ファイル共有データ処理拡張機能サンプル
更新 : 2005 年 12 月 5 日
FsiDataExtension は、Windows ファイル システム用の単純なデータ処理拡張機能です。Microsoft .NET Framework ライブラリ クラスの DirectoryInfo および FileSystemInfo を使用して、有効なネットワーク ファイル共有内のコンテンツに対してクエリを実行します。このサンプルでは、データ処理拡張機能インターフェイスに加えて、他の .NET Framework クラスも使用されています。このサンプルには、File Share Information を表すプレフィックス "Fsi" を付けるという命名規則を適用しています。また、Itanium ベースのオペレーティング システムでは、このサンプルはサポートされていません。
SQL Server サンプルは、セットアップ中に自動的にインストールされません。これらのサンプルをインストールする方法の詳細については、「サンプルのインストール」を参照してください。
重要 : |
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サンプルは、学習に使用することのみを目的に提供されています。これらは、運用環境での使用を目的としたものではなく、運用環境でのテストも実施されていません。マイクロソフトからは、これらのサンプルについてのテクニカル サポートは提供されません。サンプル アプリケーションおよびサンプル アセンブリは、システム管理者の許可なしに、運用中の SQL Server データベースやレポート サーバーに接続しないようにしてください。 |
必要条件
FsiDataExtension サンプルを使用するには、Microsoft Visual Studio および Microsoft Visual C# または Microsoft Visual Basic について理解し、次のコンポーネントやツールをインストールしておく必要があります。
- Microsoft Visual Studio 2005 または互換性のある開発環境 (プロジェクト ファイル表示用)。
- Microsoft SQL Server 2005 (Reporting Services を含む)。
- Microsoft .NET Framework Version 2.0。
- Reporting Services のサンプル。サンプルは、SQL Server 2005 のセットアップ中にインストールできます。このリリースでは、サンプルのインストールを選択すると、コンピュータ上に個別のインストーラがインストールされて、サンプルの展開とインストールに使用することができます。このインストーラは、[スタート] メニューの Microsoft SQL Server 2005 プログラム グループから実行できます。
- アクセス権を持つネットワーク上のレポート サーバー (このサンプル拡張機能を使用して、他のデータ処理機能をサーバーに追加する場合)。
場所
このサンプルは Reporting Services のサンプル ディレクトリの [Extension Samples\FsiDataExtension Sample] のサブディレクトリにあります。
例 :
C:\Program Files\Microsoft SQL Server\90\Samples\Reporting Services\Extension Samples\FindRenderSave Sample
サンプルのビルド
次の手順に従ってサンプルをビルドします。
強力な名前のキー ファイルをまだ作成していない場合は、次の指示に従ってキー ファイルを生成してください。
厳密な名前のキー ファイルを生成するには
Microsoft Visual Studio 2005 コマンド プロンプトを開きます。[スタート] メニューの [すべてのプログラム] をポイントし、[Microsoft .NET Framework SDK 2.0] をポイントします。次に、[SDK コマンド プロンプト] をクリックします。
-- または --
Microsoft .NET Framework コマンド プロンプトを開きます。[スタート] メニューの [すべてのプログラム] をポイントし、[Microsoft .NET Framework SDK 2.0] をポイントします。次に、[SDK コマンド プロンプト] をクリックします。
ディレクトリの移動コマンド (CD) を使用して、コマンド プロンプト ウィンドウの現在のディレクトリから、サンプルがインストールされているフォルダに移動します。
注 : サンプルが配置されているフォルダを調べるには、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft SQL Server]、[マニュアルとチュートリアル] の順にポイントして、[サンプル ディレクトリ] をクリックします。既定のインストール場所を使用している場合、サンプルは <system_drive>:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\Samples にあります。 コマンド プロンプトで、次のコマンドを実行してキー ファイルを生成します。
sn -k SampleKey.snk
重要 : 厳密な名前のキー ペアの詳細については、MSDN の .NET Development Center にある「Security Briefs: Strong Names and Security in the .NET Framework」を参照してください。
.NET Framework SDK を使用してこのサンプルをコンパイルするには
レポート サーバーの \bin ディレクトリから、Microsoft.ReportingServices.Interfaces.dll をサンプル フォルダにコピーします。
次のコマンドを発行し、サンプル データ処理拡張機能 Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension.dll を作成します。
