Calculated Columns パッケージ サンプル

Calculated Columns サンプルは、アーカイブされた販売トランザクションの処理を行うパッケージです。このパッケージでは、OLE DB ソース、2 つの派生列変換、並べ替え変換、および集計変換が使用されます。結果は、フラット ファイル変換先を使用して、フラット ファイルに送信されます。

Calculated Columns サンプル パッケージでは、テーブルからのデータの抽出、データに対する算術演算の実行、データ値の集計、データの並べ替え、およびファイルへのデータの書き込みを行う方法について示します。また、このサンプル パッケージでは、パッケージ構成、変数、プロパティ式を使用して、サンプルが書き込みを行うファイルの場所を動的に更新し、その場所にファイルをコピーします。

このサンプルを英語版以外の Windows で開いたり、実行したりする場合は、Program Files フォルダの名前をローカライズされた名前に置き換える必要があります。

重要 :
サンプルは、学習に使用することのみを目的に提供されています。これらは、運用環境での使用を目的としたものではなく、運用環境でのテストも実施されていません。Microsoft からは、これらのサンプルについてのテクニカル サポートは提供されません。

必要条件

このサンプル パッケージを実行するための前提条件は次のとおりです。

• サンプル パッケージとサンプル パッケージが使用するデータ ファイルが、ローカルのハード ディスク ドライブにインストールされている。
• AdventureWorks データベースがインストールされていて、そのデータベースに対する管理権限を持っている。このサンプルでは、サンプル AdventureWorks データベースの TransactionHistoryArchive テーブルからデータが取得されます。既定では、このテーブルは AdventureWorks データベースと共にインストールされます。
• コマンド ラインからサンプル パッケージを実行する場合、SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) がインストールされている。
• SSIS デザイナでパッケージを開いてサンプル パッケージを実行する場合、Business Intelligence Development Studio がインストールされている。

サンプルのインストール方法の詳細については、SQL Server Books Online の「Integration Services サンプル パッケージのインストール」を参照してください。SQL Server 2005 のオリジナル リリース後にリリースされた新しいサンプルを含む、サンプルの最新バージョンを入手するには、「SQL Server 2005 Samples and Sample Databases (April 2006)」を参照してください。

サンプル パッケージの場所

サンプルが既定のインストール場所にインストールされた場合、Calculated Columns サンプル パッケージは次のフォルダにあります。

C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\Samples\Integration Services\Package Samples\CalculatedColumns Sample\CalculatedColumns\

このサンプル パッケージの実行には次のファイルが必要です。

ファイル	説明
CalculatedColumns.dtsx	サンプル パッケージです。
results.txt	フラット ファイル サンプル データです。

サンプルの実行

パッケージは、dtexec ユーティリティを使用してコマンド ラインから実行できます。または、Business Intelligence Development Studio で実行することもできます。

英語版以外の Windows を使用している場合、パッケージで使用されているファイル接続マネージャの ConnectionString プロパティを更新しないと、サンプル パッケージを正常に実行できないことがあります。接続マネージャで使用されているパスが現在のコンピュータで有効かどうかを確認し、必要に応じて、Program Files フォルダのローカライズされた名前を使用するようにパスを変更してください。

このサンプルの場合、results.txt 接続マネージャで、ConnectionString プロパティの "Program Files" を変更しなければならない可能性があります。

dtexec を使用してパッケージを実行するには

1. [コマンド プロンプト] ウィンドウを開きます。

2. ディレクトリを変更する cd コマンドを使用して、dtexec のある、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\DTS\Binn にディレクトリを変更します。

3. 次のコマンドを入力します。

   dtexec /f "C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\Samples\Integration Services\Package Samples\CalculatedColumns Sample\CalculatedColumns\CalculatedColumns.dtsx"
   

4. Enter キーを押します。

dtexec ユーティリティを使用してパッケージを実行する方法の詳細については、SQL Server 2005 Books Online のトピック「dtexec ユーティリティ」を参照してください。

Business Intelligence Development Studio でパッケージを実行するには

1. Business Intelligence Development Studio を開きます。

2. [ファイル] メニューの [開く] をポイントし、[プロジェクト/ソリューション] をクリックします。

3. CalculatedColumns Sample フォルダを探し、CalculatedColumns.sln という名前のファイルをダブルクリックします。

4. [ソリューション エクスプローラ] で、[SSIS パッケージ] フォルダの CalculatedColumns.dtsx を右クリックして、[パッケージの実行] をクリックします。

サンプルのコンポーネント

以下の表に、サンプルで使用されるタスク、コンテナ、データ ソースと変換先、および変換を示します。

要素	目的
データ フロー タスク	データ フロー タスク Calculate Values は、パッケージのデータ フローを実行します。
ファイル システム タスク	ファイル システム タスク Copy File は、ユーザーが通常は書き込み権限を持たないフォルダである Program Files 内のインストール フォルダからユーザーの Temp フォルダに results.txt をコピーします。
OLE DB ソース	データ フロー内の最初のコンポーネントは、Extract Data という名前の OLE DB ソースです。これにより、AdventureWorks データベースの TransactionHistoryArchive テーブルから、アーカイブされた販売トランザクション ソース データが読み込まれます。
派生列変換	最初の派生列変換は Calculate LineItemTotalCost という名前が付いています。この変換により、各販売トランザクションのコストに量を乗算し、それを新しい列に格納して、LineItemTotalCost という新しい列が作成されます。この新しい列は、各出力行に追加されます。
集計変換	集計変換 Sum Quantity and LineItemTotalCost は ProductID 列によってデータをグループ化し、各 ProductID に対しては QuantitySum 列として Quantity 列の合計を計算し、TotalCostByID 列として LineItemTotalCost 列の合計を計算します。
派生列変換	2 番目の派生列変換 Calculate Average Cost は、新しい列 AvgCostByID を各出力行に追加します。この列には、各 ProductID に対して、QuantitySum によって除算された TotalCostByID が含まれています。
並べ替え変換	並べ替え変換 Sort by ProductID は、ProductID 列によって結果を並べ替えます。
フラット ファイル変換先	フラット ファイル変換先 Load Data は、データをフラット ファイル results.txt に保存します。
ファイル接続マネージャ	3 つのファイル接続マネージャは、ソース、result.txt ファイルのコピー、および Temp ディレクトリに接続します。
OLE DB 接続マネージャ	OLE DB 接続マネージャの (local).AdventureWorks は、ローカル サーバー上の AdventureWorks データベースに接続します。

サンプル結果

Calculated Columns サンプル パッケージの実行結果は、temp ディレクトリにあるテキスト ファイルに保存されます。コンピュータ上の temp ディレクトリを探すには、[スタート] をクリックして [ファイル名を指定して実行] をクリックし、「%temp%」と入力して [OK] をクリックします。これにより、temp フォルダが開きます。このフォルダで、results.txt を検索して開きます。 このファイルの内容は、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\Samples\Integration Services\Package Samples\CalculatedColumns Sample\CalculatedColumns フォルダにある results.txt ファイルの内容と一致している必要があります。あらかじめ作成されているこの results.txt ファイルは、パッケージを実行する前に印刷や表示を行うために含まれています。