配信拡張機能の導入
SQL Server Reporting Services により、ユーザーはレポートを作成し、パブリッシュできます。レポートは、作成しパブリッシュした後、さまざまな場所に配信できます。さらに、Reporting Services には配信拡張機能と配信 API もあります。開発者は別の配信拡張機能を作成し、Reporting Services の配信機能をさらに拡張することもできます。
次の表は、Reporting Services に含まれる配信拡張機能を示しています。
配信拡張機能 | 説明 |
---|---|
レポート サーバーの電子メール |
SMTP サーバーを使用して個々のユーザーまたはグループに電子メールでレポートを送信します。 |
レポート サーバーのファイル共有 |
組織内のレポートをネットワーク ファイル共有に配布するときに使用します。指定したスケジュールでファイル共有にレポートを自動的にコピーできます。 |
Reporting Services の配信拡張機能アーキテクチャ
配信拡張機能はサブスクリプションと対になっています。ユーザーはサブスクリプションを作成するとき、レポートの配信方法を決定するために、利用可能な配信拡張機能の 1 つを選択できます。Reporting Services では、サブスクリプションはレポート サーバー データベースに置かれます。イベントが発生すると、Reporting Services はレポート サーバー データベースにあるサブスクリプションにイベントを照合します。イベントに関連付けられたサブスクリプションごとに、レポート サーバーは通知を作成します。データ ドリブン サブスクリプションの場合、受信者ごとに通知が作成されます。通知が作成されると、レポート サーバーでは特定の配信拡張機能を呼び出し、通知に指定された拡張機能設定の値を渡します。配信拡張機能は、選択された配信拡張機能により指定されたユーザーに通知を送信します。
配信拡張機能では、Reporting Services 配信拡張機能 API を実装します。配信拡張機能では、Reporting Services 配信拡張機能 API をサポートすることで、レポート サーバーから通知を受信し、通知のステータスを提供することができます。
レポート サーバーでは、通知とレポートの配信先を管理しません。配信先情報の収集は、配信拡張機能に記述するコードで実行されます。
サブスクリプションと配信拡張機能
クライアント アプリケーションでは、レポート サーバー Web サービスの 2 つのメソッド CreateSubscription および CreateDataDrivenSubscription を使用して、配信拡張機能を使用するサブスクリプションを作成します。既存のサブスクリプションを変更する場合は、SetSubscriptionProperties および SetDataDrivenSubscriptionProperties メソッドを使用します。ユーザーは、サブスクリプションを作成するとき、サブスクリプションの配信拡張機能も選択し、必要な拡張機能設定の値を入力します。ユーザーがサブスクリプションを保存した場合、サブスクリプションはレポート サーバー データベースに格納されます。サブスクリプションではスケジュールまたはイベントに基づいて通知が作成されます。配信が始まると、最初に、選択された配信拡張機能が構成ファイルから構成データを読み込みます。次に、サブスクリプションの拡張機能設定が取得され、値が設定されます。最後に、Deliver メソッドが呼び出され、通知が送信されます。