csc.exe /t:library /out:Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension.dll *.cs .\properties\*.cs /res:.\properties\Resources.resx /r:Microsoft.ReportingServices.Interfaces.dll
Visual Studio .NET を使用してサンプルをコンパイルするには
Visual Studio 2005 で FsiDataExtension のソリューション ファイル (FsiDataExtensionCS.sln または FsiDataExtensionVB.sln) を開きます。
ソリューション エクスプローラで、FsiDataExtension プロジェクトを選択します。
[プロジェクト] メニューの [参照の追加] をクリックします。
[参照の追加] ダイアログ ボックスが表示されます。
[.NET] タブをクリックします。
[参照] をクリックし、ローカル ドライブ上の Microsoft.ReportingServices.Interfaces に移動します。既定では、アセンブリは ReportServer\bin ディレクトリにあります。[OK] をクリックします。
選択した参照が、プロジェクトに追加されます。
[ビルド] メニューの [ソリューションのビルド] をクリックします。
サンプルの配置
上記の作業を完了したら、Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension.dll をレポート サーバーまたはレポート デザイナに配置し、カスタムのデータ ソースを使用するレポートの実行に使用できます。
サンプルを配置するには
Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension.dll をレポート サーバーにコピーします。レポート サーバー拡張機能の既定の場所は、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.3\Reporting Services\ReportServer\bin です。
このアセンブリをレポート デザイナにコピーします。レポート デザイナの拡張機能の既定の場所は、C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\Common7\IDE\PrivateAssemblies です。
RSReportServer.config ファイルと RSReportDesigner.config ファイル両方の Data 要素の下に、次のエントリを追加します (RSReportDesigner.config ファイルの既定の場所は C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\Common7\IDE\PrivateAssemblies であり、RSReportServer.config ファイルの既定の場所は C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.3\Reporting Services\ReportServer です)。
<Extension Name="FSI" Type="Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension.FsiConnection,Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension"/>
サンプル データ処理拡張機能で汎用クエリ デザイナを使用できるようにするには、RSReportDesigner.config ファイルの <Designer> 要素の下に、次のエントリを追加します。
<Extension Name="FSI" Type="Microsoft.ReportingServices.QueryDesigners.VDTQueryDesigner,Microsoft.ReportingServices.QueryDesigners"/>
データ処理拡張機能の配置の詳細については、「データ処理拡張機能の配置」を参照してください。
サンプルのコード アクセス セキュリティを構成するには
レポート サーバーのポリシー構成ファイル (rssrvpolicy.config) を開きます。このファイルの既定の場所は、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.3\Reporting Services\ReportServer です。
データ処理拡張機能に、完全な信頼を与える必要があります。そのためには、構成ファイルのコード グループ セクションの最後に次のコード グループ情報を追加します。
<CodeGroup class="UnionCodeGroup" version="1" PermissionSetName="FullTrust" Name="FSICodeGroup" Description="Code group for my FSI data processing extension"> <IMembershipCondition class="UrlMembershipCondition" version="1" Url="C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.3\Reporting Services\ReportServer\bin\Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension.dll" /> </CodeGroup>
レポート デザイナでサンプル データ処理拡張機能を使用している場合は、レポート デザイナのプレビューのポリシー構成ファイル (rspreviewpolicy.config) および次のコード グループを使用して手順 1. および 2. を繰り返します。
