Readme_ShoppingCart

[アーティクル]
12/15/2008

更新 : 2005 年 12 月 5 日

Shopping Cart サンプルでは、簡単なショッピングカートアプリケーションの状態をメンテナンスするためにメッセージ交換グループ識別子を使用します。このアプリケーションでは ServiceBrokerInterface サンプルが使用されます。

既定では、Shopping Cart サンプルアプリケーションは C:\Program Files\Microsoft SQL Server\100\Samples\Engine\\ServiceBroker\ShoppingCart にインストールされます。サンプルフォルダが存在しない場合は、「サンプルのインストール」を参照してください。

サンプルは、演習目的で利用するためにのみ提供されています。サンプルを運用環境で使用することは想定されていないため、運用環境でのサンプルのテストは行われていません。Microsoft では、これらのサンプルに関する製品サポートサービスを提供していません。システム管理者の承認を得ることなく、サンプルアプリケーションやサンプルアセンブリを、運用中の SQL Server データベースやレポートサーバーに接続したり、これらのデータと共に使用することは避けてください。

サンプルのビルドとインストール

Visual Studio 2005 で ShoppingCartCS.sln を開きます。
F6 キーを押すか、[ビルド] メニューで [ソリューションのビルド] をクリックして、ソリューションをビルドします。
コマンドプロンプトを開き、Scripts フォルダに移動して、次のコマンドを実行します。
```
install all
```
インストールスクリプトによって、アプリケーションの SQL Server オブジェクトがインストールされます。これには、ShoppingCartService サービスを実装する共通言語ランタイム (CLR) ストアドプロシージャが含まれます。

サンプルの実行

サンプルディレクトリから ShoppingCartClient.exe アプリケーションを実行します。簡単にするため、クライアントは、クライアントが実行されるたびに 1 つの注文を処理します。
[Create Order] をクリックして注文を作成します。[Item] リストからアイテムを選択して [Add Item] をクリックし、ショッピングカートにアイテムを追加します。
[Service Broker Trace] タブをクリックすると、送信済みおよび受信済みの Service Broker メッセージの概要が表示されます。
ssb_ShoppingCart データベースの ShoppingList テーブルおよび StateTable テーブルは、アプリケーションの状態をメンテナンスします。CLR ストアドプロシージャによって、クライアントからのメッセージに基づいてテーブルが更新されます。Management Studio または sqlcmd を使用して、これらのテーブルを調べることができます。

サンプルのアンインストール

コマンドプロンプトを開き、Scripts フォルダに移動して、次のコマンドを実行します。
```
uninstall all
```
アンインストールスクリプトによって、アプリケーションの SQL Server オブジェクトが削除されます。

必要条件

このサンプルには Visual Studio 2005 が必要です。このサンプルでは、以前のバージョンにはなかった CLR の機能が使用されているため、Visual Studio 2005 より前のバージョンではこのサンプルをビルドできません。

使用例

サービスをホストするデータベースの状態が最も頻繁に格納されるのは Service Broker アプリケーションです。メッセージを受信すると、アプリケーションはデータベースから状態を読み込み、メッセージを処理します。

Service Broker Interface サンプルの Service クラスによって、状態をメンテナンスする便利な方法が提供されます。このサンプルでは、Service クラスを使用して状態をメンテナンスする方法が示されます。

Service クラスを使用して状態のメンテナンスを行うには、次の表のとおり、1 つのストアドプロシージャを SQL Server に実装し、2 つのメソッドをアプリケーションに実装します。

アイテム	シグネチャ	説明
ストアドプロシージャ	`CREATE PROCEDURE` name `(@cgid uniqueidentifier)`	アプリケーションの状態を返します。このプロシージャによって返される結果セットには、メッセージ交換グループ識別子が含まれている必要があります。
パブリックメソッド	`public override bool LoadState(System.Data.Sql.SqlReader reader)`	ストアドプロシージャによって提供された結果セットを読み取り、状態を復元します。Service Broker Interface は識別子を `SaveState` メソッドに提供しないため、このストアドプロシージャはクラス内にメッセージ交換グループ識別子を保存する必要があります。
パブリックメソッド	`public override void SaveState()`	状態をデータベースに保存します。

このトピックでは、状態を復元するための一般的な概要について説明します。完全な例については、ShoppingCartService.cs を参照してください。

ストアドプロシージャはメッセージ交換グループ識別子を受け取り、2 つの結果セットを返す必要があります。1 番目の結果セットは、メッセージ交換グループ識別子自体で構成されます。2 番目の結果セットには、アプリケーション固有の状態が含まれています。このストアドプロシージャには固定名はありません。代わりに、AppLoaderProcName プロパティを設定することにより、ストアドプロシージャの名前を指定します。Service Broker Interface は指定されたストアドプロシージャの呼び出しを行います。

LoadState メソッドによってアプリケーションの状態を復元します。正確には、アプリケーションが行う処理は、アプリケーションが必要とする状態によって異なります。メソッドには、パラメータとして System.Data.Sql.SqlReader のインスタンスを取得します。SqlReader には、ストアドプロシージャを返す結果セットが含まれています。通常は、LoadState メソッドを実装すると、Service クラスの State プロパティが更新され、プライベートフィールドにメッセージ交換グループ識別子が保存され、それからアプリケーション固有の状態が適切なデータ構造に保存されます。たとえば、ShoppingCartService によって、アイテム、量、および価格の情報が ShoppingCart クラスのプライベートインスタンスに格納されます。

LoadState を呼び出した後、Service Broker Infrastructure によってメッセージがディスパッチされます。属性ベースのメッセージディスパッチフレームワークを使用する場合、メッセージ型の名前に加え、State プロパティに基づいてメッセージをディスパッチできることに注意してください。メッセージを処理するメソッドでは、LoadState で作成されたデータ構造の読み取りや更新を行うことができます。

メソッドを処理するメッセージが返されると、Service Broker Infrastructure によって SaveState メソッドが呼び出されます。SaveState メソッドは、Service クラスの Connection プロパティを使用して SqlCommand オブジェクトを作成し、そのオブジェクトを使用してデータベースに格納された状態を更新します。たとえば、ShoppingCartService は、保存されたショッピングカートの内容を削除し、ショッピングカートの現在の内容をデータベースに挿入します。

変更履歴

リリース	履歴
2005 年 12 月 5 日	変更した内容 : キーファイルの名前や場所など、キーファイルを生成する手順を変更しました。

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