分離メソッド
Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) でデータ マイニング モデルを作成するための一部のアルゴリズムでは、正常に機能するために特定の種類のコンテンツが必要です。たとえば、Microsoft Naive Bayes などのアルゴリズムでは、連続する列を入力として使用したり、連続する値を予測したりすることはできません。また、一部の列に含まれている値が多すぎるため、データ マイニング モデルの作成元となるデータ内の対象パターンをアルゴリズムで容易に識別できない場合があります。
このような場合、アルゴリズムを使用してマイニング モデルを生成できるように、列内のデータを分離できます。分離とは、連続した一連のデータの値をバケットに分割して、モデル生成可能な状態を個別に複数生成するプロセスです。バケット自体は、順序付きの不連続の値として処理されます。数値と文字列の両方の列を分離できます。
データを分離するためのいくつかのメソッドがあります。各メソッドでは、次のコード例の式を使用して、生成するバケットの数が自動的に計算されます。
Number of Buckets = sqrt(n)
このコード例の n は、列内の個別のデータ値の数です。Analysis Services でバケットの数を計算しない場合は、DiscretizationBuckets プロパティを使用して、バケットの数を手動で指定できます。
次の表では、Analysis Services でデータを分離するときに使用できるメソッドについて説明します。
分離メソッド | 説明 |
---|---|
AUTOMATIC |
Analysis Services によって、使用する分離メソッドが決定されます。 |
CLUSTERS |
このアルゴリズムは、トレーニング データをサンプリングして多数のランダム ポイントに初期化し、Expectation Maximization (EM) クラスタ化アルゴリズムを使用して Microsoft クラスタリング アルゴリズムを何度か繰り返し実行することによって、データをグループに分割します。CLUSTERS メソッドは、どのような分布曲線にも使用できるので便利です。ただし、その他の分離メソッドよりも処理時間は長くなります。 このメソッドは数値列でのみ使用できます。 |
EQUAL_AREAS |
このアルゴリズムは、同数の値が含まれているグループにデータを分割します。このメソッドは正規分布曲線に最適ですが、連続データの小さなグループに多数の値が含まれている分布の場合は適切に機能しません。たとえば、ケース ダイアグラムで指定された発注品目の半数のコストの値が 0 である場合、データの半数は曲線の 1 点の下に位置します。このような分布の場合、このメソッドはデータを分割するときに、複数の領域に均等に分離しようとします。これにより、データが不適切に表示されます。 |
EQUAL_AREAS メソッドを使用すると、文字列を分離できます。
CLUSTERS および THRESHOLDS メソッドは、1,000 個のレコードのランダム サンプルを使用してデータを分離します。アルゴリズムでデータをサンプリングしない場合は、EQUAL_AREAS メソッドを使用します。
参照
概念
コンテンツの種類 (データ マイニング)
データ マイニング アルゴリズム
マイニング構造 (Analysis Services)
データ型 (データ マイニング)