アクション
Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services でのアクションとは、クライアント アプリケーションによって表示および使用されるストアド MDX ステートメントです。つまり、アクションとは、サーバーで定義され格納されたクライアント コマンドです。また、クライアント アプリケーションによって MDX ステートメントを表示および処理するタイミングと方法を指定する情報も含まれています。アクションで指定される操作では、アクションに含まれる情報をパラメータとして使用してアプリケーションを起動したり、アクションで指定される条件に基づいて情報を取得することができます。
アクションを使用すると、ビジネス ユーザーは分析結果に従った操作を実行できます。従来の分析は、データの表示で終わることが普通でしたが、アクションを保存および再利用することで、エンド ユーザーはそれ以上の効果を得ることができます。問題と欠陥を検出するソリューションを開始できるので、キューブの範囲を超えてビジネス インテリジェンス アプリケーションを拡張できます。アクションの利用により、クライアント アプリケーションを高度なデータ表示ツールから企業の運用システムの不可欠部分へと変えることができます。エンド ユーザーは、運用アプリケーションへの入力としてのデータ送信に終始せず、むしろ意思決定プロセスの "環を閉じる (Closing the Loop)" ことができるのです。分析データを意思決定に変えることのできる能力は、成功をもたらすビジネス インテリジェンス アプリケーションにとって不可欠です。
たとえば、キューブを参照するビジネス ユーザーが、ある製品の現在の在庫が不足していることに気付いたとします。クライアント アプリケーションは、Analysis Services データベースから取得したアクションの一覧をビジネス ユーザーに提供します。この一覧に含まれるすべてのアクションは、製品在庫の値が不足していることに関係しています。ここでビジネス ユーザーが、製品を表すキューブのメンバの Order アクションを選択するとします。Order アクションにより、運用データベースのストアド プロシージャが呼び出されて、新しい注文が開始されます。このストアド プロシージャでは、適切な情報が生成されて注文入力システムに送信されます。
アクションは、柔軟に作成できます。たとえば、アクションでアプリケーションを起動したり、データベースから情報を取得することができます。ディメンション、レベル、メンバ、セルなど、キューブのほとんどすべての部分からアクションがトリガされるように構成したり、キューブの同じ部分に対して複数のアクションを作成することができます。また、起動したアプリケーションに文字列パラメータを渡して、アクションの実行時にエンド ユーザーに表示されるキャプションを指定することもできます。
重要 : |
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ビジネス ユーザーがアクションを使用するには、ビジネス ユーザーが実行するクライアント アプリケーションでアクションがサポートされている必要があります。 |
アクションの種類
次の表に、Analysis Services に含まれているアクションの種類を示します。
アクションの種類 | 説明 |
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コマンドライン |
コマンド プロンプトでコマンドを実行します。 |
データセット |
データセットをクライアント アプリケーションに返します。 |
ドリルスルー |
ドリルスルー ステートメントを式として返します。この式は、行セットを返すときにクライアントによって実行されます。 |
Html |
インターネット ブラウザで HTML スクリプトを実行します。 |
専用 |
この表に記載されている以外のインターフェイスを使用して操作を実行します。 |
レポート |
パラメータ化された URL ベースの要求をレポート サーバーに送信して、レポートをクライアント アプリケーションに返します。 |
行セット |
行セットをクライアント アプリケーションに返します。 |
ステートメント |
OLE DB コマンドを実行します。 |
URL |
インターネット ブラウザで動的 Web ページを表示します。 |
アクションの競合回避と実行
コマンド オブジェクトが定義されているオブジェクトにビジネス ユーザーがアクセスすると、アクションに関連付けられているステートメントが自動的に解決されます。このため、クライアント アプリケーションでそのステートメントを利用できるようになりますが、アクションが自動的に実行されるわけではありません。アクションは、ビジネス ユーザーがそのアクションを開始するクライアント固有の操作をしたときにのみ実行されます。たとえば、クライアント アプリケーションでは、ビジネス ユーザーが特定のメンバまたはセルを右クリックしたときに、ポップアップ メニューとしてアクションの一覧を表示できます。