表示拡張機能の導入
表示拡張機能は、レポート サーバーのコンポーネントまたはモジュールで、レポートのデータとレイアウト情報をデバイス固有の形式に変換します。SQL Server Reporting Services には 6 種類の表示拡張機能 (HTML、Excel、CSV (Text)、XML、Image、PDF) があります。追加の表示拡張機能を作成して、他の形式でレポートを生成できます。
メモ : |
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どの表示拡張機能を利用できるかは、RSReportServer.config ファイルのインストール済み拡張機能の一覧で確認できます。 |
次の表は、Reporting Services に備わっている表示拡張機能の説明です。
拡張機能名 | 説明 |
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XML |
XML 形式でレポートを表示します。レポートは任意のブラウザで開きます。この XML 出力にさらに手を加えれば、新しい表示拡張機能を開発しなくても、必要な表示拡張機能を効率的に追加することができます。 |
CSV |
コンマ区切り形式でレポートを表示します。レポートは、CSV ファイル形式に関連付けられている表示ツールで開きます。 |
IMAGE |
ページ指向形式でレポートを表示します。この形式は、[レポート] ツール バーの [エクスポート] ボックスに [TIFF] と表示されます。 |
Adobe Acrobat Reader 形式でレポートを表示します。この形式は、[レポート] ツール バーの [エクスポート] ボックスに [Acrobat (PDF) ファイル] と表示されます。 |
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EXCEL |
Microsoft Excel 形式でレポートを表示します。 |
HTML 4.0 (HTML 表示拡張機能の一部) |
HTML は、初期状態でレポートを表示するのに使用される形式です。ブラウザが HTML4.0 をサポートしている場合は、この形式が使用されます。それ以外の場合は、HTML 3.2 が使用されます。 |
HTML 3.2 (HTML 表示拡張機能の一部) |
HTML は、初期状態でレポートを表示するのに使用される形式です。ブラウザが HTML4.0 をサポートしている場合は、HTML4.0 形式が使用されます。それ以外の場合は、HTML 3.2 が使用されます。 |
MHTML (HTML 表示拡張機能の一部) |
MHTML 形式でレポートを表示します。レポートは、Internet Explorer で開きます。この形式は、[レポート] ツール バーの [エクスポート] ボックスに [Web アーカイブ] として表示されます。 |
HTMLOWC (HTML 表示拡張機能の一部) |
ブラウザ ウィンドウ内に読み込まれる Office Web コンポーネントでレポートを表示します。この形式は、[レポート] ツール バーの [エクスポート] ボックスに [Office Web Components を使用している HTML] として表示されます。 |
NULL |
レポートを特定の形式で表示しません。この表示拡張機能はレポートをキャッシュするのに有用です。Null 表示形式は、スケジュールされた実行または配信と連動して使用する必要があります。 |
推奨形式とその使い方の詳細については、「レポートのエクスポート」を参照してください。
Reporting Services に実装されている表示拡張機能は、すべて共通のインターフェイスを使用します。これにより、すべての拡張機能で同じレベルの機能性が実装され、レポート サーバーのコア部分での表示処理用コードがより単純になります。
表示オブジェクト モデル
レポートが処理されると、その処理結果は、表示オブジェクト モデル (ROM) として知られる、公開オブジェクト モデルになります。この表示オブジェクト モデルは、処理されたレポートの内容、レイアウト、およびデータを定義するクラスのコレクションです。開発者は、ROM を使用して、Reporting Services のカスタム表示拡張機能を設計、開発、展開できます。ROM は、レポートの XML 定義とユーザーにより定義されたレポート データが、レポート サーバーにより処理される際に作成されます。処理が完了すると、表示拡張機能によりこの公開オブジェクト モデルが使用され、レポートの出力が定義されます。ROM の利用可能なパブリック クラスは Microsoft.ReportingServices.ReportRendering 名前空間で定義されています。
カスタム表示拡張機能の記述
カスタム表示拡張機能の作成を決める前に、より簡単な代替手段を評価する必要があります。可能な代替手段としては以下の方法があります。
- 既存の拡張機能のデバイス情報の設定を詳細に指定して、表示される出力をカスタマイズする。
- XML 表現形式の出力に XLS 変換 (XSLT) を組み合わせることで、カスタムの形式と表現機能を追加する。
カスタム表示拡張機能の記述は難しい作業です。表示拡張機能は、一般的には、レポートの要素のあらゆる組み合わせをサポートする必要があり、多くのクラス、インターフェイス、メソッド、およびプロパティを実装しなければなりません。Reporting Services によりサポートされていない形式でレポートを表示する必要があり、独自に表示拡張機能のコードを記述して実装する場合、開発する表示拡張機能のコードは IRenderingExtension インターフェイスを実装する必要があります。このインターフェイスはレポート サーバーにより必要とされます。
Reporting Services に関する補足資料とホワイトペーパーについては、Reporting Services Web site の最新の技術文書を参照してください。