レプリケーションの可用性に関する機能強化
レプリケーションの可用性に関する機能が強化された分野は、以下のとおりです。
- スキーマ変更のレプリケーション
- スナップショットの配信の再開
- ピア ツー ピアのトランザクション レプリケーション
- レプリケーション エージェントのサポート強化
- 論理レコードのレプリケーション
可用性に関する機能強化
スキーマ変更のレプリケーション
SQL Server 2000 では、ストアド プロシージャ sp_repladdcolumn (Transact-SQL) と sp_repldropcolumn (Transact-SQL) を使用して、パブリッシュされたテーブルの列の追加と削除を実行できました。SQL Server 2005 では、特別なストアド プロシージャを使用しなくても、さらに幅広いスキーマ変更をレプリケートできるようになっています。つまり、パブリッシャ側で DDL ステートメントを実行すれば、それがすべてのサブスクライバに自動的に反映されます。詳細については、「パブリケーション データベースでのスキーマの変更」を参照してください。
スナップショットの配信の再開
スナップショットの生成と適用の機能が強化され、配信中に中断されたスナップショットが自動的に再開されるようになりました。スナップショットの転送がある時点で中断すると、それが自動的に再開されますが、その際には、既に完全に転送されているファイルを再送信する必要はありません。この機能を活用するために特別なオプションを設定する必要はありません。
ピア ツー ピアのトランザクション レプリケーション
SQL Server 2000 のトランザクション レプリケーションは、サブスクライバにレプリケートされたデータをパブリッシャが所有するという階層トポロジをサポートしていました。更新サブスクリプションを許可したトランザクション レプリケーションでも、サブスクライバ側の更新がサポートされていましたが、サブスクライバはレプリケーションへの参加という点でパブリッシャとは別の種類として分類されていました。SQL Server 2005 では、新しいピア ツー ピアのモデルが導入され、トポロジに参加する同じ種類間でのレプリケーションが可能になっています。この新しいサポートは、サーバー間構成を実行しているカスタマを対象としており、この構成は、メンテナンスや障害管理のために、レプリケートされるノード間でロールの動的な移動が必要です。詳細については、「ピア ツー ピア トランザクション レプリケーション」を参照してください。
レプリケーション エージェントのサポート強化
レプリケーション エージェントの信頼性が高まり、エラー復旧の機能が強化されています。エージェントやジョブの間の競合が減ったことに加えて、ネットワーク エラー、デッドロック状態、クエリのタイムアウトが発生した場合にエージェントが自動的に再試行するようになりました。エージェントの詳細については、「レプリケーション エージェントの概要」を参照してください。
論理レコードのレプリケーション
マージ レプリケーションの既定の設定では、変更が行ごとに処理されます。論理レコード機能を使用すれば、マージ レプリケーションで、関連する行のセット (たとえば、SalesOrderHeader テーブルにある親行と SalesOrderDetails にある子行など) を 1 つの単位としてまとめて処理できます。この機能を使用すれば、ネットワークの信頼性やその他の問題には関わりなく、関連レコードのセット全体がサブスクライバで常に同時に処理されるようになります。詳細については、「論理レコードによる関連行への変更のグループ化」を参照してください。