<CodeGroup class="UnionCodeGroup" version="1" PermissionSetName="FullTrust" Name="FSICodeGroup" Description="Code group for my FSI data processing extension"> <IMembershipCondition class="UrlMembershipCondition" version="1" Url="C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\Common7\IDE\PrivateAssemblies\Microsoft.Samples.ReportingServices.FsiDataExtension.dll" /> </CodeGroup>
rspreviewpolicy.config ファイルの既定の場所は、C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\Common7\IDE\PrivateAssemblies です。
.NET Framework セキュリティと Reporting Services の詳細については、「Reporting Services のコード アクセス セキュリティの理解」を参照してください。
FsiDataExtension を使用するレポートの作成
このセクションは、サンプルのデータ拡張機能を使用してサンプル レポートの作成方法を説明するための簡単なチュートリアルです。
メモ : |
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レポートの作成前に、レポート デザイナおよびレポート サーバーに、サンプルのファイル共有データ拡張機能を配置しておく必要があります。また、拡張機能で汎用クエリ デザイナが使用できるようにしておく必要もあります。詳細については、このトピックの「FsiDataExtension の配置」を参照してください。 |
レポート プロジェクトを作成するには
[スタート] をクリックして [プログラム] をポイントし、[Microsoft SQL Server 2005] をポイントして [Business Intelligence Development Studio] をクリックします。
[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[プロジェクトの種類] ボックスの一覧で、[ビジネス インテリジェンス プロジェクト] をクリックします。
[テンプレート] ボックスの一覧で、[レポート サーバー プロジェクト] をクリックします。
[プロジェクト名] ボックスに「FsiReportProject」と入力します。
[OK] をクリックすると、レポート プロジェクトが作成されます。
レポートを作成するには
[プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。
[カテゴリ] ボックスの一覧で、[レポート プロジェクト] をクリックします。
[テンプレート] ボックスの一覧で、[レポート] をクリックします。
[ファイル名] ボックスに「FsiReport」と入力し、[追加] をクリックします。
サンプルのデータ拡張機能を使用するデータ ソースを追加するには
データ ビューの [データセット] から [<新しいデータセット...>] を選択します。
[データ ソース] ダイアログ ボックスが表示されます。
[全般] タブで、[名前] ボックスに「FsiDataSource」と入力します。
[型] 一覧から [File Share Information] を選択します。
[接続文字列] は、空のままにします。ここで使用するサンプルのデータ拡張機能では、接続文字列は使用されません。
[資格情報] タブで、サーバーのログオンの種類を 1 つクリックします。サンプルのデータ拡張機能からアクセスするファイル共有に対する、ユーザー名とパスワードを指定できます。[Windows 認証 (統合セキュリティ) を使用する] をクリックするか、[特定のユーザー名とパスワードを使用する] をクリックして資格情報を入力します。あるいは [資格情報を要求する] をクリックして表示文字列を入力します。
セキュリティ メモ : 可能な場合は、常に Windows 認証を使用します。資格情報がキャッシュされている場合を除いて、ネットワーク ファイル共有にアクセスするたびに、ネットワーク資格情報が要求されます。 [OK] をクリックして、データ ソースを保存します。
データセットを表示するには
データ ビューに、汎用クエリ デザイナが表示されます。[コマンドの種類] から [Text] を選択します。
汎用クエリ デザイナのツール バーのすぐ下にあるクエリ ペインに、ネットワーク上で利用できるネットワーク ファイル共有へのパスを入力します。たとえば、「\\Computer1\Public」と入力します。
汎用クエリ デザイナのツール バーで、[実行] ボタン ([!] ボタン) をクリックします。
ファイル共有データが、下の結果ペインに表示されます。
レポート レイアウトをデザインするには
レイアウト ビューのツールボックスで、[テーブル] をクリックします。
デザイン画面に [テーブル] コントロールをドラッグします。
[フィールド] ウィンドウから、[詳細] 行の最初のセルに [名前] ボックスをドラッグします。必要に応じて、フィールドを自由にテーブルに追加します。
レポートのプレビューを表示するには
- [プレビュー] タブをクリックして、レポートをプレビューします。FsiDataSource の資格情報設定によっては、ユーザー名とパスワードの入力が要求される場合があります。
参照
処理手順
コード例のコンパイルと実行
SQL Server Reporting Services サンプル
その他の技術情報
拡張機能サンプル (Reporting Services)
データ処理拡張機能の実装
ヘルプおよび情報
変更履歴
リリース | 履歴 |
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2005 年 12 月 5 日 |
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