジャー グループに編成され、メジャー グループは定義済みのディメンション リレーションシップによって、特定のセットのディメンションに関連付けられます。これらのリレーションシップは、データ ソース ビューの参加テーブルとリレーションシップの粒度を指定することによって定義します。関連トピック :ディメンション リレーションシップ
参照
概念
その他の技術情報
Working with Cubes and Measures
Working with Dimensions and Levels